最悪!カネロ・プロモーション メキシコ道中 | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

「お金出ないんだから、空港までこれ(200ペソ)でタクシー交渉して来てよ!」


現地人に聞いた相場は250ペソ。厳しい要求であるがなりふりかまっていられない。しかし、何で私がそんなことをしなければならないのか。プロモーターのカネロ・プロモーションが、空港まで送っていこうなんていう気が全くないからだ。\(*`∧´)/


言葉はわからないが、200ペソ握り締めてタクシー止めて交渉。220ペソで話しが付いた。ラッキー。「この運ちゃん、いい人みたいですね」。('-^*)/


「世界中いろんなところに行ったけど、カネロが一番悪い。最悪だよ」(大竹マネジャー)


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グアダラハラ空港にはカネロ・プロのプラカード持ったおじさんが迎えに来ていた。ホテルへ直行。早速チェックイン。だが、用意されていた部屋は狭いツインに無理やりエキストラベッドを入れ込む3人部屋。「これじゃあ、いくらなんでも無理だよ」。


フロントで散々やりあったあげく、川崎新田ジム・新田渉世会長が別に押さえてあった2部屋(自費帯同2人)をやりくりしてくださり、白石豊土(協栄)選手と、三好喜美佳(川崎新田)選手の2人は一人部屋にすることが出来た。


「白石一人になれたのは、新田会長のおかげだからな」。ご厚情、本当にありがとうございました。


運転手は翌日、8時半に迎えに来るといって去っていった。日本サイドは、「新聞とかテレビの取材じゃないの」といった感覚で、とりあえず眠りに付いた。「明日は食事代、もらわないとな」。(`ε´)


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翌朝、我々のサポートをしてくれることになっている古川久俊トレーナー(メキシコシティ在住)がホテルへ到着。そして、「これからアパツィンガンへ移動するそうです」と運転手の言葉を伝えてくれた。「だったら昨日のうちから言えよ!」。


各自、あわてて荷作りに部屋へ戻り出発。「カネロのジムへ寄るそうです」。それはいいなァ~と思ったのは、私だけでなかったはずだが、ここで待機すること2時間強。あきた!。(`×´)


「ジョー(小泉)さんは、カネロは1時間って言ってるけど、3時間はかかりますからって言ってたよ」


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3時間は仕方ないと思い車に乗り込み3時間。初めてのトイレ休憩。「ここからまだ3時間かかるそうです。食事でもした方がいいんじゃないですか」。古川氏の言葉にショックを受けたが、ちょっと半信半疑。あと、3時間?。(;^_^A


「選手も食べれないんだから先を急ぎましょう」


山を越え、小さな町をいくつも過ぎて、アパツィンガンへ着いて見たらもう5時半。やっぱり6時間かかった。(゚ー゚;


炎天下での記者会見。気温は35度。空気は生暖かい。「これじゃあタイと一緒だよ」。車に戻ると一向に発車する気配がない。「泊まるホテルが決まっていないそうです」。これには一同絶句でいらだつ!ヽ(`Д´)ノ


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しかし、三好選手だけは「試合が出来るだけでうれしいです」とポツリ。「あの子は素直でいい選手だよ」と、大竹マネジャーも絶賛。


ようやく決まったホテルはすぐ目の前で市の中心地。この立地だけは良かったが、ジープにマシンガン装備の警備隊が忙しく街を徘徊する様子は、「こんなところ、日本人は誰も来ません」(「古川氏)というのがよく理解できる。


夜、8時半頃まで明るいアパツィンガン。カネロ・プロが遅い食事に連れて行ってくれたと思ったら、「これは無理だよ。こんなものは食べられません!」という代物で、またもや一同絶句!。\(*`∧´)/


翌朝の食事も車に乗って同じ場所へ連れて行くと言う。これにはさすがのジェントルマン新田会長も閉口。


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「うちは行きません」という大竹マネジャーの言葉に、「そうですね。わざわざ時間かけて行っても、あれじゃあ食べられないですよね」と、こちらも辞退。


食事代は交渉して、普通に食べられる分を請求しようということになった。「どこへ行っても、それがルールだよ!」。ヽ(`Д´)ノ


計量は日本からピッタリ合わせて持っていった秤でリミットのはずが、500グラム軽く出た。計量が終ってもファイトマネーは支払われず、翌日昼に支払うとのこと。一度はホテルのレストランでサインでOKといったものの、すぐに却下された食事代も払う気などサラサラない。


試合場がホテルから近かったことは良かった。屋外の控え室も想定内。粗末なバスケットボールなどを行なう体育館でしたが、満員の観衆とリングを囲むテレビ用の照明で、ものすごく良い雰囲気で試合は行なえました。


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ホセ・サルガド親子。


試合後、ホテルのレストランは食事終了。屋台から買ってきたトルティーヤを囲んで川崎新田ジム陣営と合同の残念会。ここで、録画放映されたテレビ放送を見れたのは良かった。


翌日は朝6時出発。グアダラハラへ向かう。「もうアパツィンガンはいいよ」。これには一同納得。帰りもやっぱり6時間かかりました。f^_^;


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ホテル到着。カネロ・プロは、もうそれっきり。後は勝手に帰りなさいというスタイル。


「新田会長。これは帰ってちゃんと協会に報告しておいた方がいいですよ。食事代はちゃんと出る決まりになっているんですから。最後も空港まで送るのは、当たり前のことですよ。そうじゃないと、また、ひどい目に会うケースが出てきますよ」


フロイド・メイウェザーjr(米)と雌雄を決することになったサウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)擁するカネロ・プロ。アルバレスは超特別待遇だということだが、古くからいたトレーナーも辞めたり、選手も他へ行ったりで、地元での評判もいたってよろしくないと聞いた。


「とにかくカネロは最悪だよ!」


悪戦苦闘のメキシコ遠征。グアダラハラ発1日23時50分、ティファナでの乗換えを経て本日6時25分成田に到着しました。


「白石、お前が頑張ってきてくれたおかげでメキシコまで行けた。ありがとう。私は協栄ジムを去ります」


最後に別れる時、白石選手に告げました。6月20日付けをもって協栄ジムとのトレーナー契約が打ち切られることになっていましたが、このメキシコの試合までという想いで、選手にはそれを告げていませんでした。


これまで現場の私を応援してくれた皆様、そして、関係者の皆様、長い間ありがとうございました。たいした結果は残せませんでしたが、一生懸命やって来ました。


現場は去りますが、ブログは頑張ってやっていこうかなと思います。しかし、その一方でボクシングに対する冷めた気持ちが出来たのも確かです。少し考えます。


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