高円宮杯全日本学童の出場権をかけて、

長男は5月5日、6日と続く県大会へ臨みました。


県大会は、県下の170数チームのうち、

16チームしか出られない名誉ある大会。


ところが、出場が決まってからというもの、

練習試合では締まらない試合が続き、格上の

チームにも、同じくらいのレベルのチームにも

大敗してしまう状態でした。


原因は、バント処理がきちんとできないことと、

簡単に盗塁を許してしまうところにあります。


ピッチャーも2枚しか作っていないのに、どうやって

トーナメントを勝ちきるつもりなのか。


新チームになってから、ずっと同じ課題を抱えて

いるのですが、それが放置されたまま当日を迎えました。


しかし、その年のチームカラーというものが

あるのですね。追い込まれると強い。



新チームになってまだ2敗しかしていない

チームが初戦の相手でした。


いきなりヒット、盗塁、バント処理のミスで

一死1・3塁からスクイズで先制されますが、

ここを1点やってファーストでアウトを取った

のが大きかった。


その後、5回裏まで1-0。 息をのむような

展開が続きます。 ピッチャーは毎回のように

得点圏にランナーを背負うピンチを招きますが、

今日に限ってバックの動きがいい。 きわどい

打球をことごとくアウトにしていきます。


6回オモテ、ワイルドピッチで相手に待望の

追加点が入ります。 この後連続死球で崩れそうに

なるところを、必死でピッチャーが踏ん張ります。


0-2で迎えた6回、地区予選の前日に怪我をして

ずっと出られなかった4番が代打で登場し、左中間を

抜く3塁打。9番打者のスクイズが内野安打になり、

1-2。 1死1塁で長男に打席が回ってきました。


この時の心境、うまく言葉で言い表せません。


とにかく、今まで二人三脚でやってきた練習を信じ、

その通りに打ってくれればいいと祈っていました。


カウント2ボール1ストライクからの4球目、

相手も渾身のストレートを投げてきますが、少し

甘く入ってきたボールをフルスイングで捉えます。






捉えた打球は、後ろに下がっていたセンターの

さらに後ろで弾み、同点に追いつくタイムリー

ツーベースになりました!!


去年から6年に交じってひとりだけレギュラーで

出してもらって、打率、打点、ホームランともに

チーム3位。新チームでは、打って当たり前という

プレッシャーからか、なかなか思い通りのバッティングが

できていなかった長男が、ここで打ってくれ!とみんなが

祈る場面でついに大仕事をやってのけました。


まだ試合は終わっていませんでしたが、今までの

長男との日々がフラッシュバックして、目頭が

熱くなる私。


気落ちした相手ピッチャーから内野安打でもう1点を

もぎ取り、3-2と逆転に成功します。






ここですんなり終わらない。相手も、7回表に

先頭がヒットで出塁し、盗塁で無死2塁。ところが

焦りがあるのでしょう。投ゴロでランナーが飛び出し、

3塁憤死。しかし、またヒットを許して、1死2・3塁

のピンチが続きます。 ここで、相手はカウント3-2

からスクイズを選択し、スリーバント失敗。 そして

最後の打者を、センターフライに打ち取って試合終了!


会場にいた誰もが想像していなかった、ジャイアント

キリングでした。 新チームのベストゲームがここで

出せる。 去年のチームは、先制されるとずるずる

行ってしまう、典型的な粘りのないチームで、持っている

力ほどの結果を残せませんでした。 しかし、今年の

チームは練習試合での不振を覆し、期待以上の結果が

出ている。分からないものです。


準々決勝でも勢いは続きます。 続きは後日。