この細長いパッケージの豆腐、ご覧になったことがある方も多いのでは、と思います。

 この本をご紹介するのにはちゃんとした理由があります。

 この会社、その名も「男前豆腐店」。

 豆腐やさんですが「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」のほか、寄せ豆腐の「お嬢」、絹ごし豆腐が「徹男」とネーミングがユニークで一度聞いたら忘れられないものばかりです。

 この本の中に、社長の伊藤信吾氏の、

 「豆腐は水と大豆とにがりだけでできる、いわば3コードのロックみたいなもの」という一節があります。

 伊藤社長のすごいところは、

 「それを徹底してつきつめたこと」

 です。

 水につける時間、炊く時間、火加減、豆の砕き方、それまでの技術を一回チャラにしてすべてを見直す。一回数十キロの大豆を使い豪快に失敗を重ねていく…「ジョニー」ができるまで1年半の試行錯誤を重ねたといいます。

 実際、私もファンですが一度食べれば忘れられない味です。

 その関連で思い出すのが、「ガイアの夜明け」。「食料争奪戦 ~ニッポンの食卓に忍び寄る危機~」の回の一部に男前豆腐店が取り上げられました。 

 この番組の中で伊藤社長が北海道十勝を訪れ、農家を集めて宴会を開く場面がありました。

 伊藤社長自らが自社の豆腐を切り分けて農家の方々にふるまうと、豆腐を口にした農家の方々の目が丸くなります。

 「自分らの作った大豆がこんな豆腐になるのか…」

 そして、その感動の中、「がんばっていい大豆を作ります」といって伊藤社長とがっちり握手。

 セミナーで、「ビジネスは真剣にやって下さい。でもマジメにやらないで下さい」とよく申し上げますが、男前豆腐店、絶好のお手本ではないでしょうか。

 長くなりますがもう一つ。

 男前豆腐店の製品の中に「ジョニポン」というのがあります。

 ポン酢です。しかも780円。通常の商品の2倍以上のお値段。

 商品の前に「冷奴に最適」と書いてあります。

 「ポン酢?」「冷奴に?」と頭が混乱しますがあの「ジョニー」の会社なら、ということで買いました。

 すると…うまいんです。本当に。

 そして本当に男前豆腐店の戦略に脱帽するのは、冷奴を食べ終わったときです。

 さすがに豆腐一丁にポン酢ひとビンは使い切りません…。

 おわかりですね?

 また買っちゃうんですよ。こちら製造の豆腐を。



「アンタも何回も頼りにされるコンサルタントになんなさい!」のワンぽちをぜひ!
blog ranking
↑ここをこりっ、と!
 筆者山崎誠の経営する事業再生専門コンサルティング会社
 株式会社 スター・ターンアラウンド・パートナーズ
 筆者山崎誠が運営するネット書店 「街コンのビジネス家
 筆者のブックログ「再生コンサルタントの書棚/CDケース」