本棚 本棚、今はこの横に一個増えています。

 先週末から再生のスキーム作成依頼が3件ほど重なりました。
 
 私にとって初めての業種もあり…

 型どおり、財務分析をかけました。

 財務諸表にはいろいろなヒントが隠れています(たとえ粉飾後のものであっても)。

 売掛債権と年間の売上高を見れば、回収期間が出ます。これが想定される売掛金回収期間と比べると粉飾や不良債権(固定化している売掛債権)の有無が解ります。

 最近、法人税申告書に事業概況書を添付することが義務付けられました。事業概況書には月別の売上高、仕入高の記入欄もありますのでより正確に平均回収期間・支払期間の計算ができます。

 BS、PLの推移を見るのには3期分、できれば5期分の決算数値を横にならべて一覧性のある図表にまとめなおします。そうすると売上高や経費の傾向が明らかになります。

 小売業など粗利益率安定しているはずの業種でそれが激しく上下している場合、まず粉飾が疑われます。在庫の水増しや架空売上の計上で粗利益が膨らんでいる可能性が高い、といえます。

 また、通常一年ごとに計算するキャッシュフローを設立時から直近の決算期まで通して計算してみるとおもしろいことが解ります。

 「結局、この会社は借金でBSが膨らんだ」

 「派手さはないが毎期着実にCFを生み出している」

 「儲けを蓄積しては事故(貸倒損失など…特別損益に計上される)でキャッシュを消耗している」

 など、その会社の「稼ぎ方」が解るのです。

 そしてその「稼ぎ方」は社長さんの経営観をそのまま映したものです。苦しければ苦しいなりに、儲かっていればそれなりに、社長さんが思う、

 「会社とはこういうもの」という、その姿が現実化したものなのです。


 今日はマジメに。

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 筆者山崎誠の経営する事業再生専門コンサルティング会社
株式会社 スター・ターンアラウンド・パートナーズ
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