さ、かーえろ!とはしたものの…

帰れない。



立ちすくむ、ってこういうことを言うんだな。



つい一昨日の朝まで、子供達の笑い声があふれ駆け回って生活していたこの部屋に、他の女性を入れた夫。


私の城だったキッチン。


夫婦の寝室。






何もかもがわからなくなった。



分かってた。



不倫してたのは分かってた。



それでも、妻は私だ!っていう自信があった。



だけど、夫は、私と子供達の生活空間に上がり込ませた。



世の中にとっての、私の存在や価値まで分からなくなった。



その場に座り込んで、わーわー泣いた。



それこそ、お気に入りのオモチャを壊されてしまった子供のように。









このままだと気がふれてしまう…


ひとしきり泣いて、気がついたら夕方になっていた。


涙と鼻水を拭いたティッシュは、寝室のゴミ箱に捨てた。








ドアの鍵をかけて、振り返らずに歩く。



エレベーターの前で、お隣の奥さんに遭遇。

泣きはらした目の私。

駅まで歩くと言う私を、送っていくと言って、車に乗せてもらった。




ポツポツと事情をかいつまんで話す。

そこは既婚者だから、大激怒。

私も何か掴んだらすぐに連絡するから!と、心強い約束をしてくれた。




電車で乗り継ぎしながら実家へ。


到着する時間を聞いてきたサナが、迎えにきてくれました。


私が運転するからとサナを助手席に座らせて、実家へ。




玄関を開けたら、子供達の大きな声。




ママ、おかえりーー!!!




ただいま。良い子にしてた?