森林公園えるむ


 中小企業の事業再生を行うスキームの一つに中小企業再生支援協議会の利用があります。

 この組織は経済産業省の旗振りで作られた組織で各都道府県に置かれています。

 利用方法は大きく二つに分かれます。

 一つ目は金融機関返済に対するリスケジュールです(一次対応)。中小企業再生支援協議会(以下「支援協」)の作成したリスケ案については各金融機関は原則従います。時間がない、取引金融機関の数が多い、などの場合、支援協を通すことでリスケしやすくなるケースがあります。

 二つ目は、私的整理ガイドライン類似の任意整理です。何言ってるかわからないかもしれませんのでゆっくり書きますと、

 普通債務をカットするためには民事再生法や破産法により手続きをします。裁判所を通す手続きになりますのでこれらを法的整理、といいます。

 それに対し、任意で整理をするケースを、法的整理に対して「私的整理」といいます。

 きちんとした債務整理である、というために(例えば、「きちんとしていない」とその私的整理によりカットした債権額を金融機関側がきちんと損金計上できない)厳しい条件を定めた、「私的整理ガイドライン」というものがあります。

 しかし、この「私的整理ガイドライン」は使い勝手が悪く、中小企業が使うことは非常に難しいものになっています。

 そこで登場するのが支援協による私的整理案、通称「二次対応」です。

 支援協内部で公認会計士によるデューデリジェンスをかけ、委員会で審議を行うことにより、

① 対象企業が「再生する価値のある企業」であり再生することに社会的意義があること
② その再生を通じ、一定の成果が期待できること(雇用防衛、など)
③ 経営者の経営責任を明らかにできること

 がはっきりすれば支援協の私的整理案にそって金融機関が債務を切り捨て(サービサーへの譲渡、返済不能な借入を残した状態で法人を特別清算する、などにより)、その会社は再生への道に進んでいくことになります。

 先週、ある事案のご相談のため、久しぶりに支援協にお伺いしましたが、以前と違って人員も増え、サブマネージャーの方々もお忙しそうにされていました。

 支援協、ツボにはまると大きな力を発揮します。しかしながら、1次対応、2次対応とも、支援協が金融機関折衝までする、ということではありませんので、全体のスキーム作り、進捗管理、金融機関折衝ができる、弊社のような会社と組み合わせますと効果が大きいのではないでしょうか。事業再生にはこのようなスキームもあります。






 ↓ついつい登録してしまいました。ぽちっ、とクリックお願いします。

 人気ブログランキングへ

 筆者山崎誠の経営する事業再生専門コンサルティング会社「株式会社 スター・ターンアラウンド・パートナーズ」
 筆者山崎誠が運営するネット書店 「街コンのビジネス家」
 筆者のブックログ「再生コンサルタントの書棚/CDケース」
 筆者山崎誠のもう一つのブログ、「ターンアラウンドマネージャー本日のお楽しみ」