東出 顕子,ロレッタ・シュワルツ=ノーベル
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 日本で公害問題が噴出したのは1960-70年代だったでしょうか。

 公害病が出現し、訴訟が起こされました。

 その後、工場や自動車に少しずつ排出規制の網がかぶせられ、以前ほどのレベルではなくなっているような感じがします。(ただし、1990年の途中から札幌に戻ったので私個人の感覚がそれにひきずられるている可能性はあります)

 で、強烈な本があったので読んでみました。

 3年前、日本でも「妊婦はマグロをあまり食べないように」という厚生労働省の指導がありました。

 これはマグロやキンメダイが体内に蓄積したメチル水銀が胎児に悪影響を及ぼす、という懸念からでした。

 実はその含有量がマグロよりも多く、上記の指導の中でマグロより上のランクで摂取注意となっているものがあります。

 イルカです。マグロより長寿でマグロより大量の魚を食べるため、より多量の水銀が蓄積されてしまうからです。

 そしてそれらを頻繁に食べ、体内に汚染物質をためてしまっている人たちがいます。アラスカのイヌイット族です。

 クジラ、アザラシ、などを食べることによりPCBやDDTの化学物資の体内濃度が限度を超えている状態になっている、とのこと。
  
 あるイヌイットの女性の母乳には1000ppmを超えるPCBが含まれていたそうですが、これは食品に対する安全基準である2ppmの500倍です。(50ppmを越えれば所謂廃棄物レベル、と…)

 この女性はどうやって子育てをすればいいんでしょう?

 そのほか、

 「空軍基地周辺では廃棄されたジェット燃料が地下水に滲出し、周辺で子供の白血病、神経異常、などが頻発」

 「子供用に接種されるワクチンに防腐剤として添加されるチメロサールは水銀を含んでおり、子供の脳がこれにさらされることで自閉症発症が増加している」※予防接種に含まれるチメロサールについては『含まれる水銀量が微量でマグロの方が危険』という指摘もあります。

 「乳がん発見の切り札とされるマンモグラフィは放射線被ばくを通じて逆に乳がんのリスクを高める」※これについても自然に浴びる放射線に比べれば微量、との指摘あり。

 この本の指摘でむむっ、と思ったのは、

 「キリスト教では最終的にハルマゲドンが来てすべてリセットされるという思想がある」また、人間について「地に満ちよ、地を従わせよ。また…すべての生き物を治めよ」という表現から、

 「自然に対して何をしてもいい、と思っていないか」という著者の指摘です。
 
 日本人が昔から自然と身に付けている、自然との共生(自然の中のいろいろなモノについて神が宿るとして敬い、畏れる姿勢)って世界的には異端なんでしょうか。

 単純な公害の話から最後は哲学的なところに思念を飛ばされた本でした。



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 筆者山崎誠の経営する事業再生専門コンサルティング会社
 株式会社 スター・ターンアラウンド・パートナーズ
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