★EVERLAST グローブ・キーホルダー
１９７０年代、某ＴＶ局の歌合戦での対決です。(~~)
役者振りを発揮するＷＢＣ世界ライト級王者のガッツ石松選手を前に、ＷＢＡ世界Ｌフライ級王者の具志堅用高選手、戦う目ですね。(~~)。２階級制覇王者の柴田国明選手は仲裁役がよく似合います。この戦いは確かヨネクラ陣営の勝ちだったと思います。
この時代、世界チャンピオンになると皆レコード出しましたねェ。渡嘉敷勝男選手も東芝ＥＭＩから、なかにし礼＆浜啓介の売れっ子コンビが作った『男泣き乾杯』を出しましたが、そのタイミングで負けてしまい、さっぱり売れずに終わっています。ちなみにＢ面は『走れメロス』でした。貴重な一枚、まだ持っています。(~~)
協栄ジム金平正紀会長（故人）と、ヨネクラジム米倉健司会長は、同じ昭和９年（１９３４年）生まれ。元オリンピック選手。東洋バンタム級王座を制するも、２度の世界挑戦に敗れた米倉選手が引退するのは昭和３７年。時に金平会長の一番弟子海老原博幸選手は、連勝街道を驀進中。翌年には世界フライ級の王座を獲得している。
引退後ジムを開設した米倉会長の秘蔵っ子柴田選手がデビューするのは昭和４０年３月のことになる。当時の米倉会長は、「金平さんを目標に」と語っておられる。
昭和４５年（１９７０年）４月１５日、日本フェザー級王座決定戦で柴田国明（ヨネクラ）選手と、桜井康男（協栄）選手が顔を合わせた。大変な激戦は最終ラウンドＫＯで柴田選手が勝利するのだが、試合開始直前の控え室まで金平会長は、桜井選手のファイトマネーアップを交渉。
「金平さんには負けました」ということで米倉会長が折れ、ファイマネーの上積みが実現したている。「桜井の為に出きるだけ取ってあげるのは私の仕事です」という金平会長に対し、「大いに見習っていきたい」と米倉会長。
昭和４９年、ＷＢＳ世界Ｓフェザー級王座を失った柴田選手の再起戦は即世界挑戦。ＷＢＣ同級王者リカルド・アルレドンド（メキシコ）への挑戦と決まったが、本来の挑戦者は前年１１月、ノンタイトル戦でアルレドンドを破っている上原康恒（協栄）選手だった。
当時の日本プロボクシング協会は分裂していたが、米倉氏はいわゆる金平グループに参画していた。サム・イチノセ氏から「金平のＯＫをもらうように」と助言を受けた米倉会長は、すぐさま行動に移す。金平会長は、「勝ったら上原の挑戦を受けて下さいよ」でＯＫしている。
サム・イチノセ氏。白井義男選手に世界王座挑戦のチャンスを与えたハワイ在住の日系２世は、日本ボクシング界に絶大なる信用と影響力、力を兼ね備えていた。エディ・タウンゼント氏、スタンレー・イトウ氏はイチノセ氏の傘下である。
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現役時代の米倉選手には、イトウ先生がトレーナーとしてついた。ハワイで長い合宿生活も送っている。「ヨネクラ！」。「アミーゴ！」という関係。ハワイへ遠征したヨネクラジム勢はイトウ先生の下で修行。
柴田選手がベン・ビラフロア（比）の持つＷＢＡ世界Ｓフェザー級王座を攻略した時のコーナーにはイトウ先生の姿がある。そしてアルレドンド挑戦を前にタウンゼント氏が柴田選手のトレーナーとして招かれる。
『ハワイで修行したい日本の選手は、会長、マネジャーの許可を取ってエディ・タウンゼント氏まで連絡してください』。イトウ先生とタウンゼント氏はそのような関係である。
直近。イトウ先生とタウンゼント氏の親戚同士が結婚されたと、タウンゼント夫人の百合子氏からお話を伺いました。「笑っちゃうわよねェ～。親戚にボクシング教えててよく日本へ行ってた人がいるって言うのよ。聞いたら、スタンレーじゃないのよォ～。ビックリしちゃった。元気にされてるの～」。
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イトウ先生は西城正三（協栄）選手が、ロサンゼルスで世界王座を奪取したときの作戦参謀。以後、協栄ジム世界王者とのかかわりは大変深い。タウンゼント氏は柴田選手を三度目の王座に導き、石松選手の世界ライト級王座５度防衛をサポートした。
協栄ジムとタウンゼント氏の結びつきも古い。故力動山の要請で日本へやって来たタウンゼント氏と、力動山と交友関係にあった金平会長は古くからの顔見知りである。田辺 清 （田辺）選手に変わって海老原選手が世界フライ級の代理挑戦者に選ばれたとき、金平会長はタウンゼント氏にトレーナーを要請している。
「海老ちゃん、新宿まで走ってよ！」
昭和４４年。王座喪失から５年の時を経て、海老原選手は世界王座を奪還する。負傷した肩が動かず、ただ打たれるのに耐え続けたラストファイト。「エディさん、タオルだけは投げないでね」。悲壮な１５ラウンドの果て、タウンゼント氏の役目は終わった。
契約金一千万円で獲得した上原選手はイトウ先生へ預けられハワイデビュー。他にも多数の協栄ジム有望選手がハワイへ送られている。単身ハワイでデビューし、日本デビューを果たすに当たり協栄ジムへ逆輸入といったコースをたどった選手もいます。
米倉会長がイトウ先生、タウンゼント氏を招いたのも、「金平会長を見習って」だったのでしょうか。世界王者作りを争う両ジムのルーツを探ると、ハワイで生まれた二人にたどり着く。二人が両ジムの黄金時代を支えてきたことは間違いない。
現在も４回戦選手のセコンドにも就き、ボクシング一筋の”リングの虫”米倉会長。お元気ですね。益々のご活躍、ご期待申し上げます。
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