・ハチドリと部下

 

(ハチドリ)               (管轄従者 シャルロッテ)

 

ハチドリ「お前、ウィーナ様の横に立つな」

シャルロッテ「なぜです?」

ハチドリ「ウィーナ様はお前の脚の長さ、腰の位置の高さ、顔の小ささに嫉妬しておられる」

シャルロッテ「ウィーナ様に限ってそんなことは……」

ハチドリ「あと、背の高さな。ウィーナ様は172cmで、今まで自分より背の高い女性は天界でも下界でも冥界でも滅多にいないって話だったが、お前に出会い屈辱を味わっておられる。もっと背を伸ばしたいと言っておられた」

シャルロッテ「背を伸ばすってそんな無茶な……。だって私、180超えてるんですよ? 羨ましいですか? むしろ私は、女性に生まれてこんな身長になった不幸を訴えたいところですが。私からしてみれば、150ぐらいの娘がホント羨ましいです」

ハチドリ「『HMMA(Hell Mixed Martial Arts/冥界総合格闘技)』やるんだからその体格でいいだろう?」

シャルロッテ「戦いの場と日常生活は違います!」

 

 

ハチドリ「お前、俺の横に立つな」

シャルロッテ「なぜです?」

ハチドリ「俺のチビが目立つ。俺より背低くしてこい」

シャルロッテ「!?!?!?」

 

 

シャルロッテ「ハチドリ殿、こちらは全て私一人で片付けておきました。ご安心を」

ハチドリ「いや、頼んでないだろ。こいつら雑魚だから他の奴等にやらせるつもりだったのに」

シャルロッテ「え……? 仰ってる意味が、よく分かりませんが」

ハチドリ「他の奴等に倒させて、手柄を均等に分けるんだよ。そうしないと査定するときプラス評価する材料がないだろ。これじゃお前一人しか評価できんだろうが」

シャルロッテ「え? それって私の戦果だから当然ですよね? っていうか、ハチドリ殿はそんなことやってるんですか!?」

ハチドリ「ウチの隊はウチの隊のやり方ってもんがあるんだよ」

シャルロッテ「ウィーナ様はこの事、知っておられるのですか?」

ハチドリ「ウィーナ1班(※ウィーナ直々にメンバーを選抜してる精鋭部隊)にいたお前の方が詳しいんじゃないのか」

シャルロッテ「仮にウィーナ様が知ったとしても、ご自分なら問題にはならないって自信がおありなのですね」

ハチドリ「そこまで深く考えてない」

シャルロッテ「この隊は、私が立て直します(目に見える成果を上げて、一刻も早くウィーナ様直属の隊に戻ってやるんだから! なんでエリートの私がこんな無能な奴の下に!)」

ハチドリ「……ああ(そうか、そう言えば俺がシャルロッテを欲しいってウィーナ様に言ったんだったな。じゃあ、立て直してもらうか)」

 

 

 

シャルロッテ「もしハチドリ殿が私と戦うことになったら、どう戦います?」

ハチドリ「まずはその歩くたんびにユラユラと鬱陶しいヘソのピアスを引きちぎる!」

シャルロッテ「」

 

 

ハチドリ「肩に乗せてもらうぞ」

シャルロッテ「肩より、ここの方が乗り心地いいですよ? 柔らかくて」(胸の谷間を指さす)

ハチドリ「そ、そうか……。ん、い、いいだろう。そう言うなら、そこに乗ってやろうか。フヒヒ」

シャルロッテ「かかりましたね! ハチドリ殿!」(胸の谷間でハチドリを絞めつける)

ハチドリ「ギャー!」

シャルロッテ「ウフフ……どうです? 最新の力学理論と身体操作論を取り入れた、私の頭脳的格闘技は? これが『巨乳圧殺固め』です」

ハチドリ「うぷぷぷ……、し、死ぬー!」

シャルロッテ「もうわけの分からないこと言って私のこといびらないですか?」

ハチドリ「わ、わかった。いびらん! 約束する!(って言うか、俺いびってたの? 別にいびりとかじゃなくねぇか?)」

シャルロッテ「ホントに? じゃあ、ご褒美にもっとサービスしてあげます♡ たっぷりと昇天するまで味わって下さい!」

ハチドリ「ギャー! ぐるじー!」

 

そして最終決戦……

 

スキャーナ「うふふふ、死になさい」

ハチドリは次元十闘士の一人・スキャーナの胸に捕えられていた。

ハチドリ(この技はシャルロッテの……。あの時を思い出せ! 瞬間的な推進力で胸の柔らかさを打ち破るんだ!)

ハチドリ「限界ッ! 爆裂ッ! 推進ッ! 烈波ァァァァッ!」

 

 

以下のイラストは有料オーダーサイト「skima」にて小幸旗むぢむぢ様に依頼したものです(今は多忙期のようですが……)。

https://twitter.com/mudix2

 

キャラが動いた時に使おうと思ってたけど、動かないままかなりの時間が経ってしまいました。長らく個人観賞用としてホコリかぶってたのでここに掲載。せっかくお金払ったんだし……。

 

 

 

これは以前のヴィナスのイラストの開脚ポーズの流用。

 

 

一応、番外編の「恋愛モノ習作」で出したんだけど、端役の域を出ませんね……。

やっぱ、先に容姿とかイラストとか、ブログで記述してってやってしまうと、全然動かせない。先にキャラだけ固めてしまうとやっぱ使い方が限定されてしまう。

逆に、小説のストーリーの流れで必要に迫られて出すキャラの方が面白い奴が出てくる。この間の更新で登場したアミルみたいに。あれなんてレンチョーがケツ掘られそうになってる場面を書いてる最中に急遽、話を何とか収束させるために作ったキャラですからね。そんなキャラの方が、動かそうと思えばいくらでも動かせそうっていう不思議。

書き手の人には、キャラの設定とか話のプロットを考えないと無理って人もいるし、そうすべきなんでしょうけど。

自分の場合は適当にとにかく書いてしまった方がキャラがどんどん動いてくようになる。それで作中の言動や行動から、設定が後から固まっていく。

ただ、それもリスクがありますが。

事実、本編は話が散らかって、ラスボスをどんな奴にするかで随分停滞してしまったし、番外編の「新人教育」「恋愛モノ習作」は放置状態……。この分だとシャルロッテはいつ動くか分からないから、もうここで放出してしましました。

「理想研究所」は書ける! もう書こうと思うと長すぎてなんとかスリム化しようと困って書き出せないぐらいに!

 

以上です。

 

 

 

 

 

 

 

 

脱力神でのIF展開を考えてみる。

 

・主人公はファウファーレでウィーナに反逆する

・ラスボスがウィーナで、8人の幹部を一人ずつ、好きな順番で倒していっていい

 

つまりは聖剣伝説3の神獣を倒すところや、ロックマン風味のゲームみたいな展開。

そこで色々妄想するのが、「この8人をどの順番で倒していくか」である。

 

<案1>

 

・ロシーボ → レンチョー → ニチカゲ → ジョブゼ → ハイム → ハチドリ → ヴィクト → シュロン

 

ロシーボ:一番手が似合う。この8人のメンツの内、「どれでも好きな奴から倒していけ」と言われたら、おそらくほとんどの人がロシーボをトップバッターで攻略するのではないだろうか。とりあえず、あっさり倒されて「ロシーボは我ら8人の中では最弱」みたいなことを言われる。

ただし後半に残すとメモリーナイフの力でアーマーを装着する第2形態あり。

 

レンチョー:2番目。この小物臭バリバリの男は、やはり後半にもっていく感じがしない。「ロシーボを倒したようだな。だが俺は奴のようにはいかんぞ!」みたいなセリフがいかにも似合う。

後半に回すと、なんかめっちゃ卑怯な戦法使ってくる。例えばアンヴォスを洗脳してファウファーレと戦わせるとか、そんな感じの外道戦法やってくる。

 

ニチカゲ:3番目。巨体のデブは前半でやられそうな感じがする。まだストーリー展開的に起承転結の「承」当たりで戦う。ストーリーが佳境に入る後半戦って感じがしない。いや、別に好きな順番で戦っていいんだけど。もちろん、戦う時期によって戦闘前の会話とかが変わる想定だから。

ただし後半に回すと、YO・KO・DU・NAの証である伝説のゴールデンまわしを装着して全身が金色に輝き、ウィーナに使用を禁じられているSU・MOの究極奥義の使用許可が出ている。

 

ジョブゼ:4番目。もっと後半でもいいんだけど、後半4人はもっと後回しにしたいからジョブゼはここで消化するしかない。でもジョブゼは強キャラに設定したい。男6、女2なのに、折り返し地点でまだ女を2人温存している…。

 

ハイム:5番目。忍者キャラで闇属性。言わばウィーナの影として付き従う存在。元は魔界のヴァンパイアの王女。スマートなテクニック&機動力型。……キャラ的にはどう考えても後半候補。大トリでもいいくらい。

※1~4番目に戦う場合は冥王に与えられた寿命ある肉体。5~8番目で、元々のヴァンパイアの王女としての肉体の封印を解いた状態で戦うことになる。

 

ハチドリ:6番目。ウィーナの部下では最古参だから後半にもっていきたいけど、コイツは前半でもよさそうな。だけどストーリーの核心的なところを色々語らせたりしたい。

 

ヴィクト:7番目。「作者は自分より頭のいいキャラは書けない」の法則があるから、作中では頭脳派なのに「あれ、こいつよく考えると無能じゃね?」っていう感じにならぬよう、ボロが出ないうちにさっさと退場させてしまった。だけど、この8人を並べてみたら、ヴィクトはキャラ的にもビジュアル的にも序盤で倒すにはもったいないと感じる。バランスタイプの参謀キャラって終盤まで生き残ってる感ある。

 

シュロン:ラスト。禁呪で手に入れた力により、頭一つ抜けているので、先に倒してしまうとその後の連中が消化試合になってしまう。あとウィーナをガチ崇拝してるから、「どいつもこいつも情けないわ。やはりウィーナ様はわたくしが…」的な台詞が映える。呪術の使い手だと強キャラ感出る演出がいくらでも出せる。

後半に戦うと、第二形態として、禁呪によって変貌してしまった異形の本性をさらけ出して襲ってくる。

 

<案2>

 

ハチドリ → ニチカゲ → ハイム → ジョブゼ → ヴィクト → レンチョー → シュロン → ロシーボ

 

トップバッターをハチドリにして、バランスを考え女性キャラを前半と後半に1体ずつ消化するようにした。5人がやられて残り3人となったところで、レンチョーには「小物だけど有能で強キャラ」的なところを存分に見せてほしい。

 

<案3>

 

ロシーボ → ニチカゲ → シュロン → ジョブゼ → レンチョー → ヴィクト → ハイム → ハチドリ

 

最側近のハチドリをラストした場合。この場合「一番ウィーナのことを理解している股肱の臣」キャラになります。でもやっぱりこれだとシュロン早い感じある。自信に満ち溢れた高飛車お嬢様キャラって序盤でやられるの考え辛いよなあ…。

 

<案4>

 

ロシーボ → ジョブゼ → ハイム → ヴィクト → ニチカゲ → ハチドリ → シュロン → レンチョー

 

満を持して登場した大トリが……アレ?ってパターン。男塾の梁山泊十六傑の梁皇や幽白の魔性使いチームの吏将みたいな。下手したらレンチョー戦はダイジェストで終わる。打ち切り臭漂う展開。

 

<案5>

 

ヴィクト → レンチョー → ニチカゲ → シュロン → ハチドリ → ジョブゼ → ハイム → ロシーボ 

 

ロシーボ以外は作中の退場順。

 

<もし前半4人と後半4人、2つのグループに分けるとしたら>

・前半グループ……ロシーボ、ハイム、レンチョー、ニチカゲ

 この4人を好きな順番で倒す。

・後半グループ……ハチドリ、ジョブゼ、ヴィクト、シュロン

 前半グループを全員倒したら戦えるようになる。

 

こんな感じか。

戦闘前の会話とかも妄想したりするけど、ちょっと書ききれないです。

 

こんな感じの記事更新したの本当に久しぶりです。

<アンファウ末期>

 

「ファウファーレ殿、お疲れ様です」
「あ~、昨夜は爆爵の相手で最低だったわ。それで明日はベントルよ」
「お疲れ様です」
 族長がこの淫乱っぷりでは同族の生き残りから見放されたのも無理はない。
 だが俺はファウファーレ殿がそこまで変わったとは思っていない。彼女は勝利の定義を変えただけだ。
「ふふ……、アンヴォス、私のような女、どう思う?」
「よくバレないで立ち回れるなあって」
 なにせファウファーレ殿は五人の愛人を同時に渡り歩いているのだ。
「何、そっち!?」
「はい」
 初めのうちは情報を集める魔法の蝶で愛人達の行動を監視し、うまくバレないように振る舞っていたのだが、『面倒臭い』とのことですぐにやめてしまっていた。
「まあ、それは、アレよ。あいつらも薄々気付いているのかもしれないけど、だからって私をどうすることもできないじゃない?」
「確かに」
「仮に他の男の愛人になっていることを咎められたって、戦うこともできないアイツらに何ができるの? 私が逆ギレすれば済む話でしょ?」
「はい」
「何笑ってんのよ」
 ファウファーレ殿も笑って言う。
「いや、是非見たいですね。ファウファーレ殿が問い詰められて逆ギレして、五人のエロオヤジ達全員をボッコボコにすんの。超見たい」
「まあ、アイツらもそうなりたくないから、あえて触れてないところあるかもね。だから問題ないって判断したから、蝶で情報集めるのやめたんだもん」
「強いって大事ですよね」
「でしょ? 二つ部族滅ぼして思ったわ」
「だからそれはファウファーレ殿のせいじゃないですって」
「いいのよ。それより、明日に備えて、爆爵に染まったこの体、あなたに上書きしてほしいの……」
 ファウファーレ殿が妖艶な視線で俺を見下ろし、スラリとした長い指先を俺の顎につける。
「はい」
 半身半馬のファウファーレ殿の上半身は高い位置にある。俺が直立していると、丁度ファウファーレ殿の胸に顔が埋まる。
 ファウファーレ殿はその身長差を利用し、いつも俺の背中に手を回し、俺の顔を胸に押し付ける。
 欲望に突き動かされるが、その一方で、どこか空虚な感はある。
 ファウファーレ殿は極めて濃密な人生を送っている。凄まじいスピードで階段を駆け上がっていくような。いつまでも同じ所に留まっているような人ではない。
 もう、この関係も終わりが近づいている。俺には分かる。
 この人はいつか破滅する。なぜなら、そういう生き方を選んでいることに気付いてないからだ。まあ、だからこそ美しいのだが。
 その破滅のときまで俺はついていくことができないかもしれない。この人の生きるスピードは速過ぎる。
「どうしたの? 今日は消極的じゃない」
「そうですかね?」

 

 

 

<アンファウ最末期>

 

 ファウファーレ殿は少しずつ、いや、どんどん壊れていった。

 

 眩いばかりの金銀財宝に彩られたベッド。
 その上にまるで女王のように鎮座するファウファーレ殿。
 そして、ファウファーレ殿が何者からか授かった『万能の力』とやらで全く別の容姿と強大な力を手に入れたサクスとかいう平従者。
 サクスはベッドの下で跪き、ファウファーレ殿の投げ出す足を手に取って一心不乱に蹄を磨く。
「これは……?」
 ファウファーレ殿のベッドは財宝の絨毯で敷き詰められていた。
 いかにファウファーレ殿が金を持っているとはいえ、これはあり得ない。眼前の光景が信じられない。普通ではない。
「ふふふ……。どう? この財宝? 凄いでしょう……?」
 何かに憑かれたような彼女の笑みに、背中にぞくっと寒気が走った。
「一体……」
「これだって授かった『力』のほんの一部に過ぎないわ。フフフ……。その気になれば無限の富だって作れる! でもこんなものもすぐ必要なくなるわ! だって私はこの世界の女王になるんだから!」
「ファウファーレ殿……」

「こんな、こんな力があるんだから、無駄だったのよ! 何もかも無駄だったのよ! ふふ、あははは! 私の部族が滅びたのも! 憎くて憎くてしょうがない悪霊をこの冥界から駆除するためにウィーナ様の下で戦ったのも! 爆爵達に身体を捧げて今の地位を、富を得たのも! 委員会を取り込んだのも! こんなことが、こんな力が現実にあり得るなんて! 何もかも意味なんてなかったのよ! あは、あはは、あははははは! 素晴らしい! 素晴らしいわ万能の力。私の今までの人生、努力、全てを否定して全てを与えてくれるんだから!」

「あああああ~、ファウファーレ様、ファウファーレ様あああ~!」

 奴隷のようにファウファーレ殿を崇め敬うサクス。神々しくも禍々しいファウファーレ殿の姿に、思わず息を飲んだ。

「どうしたの? 何でそんな悲しそうな顔するの? 私が変わったと、狂ったと思うなら大間違い、これが私の本性、本来の私なのよ!」

「ファウファーレ殿、それは違います」
「何が違うっていうの?」
 言葉が出ない。
 大抵の場合、気持ちで人は説得できない。人を説得するには、説得する者がされる者より頭が良くないと難しい。
 頭のできに関しては、残念ながら俺はファウファーレ殿より遥かに劣る。
「駄目よアンヴォス。あなたは綺麗事なんて吐ける図太さはないんだから。さあ、あなたもこっちにいらっしゃい。もう後戻りなんてできない。行きつくところまでいくしかないのよ。言ったでしょ。面白いものを見せてあげるって。そしたらあなたは何て言ったの?」
「『必ず見届ける』と……」
 言ったが、こんなことになると誰が想像できる? やはり今までファウファーレ殿の心の世界にあえて立ち入らなかったのは失敗だったか。
 エチケットとして、人としての礼儀として彼女の心の世界には入り込まない。
 自分に言い聞かせていた言い訳。建前の理由だった。本当は、彼女のこんな心を覗くのが怖かった。
 だってそうだろ!? こんな深い心の闇、一体誰に救えるというんだ! だったら寄り添って一緒に闇に染まるしかないじゃないか!
「そう。あの時のあなた、凄くエロ顔で鼻の下伸ばして言ってたわよ。所詮あなたも、私やそこにいるサクスと同じ穴の狢なのよ。さあ、早くこっちに。隣にはあなたが来るの。大丈夫よ。たとえ私がこの世界を支配することになっても、あなたは今までのように私に仕えてもらうから……。心配しないで」
「俺は……」
「……迷ってるの? ……そう。なら好きにすればいいわ。あなたがついて来くるならあなたは私の傍にいられる。だけど私は構わないわ」
「少しだけ、考えさせて下さい……」
 そう言って屋敷を出た。
 その日以来、俺がファウファーレ殿の屋敷に足を運ぶことはなかった。ファウファーレ殿はワルキュリア・カンパニーにも顔を出さなくなった。
 
 それからすぐだった。ヘイト・スプリガンという悪霊が出現して冥界を揺るがす騒動になったのは。
 
 俺はその後、ファウファーレ殿が心配になり、密かに委員会で彼女の様子を見守っていた。
 そこで、ファウファーレ殿が仲間を手にかけたことを知り、ファウファーレ殿から逃げ出した自分の判断を猛烈に後悔した。
 
 そして、俺は初めて彼女の心の中に入り込んだ。今まで見てきた心の中で、誰よりも強く深い闇に包まれた心の中に。

 

 リアル。

 

 よし、分かった。何もかも分かった。そういうことか。
 なんだ。ファウファーレ殿は悪くない。あんな全てを創造する力、全てを滅ぼす力を見せられたら誰だってああなる。
 あんな力を見せつけれられて、そして実際にその一部だけを餌付けのように与えられたら、欲望を刺激されない方がどうかしている。
 あれで狂わない奴は狂ってる。

 

 俺はファウファーレ殿と共に滅ぶ決意を固めた。


 今更。


 だってそんなだらしないエロ顔で『必ず見届けます』なんてほざいたんだったら、見届けないわけにはいかないだろう。


「すみません。ウィーナ様」
 ストテラ7号。
 俺には重い。


 何でウィーナ様は俺みたいな男にこんな剣を下さったのだろう?

 

<終>

 

 

 

 

番外編として書いてしまうと、ファウファーレが悲劇の悪役になり過ぎて本編に悪影響だから、裏設定的にこちらのブログでひっそりと。

本編でファウファーレは自らの野望の為にあらゆるものを利用し、自分が利用されているなど夢にも思わず、悪行の報いを受けて無残に死んでいく悪女キャラで完結している。

実際作中でファウファーレがやってる事は相当エグイし、仮にウィーナがアンヴォスと同じものを見たとしても、ウィーナがファウファーレに対して同情心を起こしたり手心を加えるなんて絶対にないだろう。多分ウィーナはファウファーレのことをあのサクスと同列程度にしか思ってない。

事実委員会に近いヴィクトやチューリーから警告を受けていたにも関わらず、本編開始時までにウィーナがファウファーレの芽を摘んでいる様子が全く見られない。野放しなのだ。

脱力神はウィーナが主役だ。

ウィーナがいるシーンでは、地の文は必ずウィーナの視点に内在しての三人称で書くようにしている(ウィーナがいないシーンでは、いわゆる「神の視点」で、複数のキャラの心情が俯瞰して分かるように書いている場面もある)。

そのウィーナがファウファーレをその程度にしか認識していないのであれば、本編でファウファーレは「自業自得で死んでいく悪女キャラ」で完結してないといけない。

ウィーナがあと少し、到着するのが早ければ、あの悪霊に部族を滅ぼされ、全てを失うことにならずに済んだかもしれない。

たとえファウファーレがどれだけウィーナに複雑な感情を持ち、強く意識していたとしても、本編読んで頂いた方なら分かると思うが、ウィーナの方はファウファーレのことはほとんど眼中にない。

ただ作者としてはウィーナを冷酷で薄情な人物像として書いてきたつもりはない。ウィーナは(チョイ役はサラッと個人名で表現しないと地の文が面倒だからとはいえ)平従者の名前ですら全員キッチリ覚えている上、ゲッケンに付き合って一緒に死のうとしたり、部下が自分を守って死んでいくことを恥じ、どんどん死と隣り合わせの戦場に身を投じていく。

ただ、もうちょっとウィーナがファウファーレのことを認めていれば、もしかしたら結末は変わっていたかもしれない。

大体これでアンヴォスとファウファーレのバックグラウンドは書いた感じかも。