ハワイ合宿&西島選手、長嶋選手 | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

昨日から、昨年ハワイでアマデビュー、1勝を挙げた西山君が合宿に合流。1ヶ月間滞在します。


入れ替わりに、円谷、笛木の両選手が本日(12日)帰国しました。両選手ともに、真っ黒。特に笛木選手は、スーパーのお姉さんにも、「ダーク」と言われるほどの、真っ黒さで、かなりご満悦です。


全身筋肉痛もひどい二人ですが、31日ハワイ入りして以来、約150キロ以上を走り抜き、連日の厳しいジムワークもやり遂げました。怪我もなく。良いキャンプでした。必ずまた来ると、帰国後の活躍を約束しました。


日曜日も、痛い足を引きずりながら”ダイヤモンドヘッド”登山。最高の眺めに、かなりの時間展望台にいました。持参したマジックで、勝手に記念のサイン。「ハワイは、つらいよ」 おのぎ かなえ。目一杯目立つ所に書いていました。


シャドーはやるは、なぜか腹筋を始めるは、はしゃぎ放題の笛木選手と小野木君。円谷選手、マジで怒っていました。日本人の恥だと。確かに笑われていました。 


昨日は、円谷選手がクリス、ランスの両アマ選手と6ラウンドのスパー。実はクリス、アラモアナCSの”ルイビトン”のドアガードマンも、短時間ですがやっていました。たまたま発見した合宿メンバー一同、「カッコいい」。黒服バッチリ決まっていました。


ランスは、大学生のハワイチャンピオン。強くて、上手いです。アマなのでスタミナは円谷選手とは違うので、1ラウンド交代でのタッグマッチスパーとなりました。


ウェートも円谷選手より重い二人、かなりの迫力です。ランスの右アッパー、もらったら”やばいな”と言う感じ。かなりの真剣モードの円谷選手、動きまくって交わしきりました。ランスは迫力ありました。これを交わしきった事は、自信になるでしょう。


高校卒業したての小野木君、かなり辛そうな毎日ですが、もう少し頑張れば、きっと体が慣れて来る事だと思います。今日は、疲れきって動けない様子。


西島洋介選手、吉田秀彦選手と戦うらしいですね。ボクシング以外の格闘技の事は、全くといて言っていいほど知りません。K-1とかプライドとか総合とかの、見出しの単語しか知りませんが、西島選手とは、少なからずかかわりを持った時代がありました。


日本ボクシング界に見切りをつけて、JBCに退職届を提出しロスに渡った西島選手ですが、ちょうどこの時期、私はある筋からの以来を受け、JBCライセンスを返上し、西島選手のトレード実現に向け、行動しました。ですから、非常に懐かしく思います。


電話では中々アポが取れなかったので、西島選手の父君の会社を調べ出し、お昼休みの頃を見計らい、会社の目の前から電話。ようやく、ご勤務先に訪問させて頂くことが出来ました。大変良い感じのお父さんでした。


単刀直入、用件を伝えました。契約金3千万円、ファイトマネー1千万円最低保障、ロスでの練習場、トレーナー、住居の無償提供、日本で試合をしたくなければ海外でOK。


この日からお父さんとは、よく飲みながらお話を聞いて頂きました。日本ボクシング界のルールや、海外事情等、色々と説明させてもらいました。最終的には、本人の意志に任せると言う事で、西島選手夫妻とも話をさせて頂きました。


結果は、現在あるがままですが、これは誰にも批判できるものでは有りません。現実の中で、西島選手が判断し、選び出した結論ですから、頑張ってほしいですね。個人的には、現実を直視した中での、結論は素晴らしいと思います。


ボクシングファンとしては、なぜ違う土俵に上がるのか疑問に思うのは当然ですが、そこは”武士の情”、男としての戦い振りを、見守ってあげてほしいものです。西島選手は、お金だけが”人生の価値”という考えをを持つ種類の人間ではありません。戦いぶりにきっと出ると思います。


長嶋選手の日本王座カムバック、良かったですね。伊藤選手が、勢いの差で有利と言う人もいましたが、対戦相手の中身が違うので、長嶋選手の気持ち一つだと思っていました。稲田選手のWBC暫定王座決定戦出場もあり、刺激になったのでしょう。


この長嶋選手のデビュー戦の相手は、私の選手が務めました。カステラ持って引退の挨拶に来た、金岡久史選手に、「テレビ出るから、もう一回やるか」と問うと、二つ返事で「じゃぁ、もう一回だけということで」


こんな感じで試合は決まりました。確か予定していた相手が出来なくなって、困っていた状況だったように思います。ファイトマネー等、条件も良く、試合はセミの6回戦でテレビ放映され、判定負け。ボクサー生活、なんの勲章も無く終わった金岡選手ですが、”健吾のデビュー戦の相手をした”事は、彼の大きな勲章です。


私も、倒され無いと直感してこの試合やらせました。しかし、第1ラウンドにダウン食らった時は、一瞬、「こいつに悪いことしちゃったかな」と、ヒヤリ。


金岡選手と飲むと、必ずこの話題になります。彼にとっては大きな勲章で、長嶋選手の息の長い活躍は、励みでもあります。


東京に帰ったら、長嶋選手の王座復帰祝いで飲みましょうと、金岡選手から電話が来て、また一杯。このカードを決めてくれた大竹マネジャーからは、「わざとダウンして、アップで映ろうと思ったんだろう」と、いつもひやかされても、まんざらではない金岡選手であります。