(phosphodiesterase=ホスホジエステラーゼ)5阻害薬」。
この薬の登場に、世界中のどれだけの男たちが救われたかしれません。
「ガイドライン」でも、「国内外で十分な有効性・安全性のデータが報告されており、(勃起障害の)第一選択の治療法である」と太鼓判を押しているのです。
日本では、現在、「バイアグラ」「レビトラ」「シアリス」の3種類が発売されていますが、基本的にはみな同じです。
ペニスの海綿体には、NO(一酸化窒素)という物質が存在し、「血管を広げる」という大事な役割を担っています。
この働きによって、ペニスにたくさんの血液が入って勃起できるわけです。
ところが、海綿体にあるPDE5という酵素は、そのNOの働きを妨げて、血液の流れを悪くしたり、海綿体に血液が貯まらないように作用したりします。
それが勃起障害の原因になるのです。
PDE5阻害薬は、その名の通り、このPDE5の働きをブロックします。
すると、NOは邪魔されることなく、血管拡張に努めることができます。
結果的に勃起が促進され、その状態が維持される、というわけです。
メカニズムは同じながら、三つの薬には作用時間などに違いもあります。
日本では1999年に発売された「バイアグラ」(物質名=シルデナフィル)。内服後30~60分で効果を現しますが、食事の影響を受けるため、食後一時間以降に服用します。
2004年発売の「レビトラ」(バルデナフィル)は、内服後15~30分と、他の2剤に比べて早く効果を発揮します。
ただし、やはり食事の影響を多少受けるため、食後30分以降の服用が望ましい。
最も新しい2007年発売の「シアリス」(タダラフィル)は、内服後30分で効果を現し、それが24~36時間継続します。
食事の影響を受けないので、食後すぐに飲んでもOKなのと、この作用時問の長さが特徴の薬です。
監修 浜松労災病院院長 篠山重威