雨に煙る五番館西武。昔、酒蔵があったときにはよく足を運んでいました。

帽子のターンアラウンドマネージャー札幌を行く - 認定事業再生士のブログ-seibu


 さて、今日は、リスケジュールに関する誤解についてです。

① 「銀行さんにはリスケをお願いすることにして…どっか別に貸してくれる銀行はないですかね?」

 その融資を依頼した銀行(A銀行としましょう)が仮に融資に応じてくれたとしましょう。次の決算期に借入明細が出てきたときに、予想以上に返済額が少なくなっていることに気づくはずです。逆にリスケに応じた銀行は、その時提出を受けた事業計画・資金繰り計画になかったA銀行の借入が発生していることに気づくはずです。

 融資に応じたA銀行は「他の銀行にリスケを依頼しないとまわらないような会社なら貸してなかった」ほかの銀行は「ウチらと同じ返済条件で足並みをそろえてもらわないと…まさかA銀行さんだけ契約通りに返済するわけではないですよね?」という話になっていきます。

 どちらの目線から見ても一種の「だまし打ち」。銀行からの信用を踏みにじるような行為です。

 つまりおカネが回らないとき、「リスケを依頼する」か「借り増しをしてしのぐ」かどちらかを選択することになります。

② 「借りるだけ借りておいて、ダメならリスケでいいんですよね?」

 借りたあと、「返したい」というしっかりした意思もって数回返済をしていれば、それでもいいと思います。

 しかし、借りて一回も返済しないうちにリスケ、というのは承認を得るのは非常に難しくなります。

 つまり、

 「借りたときにはもうリスケするつもりだったんだろう、ハナから返すつもりがなかったんだな?」と言われたときに反論できないからです。

 ①、②ともに実際にご相談を受けたものです。

 共通しているのは、銀行の融資についてあまりに安易な考え方をしていることです。

 ここでやろうしていることは貸した側の心情、「相手を信頼しておカネを貸す」という感情に傷をつける行為です。

 銀行はATMではありません。

 自分本位に安易な考え方は慎むべき、と思います。

 さて今日の書棚のコーナーはこちらから。

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