井岡一翔vs弘樹 3階級制覇挑戦! | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

1991年(平成3年)12月17日。ミニマム級に続く2階級制覇を狙う井岡弘樹(グリーンツダ)選手は、大阪府立体育館に36戦全勝(14KO)、世界王座17度連続防衛中という難攻不落無敵の王者 柳 明 佑(韓国)を迎えていた。

6年もの間WBA世界Lフライ級タイトルを守り続ける男は、「立派なチャンピオンとして名を残したい」と語り、「全ての試合に全力を尽くす」と言い切った。27歳の王者が初の海外試合に挑むのも、歴史に名を残さんがためであろう。


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22歳の挑戦者は18勝(9KO)2敗1分。史上最年少18歳で手にしたミニマム級王座は、ナパ・キャットワンチャイ(タイ)に奪われ、リマッチでも王座奪回に失敗。地元大阪での試合であるにもかかわらず予想は絶対不利。2階級制覇は、「まず不可能だろう」と見られていた。

「この3年間、科学的トレーニングで体力、持久力も向上したと思う」

井岡選手は東海大学の田中教授の下で、体作りに励んできた。そして柳戦を前に自らと同じくエディ・タウンゼント氏の教えを受けた、悲運の世界バンタム級チャレンジャー村田英次郎氏をトレーナーとして迎えていた。


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挑戦者の武器は169センチの長身から放たれる左リードとスピード。対する王者は、無尽蔵のスタミナ、”ソナギ”といわれる回転の速い連打を持つ。加えてそのタフネスは有名である。

井岡選手はWBAランキング1位。WBCは3位につけていたが、当時の王者はウンベルト・ゴンザレス(メキシコ)。WBC王者はIBF王者マイケル・カルバハル(米)との王座統一戦が準備されていた。選択肢は最強王者柳しかなかった。

大阪府立体育館はこれから第1試合開始が始まるというのに、2階席がほぼ埋まろうとしていた。「チャンピオンの名が客を呼んだのでしょう」(津田会長)。

先手を取ったのは挑戦者。「左ジャブでも打ち抜かなければいけない」。村田トレーナーは井岡選手得意の左ジャブをさらに磨いた。そして、これに続く右カウンターを武器に仕上げた。タウンゼント氏から教わったものである。

「彼は考えすぎるところがある。考えて待っていたら、ワンテンポ遅れるんです」

柳の突進を挑戦者の左が止める。踏み込んでくれば右カウンター。来ないと見るや左フックを打ち抜く。中盤、王者も強引に接近戦に持ち込みポイント挽回を図る。どちらも譲らぬシーソーゲーム。






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だが11回、井岡選手渾身の左フックがヒット。挑戦者は一気にラッシュ。タフなチャンピオンを大きくグラつかせる。あと一発、というところまで追い込んだ。そしていよいよラストラウンド。

「井岡、この1回だけ手を出していたら世界チャンピオンや。おめでとう」


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エディ流をまねた津田会長の言葉に送り出された挑戦者。しかし、さすがに打ちつかれたか疲労の色が濃い。逆転KOを狙う王者は前に出る。激しい打ち合いは柳が打ち勝って試合終了ゴング。

ジャッジは米国人3人。ニューマン117-112井岡。ペレス115-113柳。そして3人目リーダーマンは115-113で井岡。判定は2-1と割れたが、誰の目にも井岡選手の勝利は疑いなかった。

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リング上、前王者も潔く新王者を祝福。満員の大観衆も価値ある2階級制覇を大いに称えた。だが、この後、立会人WBAメンドサ会長がスコアカードを読み違え、一度は引き分けの裁定を井岡陣営控え室に伝える。直後、リーダーマンが「井岡の勝ちのはずだ」で再チェック。

数分後、「やっぱり井岡の勝ち」が告げられるのだが、これはなんとも罪作り。さしもの井岡選手も、この時ばかりは津田会長と抱き合ってうれし泣き。「千人のうち1万人は認めてくれるよ」というほどの勝利だ。下写真がそれをよく証明している。


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試合3日後には練習を再開した2階級制覇王者は、「チャンピオンになったからといって、調子に乗ったらまずい。一度、失敗してますからね」と決意を述べ、さらに「3階級制覇を目指します」と続けた。

だが、アジア圏初の3階級制覇の夢は達成されることなく井岡選手はリングを去る。そしてその夢は、愛弟子”井岡一翔”選手に賭けられる。一翔選手は、1歳上の兄一法氏(元プロ選手)の子息になる。


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プロ入りに際し、「3階級制覇を目指します」と豊富を語る甥っ子に、「・・・、それはちょっと無理かと思います」と真顔で語りプライドをのぞかせた井岡会長だが、一翔選手のミニマム級王座挑戦が決まり、3階級制覇挑戦も”無理”ではなくなった?

来年2月6日、WBC世界ミニマム級王者オーレドン・シッサマーチャイ(タイ)への挑戦は、1階級下げての世界初挑戦。Lフライ級(48.97キロ)から、ミニマム級(47.61キロ)。その差1.36キロ。プロ6戦のキャリアで一翔選手が一番軽かったのはプロ2戦目の48.5キロ。


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身長165センチ。減量はかなり厳しそうだが、それは王者オーレドンも同じ。最近2試合はダウンも奪われ、厳しい綱渡り防衛が続いている。その前の暫定王者ファン・パラシオス(ニカラグア)戦も後半の失速ぶりは目を見張るものがあった。

34勝(12KO)1分と無敗を維持する王者だが、「もうミニマム級では減量がきつくて無理だ」との話もあり、ここ3戦の内容を見る限り、井岡選手が減量に成功すれば、プロ最短7戦目の王座奪取も可能性があると見る。




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偉大な叔父の後を追い、追い越すためには、最初のチャンスをものにしなければならない。

東京でのプロデビュー戦を翌日に控えた夜。17歳の弘樹選手は、誰にも告げず一人で協栄ジムへ足を運び、「喜友名朝博vs丸尾 忠のスパーリングを見てきました」という。

「持ってるものは十分に世界へ通じると思います」(山田純夫氏)

弘樹選手のような強い心を持っていれば、大いに楽しみな一翔選手だと思います。

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