大相撲名古屋場所が終わった。場所後琴光喜関が大関昇進を決めた。

 相撲といえば皆さんは1999年まで現役を続けた、舞の海関を覚えておいでだろうか。現在もタレントとしてよくテレビに出ている、あの人である。身長168センチ、100kgに満たない体重で最高位小結まで昇進した。体格の不利を技術でカバーしたところからついたあだ名が「技のデパート」。

 仕事柄、私はよくプロスポーツ選手の本を読む。仕事に取り組む姿勢がすごく参考になるためである。
 
 巨人から勝ち星をあげ、12球団すべてから勝利を挙げた工藤公康投手。「僕の野球塾「考える力」こそ最強の武器」という著作の中であまり大きいとは言えない自分の体を最大限「投球」に活かす方法を理論的に解説している。

 元シアトル・マリナーズの長谷川滋利投手。チームの中で自分の位置を冷静に分析し球種を増やすことや打たれにくいフォームを研究してクローザーとして大成した。プレッシャーのかかるクローザーという役割を果たす中でどのように集中力を保つかは著作である「適者生存 メジャーへの挑戦」に詳しい。

 野球つながりで「メンタル・コーチング 潜在能力を最高に発揮させるたったひとつの方法」。昨季優勝した日本ハムファイターズがどのように選手のコーチングを行ったかがまとめられている。
 
 舞の海関の場合、体格の不利をカバーするために体を動かす稽古以上に「考える」ことをしたのだと思う。

 私は中小企業の事業再生とは「K-1だ」と思っている。

 スポーツで言えばあらゆる要素を含んだ、総合格闘技だから。

 お客様企業からのご依頼から順を追っていくと、まず財務分析とCF分析。破たんに直面しているかすこし時間があるかを見極めて対策の立案。対策が税法・会社法・商法などからみて問題がないかどうかのチェック。最大の債権者である金融機関との折衝。経営者や幹部社員との人間関係構築、コーチング、エンパワーメント。経営改善のための会社の強みの発見、新たな販路の開拓。不動産取引やM&A、労務の知識も必要だ。大企業向けに開発された手法は少し手を加えれば中小企業にも応用できる「技」となる。これらの要素を「ヒト・モノ・カネ」すべてが不足している中小企業再生の中で自在に使い分けていくわけだ。

 「こうしたらもっとよくなるのではないか」「この方法ではどうだろうか」などと思いを巡らす。そしてこの考えている時間が最高に楽しい。

 事業再生とは会社が良くなっていくことである。お金がない会社にお金がたまることである。楽しくないわけがない。

 今日も楽しみつつ、仕事をしよう!

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