始める準備がかかったオンライン診療

 

初めは、不安の強い事務職員にメリットがないと止められた。

その職員がやめて、オンライン診療の機器を導入しようとしたら、パンク状態になり、大幅にずれてしまった。

 

以下のことは、多くの人が知らないことであろう。

 

コロナが2類でいる間は、時限措置と言って、本来、対面診察が必要な処方を電話で処方することができた。

 

時限措置というからには、しかるべき時に終了するということになる。

一時的に認めますよ、という意味と考えなければいけない。

 

そして、それは、コロナが2類から5類に落ちた時だと推定していた。

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それから、もう1つある。

 

長らく続いていたコロナをいつ5類に落とすかという問題である。

 

これが、オンライン診療の正式な規定を作って施行する2023年4月だと踏んでいた。

あながち間違いではない。

 

コロナを5類に落とすのは4月にしようかと思ったが、GWを控えているため、少し先延ばしにしたという事情がある。

 

政策が遅れがちな厚生労働省にしては、的確な判断かと思う。

 

つまり、電話再診をオンライン診療に置き換える準備期間を作ったというわけだ。

 

しかし、現実はそうならなかった。

オンライン診療を行うために、まず「医師資格証」という、顔写真入りのカードを作る必要がある。

その資格証に記載されている登録番号を入力して、初めて資格をとるための講義を受診できる仕組みになっていた。

 

まず、医師資格証の登録が遅滞して、少なくとも3ヶ月分の書類が厚生労働省に滞留しているという。

さらに、オンライン診療に適した通信システムを導入して認可を受けなければならない。

 

これが4月から開始される予定に反して、システム導入のNTTの受け入れがパンクして、数ヶ月待たないといけないことになった。

そのため、機器の設置の導入と電子処理が12月までに間に合えば、認めるという、猶予期間となった。

 

うちは、導入は夏頃にできたけど、講習を受けるのをのびのびにしたから、開始は2023年11月となった。

 

そうして、準備は整ったが、初めての操作に慣れていない。

積極的に勧めていないため、患者さんもどうしようかと迷っている。

 

そのため、オンライン診療第1号は、2024年2月になった。

その時、電子カルテを使いながら、もう1つのモニターで顔をみながら会話するのだが、iPadでできるはずの作業がうまくいかなかった。

 

結局、もう1台の13インチノートPCを通信用にして何とか乗り切った。

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国は、ややこしいシステムを入れてくる。

しかも、そのシステムを導入するのにお金がかかる。

機械設備とシステム利用料を考えると、オンライン診療をそれなりに入れないと大赤字になる。

 

現在、中規模病院(病床200床以上)の病院は、ほぼ電子カルテを入れている。

これに莫大な経費がかかっている。

作業効率がよくなる点はあるが、同時に難しくなることもある。

 

国は、保険診療を盾に取って、医療機関をIT化させることにいそしい。

これで、どれだけ、損をしているのであろうか?

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さらに、次の関門が待っている。

マイナンバー保険証の導入である。

予定通り、今年の秋に導入という話になっている。

 

さて、現在、あまり進んでいないマイナンバーカード保険証を読み取る機器の導入がどうなるであろうか?

おそらく、玉突きにずれこんで、来年に食い込むことだろう。

 

その結末をみてみたい。