ab7f642e.jpg 「うちわ」に続いてもう一つ夏らしく。「恐怖」2題。
 
 夏といえば怪談話、ということになる。

 「リング」に始まり「呪怨」でひとつのピークを迎えたジャパニーズホラー。「呪怨」の方は「のろう」に「うらむ」と書くが(改めてみてみるとすごい字を並べている)経営にもこの言葉が出てくる。

 少し前にご紹介した(「コンサル、どれが正しい?」)ランチェスター経営の本、「小さな会社☆儲けのルール」(竹田陽一・栢野克己著、フォレスト出版、2002年11月刊、1,400円+税)である。

 創業時は希望に燃えお客様を大切にしていてもだんだんと横着になってくる。そうなるとお客様の側は敏感にそれを察知するのでその会社からは離れていく。でもその会社の経営者は自己中心的な思考に慣れてしまっているので、「ウチを差し置いて他社から買うなんて」、とお客様の悪口を言うまでになる。そしてついには「ウチに来てくれない」ことでお客様を「うらみ」、「のろう」。

 これには続きがあって、なおざりにされ、悪口を言われることでお客様の評価は一層悪くなりさらに客足は遠のく(つまり「たたる」)。

 中小企業の経営者にとって背中がぞっとする怖い話ではないだろうか。

 うちわの回で「悩んでいるうちは(しゃれではないですよ)実は足が止まっている」と書いた。

 もう一つ人の進歩を止めるものがある。

 「恐怖」である。

 「トライして失敗したらどうしよう」

 「こんなことをして怒られないだろうか、嫌われないだろうか」

 そして昨日と同じ仕事を繰り返す。

 結論からいうと失敗しても大したことはない。

 人生やビジネスにおいて本当に「困ること」は起きない。よく「困った、困った」と口にしてしまうけど「本当に困っているのか」と考えるとそうでもないことに気づく。

 「…心の中の困ったという思いを消してしまえば、困ったことなど起きようがないのです。困った人には『困った』という知恵しか生まれません。そして『困った』という知恵から生まれたものは苦しみしかもたらしません。」(「変な人が書いた成功法則」、斎藤一人著、講談社+α文庫、2003年4月刊、600円+税)

そして

「心の安定を失うことの中で一番戒むべきものは恐怖観念である。」(「運命を拓く」、中村天風著、講談社文庫、1998年6月刊、552円+税)

 人間の人生の中で「困ったことに対する形のない恐怖」のためにどれだけの時間が無駄になっているだろう。恐怖は外から襲ってくるようで実は自分の心の中から湧き出してくるというのに。

 心の中に「うらみ」「のろい」「恐怖」があると周囲の人にもわかる。

 悩みと同じで怖がっている暇に何か試してみる、というのはどうでしょう?

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