昭和44年・原田・西城・トップボクサーの人間性 | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

昭和44年(1969年)プロレス&ボクシング(ベースボールマガジン社)12月号に、創刊200号記念と題した、”日本のトップボクサー33人に特別アンケート”なる企画がある。

69年10月。ボクシング界は、フライ級海老原博幸(協栄→19日敗戦)選手、フェザー級西城正三(協栄)選手、Sフェザー級小林 弘 (中村)選手と3人の世界王者を擁し、豪州で”世紀の誤審”に泣いたファイティング原田(笹崎)選手の3階級制覇の偉業達成の為、国内で初めてWBC世界戦が認可されていた。

アンケートの質問内容は、①ボクサーになった動機。②尊敬する人。③一番うれしかったこと。④一番悔しかったこと。⑤現在の目標。⑥初恋は?。⑦好きな女性のタイプ。⑧ファイトマネーの使い道。⑨その他となっている。質問とはかけ離れた答えも多いのはご勘弁。(~~)

ファイティング原田(笹崎・26歳)選手。①友人がやっているのを見て、カッコいいと思って。新人王決勝のテレビで両親にバレた。⑧おしゃれと貯金。⑨事業家として一流になりたいし自分の手で世界的選手を育てたい。

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海老原博幸(協栄・29歳)選手。①スポーツ万能だったが、とくにプロボクシングに惹かれ、金平会長に紹介されたのが始まり。③札幌で王座に返り咲いたとき。⑥17歳、その時の彼女が今は僕の家内。

西城正三(協栄・22歳)選手。①野口ジムでベビーボクシングをやっていたから。②やっぱり世界をとった時。④新人王戦で負けてしまったこと。⑥エヘへ・・・・・、どれだったろう。⑨出きるだけ永くチャンピオンでいたい。引退したら世界中を回ってくる。

大場政夫(帝拳・日本フライ級1位・20歳)選手。①子供の頃から大好きだったのと、父も好きで賛成してくれたので。②矢尾板貞夫さん。⑤ビラカンポとやりたい。⑥中学3年の時隣のクラスの子、片想いとはカッコ悪い。⑦可愛らしい人、ピンキー、いしだあゆみの様な。


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高山勝義(木村・世界バンタム級7位・25歳・上写真右)選手。①木村会長が僕の働いている店の前へ無断駐車したのがもとで喧嘩になったのが縁。④決定戦でアカバロに負けて世界を掴みそこなったこと。⑧まず洋服を作り、うまいものを食べ、少しは貯金をする。

西城選手は少年時代タフネス西城のリングネームで活躍。坂道で遊んでいる時、手をくじいてしまったのを野口 恭 選手(二代目野口ジム会長)に助けてもらったのがきっかけとなりました。大場選手が矢尾板さんを尊敬していたのは初めて知りました。

人気選手だった高山選手は歌手の北島三郎氏と義兄弟の付き合いで、その風貌もそっくり。木村会長に喧嘩をふっかていったのは有名な話ですね。それをボクサーにしてしまった木村会長も凄いです。高山選手、無冠に終わりましたが33連勝を記録しています。

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清水 精 (ヨネクラ・日本Sバンタム級王者・22歳・上写真)選手。①自信のある殴り合いで外国へ行きたかった。⑨大きな外車が欲しい。なれないだろうけど、学校の先生(体操)になれれば何でも教えちゃう。

輪島功一(三迫・日本Sウェルター級王者・26歳)選手。①仕事以外にスポーツで汗を流したくて。⑥中学2~3年頃の同級生。現在でも手紙のやりとりをしている。⑧貯金。⑨一家で同居したい。

柴田国明(ヨネクラ・日本フェザー級1位・22歳)選手。①青木勝利選手が好きであこがれたのがもと。②米倉会長。④ホーキンスにやられた時の口惜しさは一生忘れられぬ。⑨ボクサーになった以上、ベンツに乗れる位に強くなりたい。

清水氏は、「人を殴って海外へ!」とわかりやすい動機でした。引退後紆余曲折を経てロサンゼルで成功し、「大きくて向こうが見えなかったヨ」というほどのオフィスを構えられていました。

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輪島選手(上写真左)。現在の奥様とも美ヶ原で出会って文通ですから、かなりの筆マメですね。建築会社の寮の近くにたまたま三迫ジムがあり、「プロになる気はないんですが」と前置きしての入門です。柴田選手、一度は協栄ジムにやってきたと聞いています。「親の承諾書を貰ってから」ということで帰してしまったとか?

岩田健二(金子・日本Sフェザー級1位・19歳)選手は、プロレス&ボクシング誌の広告を見て、何となくやりたくて金子ジムへ入門。後日本タイトルを獲得し、ベネズエラで世界挑戦も経験しています。


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すし屋の先輩に殴られ、その人がボクサーだったので自分もやろうと東京へ出てきたのは、千葉信男(ヨネクラ・日本フェザー級王者・25歳)選手。将来の夢は小さくてもいいからスシ屋をやりたい。最後に、冗談なしに彼女が欲しいとあります。(~~)

阿蘇行憲(勝又・日本Sライト級1位・22歳)選手は、平凡な勤人はつまらぬとボクサーを志した。ケネディ大統領が好きと33人の中では異色の答え。一日も早くチャンピオンになり勝又会長の熱意にこたえたいと、王者ライオン古山(笹崎)選手との再戦が現在の目標。


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8月の古山選手への挑戦試合では終始押し気味に進めながら引き分け。この判定に怒った勝又会長(上写真)は、悔し涙の猛抗議。男泣きの会長の姿に、阿蘇選手は大いに感じいったのでした。

それぞれのコメントにも個性があり面白いですね。現代では、「人を殴って海外へ!」はなくなってしまいましたが、当時は海外遠征花盛り。海外で自信をつけた選手がたくさんいた時代でした。現在は、アジア圏でも遠征試合がほとんどないのはさびしいですね。