最近、「怖い話」を2つ続けてしまったのでちょっとトーンを変えて。

 まず、「スター」ターンアラウンドのお話。

 地方で事業再生を専業で行うという画期的な法人、「株式会社 スター・ターンアラウンド・パートナーズ」が営業を開始し、HPを公開した直後のこと。

 「なかなか検索かけても上にでんなーぁ」とgoogleの中をぐるぐる回っていたとき。

 「スター」「ターンアラウンド」にヒットがあった。

 「おっっ!」と思ってよく見ると…

 それは「リンゴ・スター」の出したアルバムの中の一曲が「ターンアラウンド」というタイトルで、それに引っかかったのだった。

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 「よりによって…」「リンゴ・スターかよ…」

 でも買いましたよ。これも縁ですから。

 もったりした8ビートのロック。問題の一曲は、「アップタウンに行くのか、ダウンタウンに行くのか、方向転換(=ターンアラウンド)しなきゃねぇー」と歌っている。このアルバム「チューズラブ」はしっかり私のi-pod shuffleに入っている。

 さてさて…

 中小企業の社長さんは孤独である。

 業績が悪化しているのはすぐわかる。でも社内で相談できる相手はたいていの場合いない。(この部分、ワンマン社長が多いということの裏返しでもある)

 かといって家族に愚痴るわけにもいかない。

 同業の社長さんに相談しようものなら「あそこは危ない」ということになる。

 会計事務所も「困りましたね」と同情してくれるのが関の山か。(普通は。もしそうでなければあなたはすごくラッキーな社長さんです)

 開業後何件かご相談をいただいた中で感じるのはこういった孤独な社長さんの心、葛藤を理解し癒す場所も人もいないことである。

 事業再生コンサルティングでは「事業の存続、雇用の維持」を大テーマに仕事を進めるがそれと同じくらい大事なのは

 「社長さんの心のケア」、

 である。

 先に書いた、ミートホープ社の一件のように「不正をしてお金儲けました。車もいいのに乗っています」的な、わかりやすい悪役に位置づけられてしまった社長さんなら「経営責任を取って」という流れになるだろうしその中で「貯めた資産の中から私財提供を」という話も出てくるだろう。

 しかし、その一方で経営責任を感じつつ一所懸命努力したが業績悪化の泥沼にはまりこんでしまう社長さんもいる。なけなしの最後のお金まで会社につっこんでしまうような。 

 「会社がツブれるかも…」と考えれば迷惑をかけるであろう取引先、金融機関、従業員の顔や、自宅を手放したあと荷物をまとめて家族とともに自宅を出る場面などが頭に浮かぶはずだ。

 これがストレスでなくてなんなのか。

 誰がこのケアをするのか。

 私は、「それはターンアラウンドマネージャーの仕事だ」と思っている。

 実際は命までとられることもないしあまり心配することはないのだが

 「心配ないですよ」「大丈夫ですよ」

 と言ってくれる人がいなければ不安だけが増幅する。

 このあたりが以前、「事業再生は理屈20%、感情80%」と書いた所以である。

 ここ数日の札幌の最高気温は28度前後。地球に少しでもやさしく、ということで冷房をつけずモー娘。のうちわで暑さをしのいでいる。 

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