札幌もすっかり秋模様である。日中も汗をかくほどではなくなり、朝夕はひんやりしてきた。北海道ではお盆過ぎるとストーブや融雪槽のCMが入り始めるが気持ちはすっかり冬に向かっている。

 今年の夏は白ワインばっかり飲んでいた。庭でBBQなどをやりながらシャルドネかソービニヨン・ブランの白をやると…合うんですなぁ、これが。

 さて。

2119f9a3.jpg アンジャッシュ、というコメディアンがいる。

 二人の間のちょっとした言葉の行き違いが勘違いに発展していくが妙に会話だけがかみ合ってしまう、というコントを得意にしている。

 すごくよく練られているコントで面白いので「エンタの神様」に出ると必ず見るようにしている。

 テレビでこういうコントを見る分には全く問題はないが再生の現場でこれが起きると目も当てられなくなる。

 前に、経営者はだんだん初心を忘れてしまい、お客様の方に問題がある、という方向に考えるようになる、と書いた。

 特に高度成長期に創業した経営者は成功体験を持っているだけに業績が悪化しても「こんなはずはない」「オレは悪くない」と考えがちだ。

 このことに関連して忘れられない思い出がある。

 会計事務所時代、ある会社の立て直しに取り組んでいた時のこと。

 その会社は過去7期連続で売上を減らし続けていた。

 複数の店舗を持っていたので業績面でまずまずの店と赤字の店を峻別してスクラップアンドビルドをしよう、ということになった。

 幸い銀行融資も受けられた。

 しかし…

 社長の動きが鈍いのである。計画は遅れに遅れた。

 業を煮やして社長をつついてみることにした。

 まずは共通認識から、ということで「過去ずっと業績が落ちているのは結局社長の腕が悪くて対策を誤ったってところからですから…」

 と言いかけたところで、その社長は言った。

 「えっ?!」

 私は一瞬にして悟らざるを得なかった。

 「この人は自分のせいだとはこれっぽっちも思っていない…」

 そりゃ対応も鈍いはずである。

 その社長さんにすれば業績が悪いのは

 「急に辞めた店長のせい」であり

 「近くに進出してきた大手のせい」であり

 「中小企業金融に積極的に取り組まない銀行のせい」であったのだ。

 よしんば自分が100%以上の仕事をしていたとしても結果として業績が落ち込んでいるわけだからそんなものは言い訳にはならない。

 辞めたいという店長さんも、大手の進出も、厳しい金融情勢も変えることはできない。

 変えられるのは自分と自分の店の中のことだけだ。

 結局再生も失敗したのだが自分のツメの甘さを痛感させられた事案だった。

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筆者山崎誠の経営する事業再生専門コンサルティング会社
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