坂田健史選手の実力? | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

4月号ボクシングマガジン、亀田選手の記事の冒頭”すべてのラウンド圧倒し続ける、文句なしの内容だった”と、亀田選手と坂田選手のスパーの模様が書かれていますが、ちょっと間違いですね、これは・・・。

亀田選手は、進化しています。パンチの威力、切れ、共に以前より増しています。強くなっています。これは間違いありません。

が、スパーの内容は冒頭の文章とは違います。坂田選手も進歩を見せサウスポーに対して、うまく戦ったと思います。何より、坂田選手のパンチ、亀田選手に当たっています。それも、かなりたくさん。左ジャブ、右アッパー・・・。

初日の5ラウンドは、明らかに坂田選手の判定勝ち。亀田選手をけなす訳ではありませんが、真実は真実です。

地味な坂田選手、スパーでもエンジンの係りが遅いきらいはありますが、これまでたくさんのトップ選手とスパーをして来て、ボコられた記憶はありません。

新しいところから思い起こしてみると、OPBF・Lフライ級の新チャンピオン、嘉陽宗嗣(白井・具志堅)選手が、タイトル挑戦前にスパーしました。

嘉陽選手は、回転の速い連打を打ち込んできましたが、ボディ攻撃を中心に、馬力で打ち勝っていました。左ジャブが良く当たった。

嘉陽選手、攻撃力が上がり、気持ちが強くなったと感じました。

渡嘉敷ジムの、OPBFチャンピオンコンビ、林田、山口の両選手は、4回戦の頃から良くスパーに来ていました。この2人とのスパーは、いつも分が良かったと思います。

二人とも坂田選手とのスパーで、強くなっていったのではないでしょうか。

WBC世界バンタム王者・長谷川穂積(千里馬神戸)選手が、世界王者になる前のスパーでは、長谷川選手のスピードに対し、パワーで勝っていると感じましたし、五分以上の内容だった様に思います。

先日、日本タイトル挑戦に失敗して初黒星を喫した、広島三栄ジムの中広大悟選手も東京までスパーしにやって来ました。好選手だとは思いましたが、かなり腹が効いていました。後半は、かなり打ちまくった印象があります。

豊富なスタミナを武器に、馬力で前に出る坂田選手。亀田選手等、ファイターとのスパーでは、足を使ってアウト・ボクシングもで来ます。

以上は、坂田選手びいきで書いている訳では無く、客観的に観た印象です。「パーラを、アレだけ追い込めたのは坂田君だから」と、語っているボクシング界の実力者もいるんですよ。