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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

「良かったねぇ、坂田。おめでとう」

「ありがとうございます」

カカアコジムを訪れた坂田健史選手を、イトウ先生が祝福する。感慨深げなチャンピオン。

大竹マネジャーは、元世界フェザー級王者・西城正三選手に憧れて協栄ジムへ入門した。中学生でのジム入りは、当時では珍しい。年上の後輩?が、多い大竹マネジャーである。



西城選手が世界王座獲得時からコンビを組んでいたイトウ先生。憧れの人、西城選手を指導するイトウ先生を当時から尊敬している大竹マネジャー。いろんな事を盗んで学んだ。(~~)

「もう60年も前に世界チャンピオンを日本に連れて来たんだよ」

「そのフライ級タイトルが、今、サンちゃんの手にある。凄いな坂田」

「光栄です」

「原田さん、海老原さん、大場さんもだからな」

「そう考えると重みを感じます」

巡り巡って60年。孫弟子が世界のベルトをイトウ先生のところへ還してくれた。凄い事である。その運命は数奇である。



「米倉、原田、柴田、ガッツ石松、皆僕のところへ来たよ」

西城選手以来、協栄ジム出身の世界王者とは縁が切れないイトウ先生。齢八十を越えた今でも大変お元気であります。

「門田、会ったらよろしく言ってネ」

神妙な表情でイトウ先生のアドバイスに耳を傾ける坂田選手。



「言う事鋭いだろ」

「ホント、そうですね」

「大竹、あんたもちょっと来て」

「いい、こうするのよ」

「これなら相手こうだから簡単よ」

大竹マネジャー相手に、”もっと楽になる方法”をアドバイスするイトウ先生。(~~)



ハワイキャンプ。走ることと食べることで体を作っていく。

「坂田もいい体になって来たな。もうウィラポンだな」(~~)

1日2食のキャンプ。ロードワーク後、早い昼食。メニューは日替わりだが圧倒的に肉が多い。よく食べるチャンプ。

「終わったらもういいよ。5時スタートな」

食後は一切自由にさせる。何事にも感知せず。行動パターンは、読まれていることも多いようですが。(~~)

1日が終わった夕食は話がはずむ。食後は必ず散歩。足が痛い選手には拷問のような、”なが~い”距離を歩く。(~~)昔、見えなくなっちゃった選手、いましたねェ。(~~)

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