長男が小学校を卒業しました。





長かったようで、あっという間に

6年間が過ぎて行ってしまいました。

しかしとても中身の濃い6年間でした。


東京から電車で30分弱のベッドタウン

にある小学校に入学し、2年までそこで

過ごしました。


小学校3年生の4月に父の病気で三重県に

引っ越し、そこで卒業を迎えました。


都会には都会の良さが、田舎には田舎の

良さがあります。


しかし、田舎にいてもいずれ高校、大学

とすすむにつれて、田舎を離れなくては

ならない時が来ます。


どうせそうなるならば、大人になった時に

息子たちの心のよりどころになる故郷を

作ってあげたい。そう思いました。


当時勤務していた中高一貫校の子供たちは、

小学4年生から中学受験のために塾に通って

いました。そうしないと合格できない入試

なのです。


受験勉強に時間をかけすぎて、あまりに小学生

の時に自然や生き物の命にふれる体験が欠けて

いる。そんな中学生をたくさん見てきました。


引っ越したら、自分ができる限りのことを

息子たちと一緒にやると決めて、引っ越しました。


長男は、「引っ越しなんかしたくない」と私が

いないところで妻には本音を話していたようです。


川で泳ぎ、海で遊び、山に登り、サイクリングし、

キャンプをし、40キロの遠歩きをし、魚釣り

に行き、虫取りをし、田んぼで泥にまみれ、

畑にはオケラやモグラがいる。私が小学生時代に

体験したことを、息子たちとやりました。


その上、野球まで3年間一緒にできました。


でも、「それは私の自己満足なのではないだろうか?」

という気持ちは常に私の心のどこかにありました。



いざ、息子の卒業式を迎え、保護者席に座って

見ると、成長した息子を見て嬉しい気持ちより

も、自分の父としての不甲斐なさが次々と

思い出され、またそれでも周りの人たちの

お蔭で息子がここまで育ってくれたことが

ありがたく、涙が止まらなくなりました。


3年生の11月から毎朝、雨の日も、風の

日も、雪の中でも親子3人で続けてきた

練習のことも、次々に頭に浮かんでは消えて

いきました。


式の最後に、息子から手紙を手渡されました。


「三重に来て、本当に良かったと思います」

とそこに書いてありました。


ずっと心に刺さっていた小さいとげのような

ものが、涙と一緒に抜けたような気がしました。


周りは「このおっさん何を泣いてんの?」

という感じだったと思いますが、子供の

ために泣けるということは幸せなことだと

思います。 親の思いは100%子供に

伝わるなんていうことはありませんが、

伝わったと感じる嬉しい瞬間は確実に

存在するものなんですね。



その小学校の118回目の卒業式でした。


祖父・父・私・長男と4世代が同じ

学校を卒業できた。 これは私の

誇りにしたいと思います。