☆サクセスby田村真二 -551ページ目

コロナ禍で失われた会員数・売上高を取り戻す2つの戦略

 

 

 

泣いても笑っても、2020年最後の1カ月に突入しましたが・・・

 

 

「会員数と売上高が3割減って困っています。経費削減にも限度があり、黒字化のメドが立ちません」

 

 

コロナ禍の現在、上記のような悩みを抱えるフィットネス実店舗の経営者や経営幹部の方も少なくないようです。

 

 

コロナ禍で失われた会員数や売り上げを取り戻すにはどうすればいいのでしょうか?

 

 

今日は、この難問を解決するための「真逆の2大戦略」を事例とともにご紹介します。

 

 

この戦略を知り、粘り強く実行することで・・・

 

 

✓コロナ禍でも入会者を増やす方法がわかる

 

✓同時に退会者が減少する(=会員数が増える)

 

✓自然に売り上げと利益が増える

 

✓お金の悩みから解放される

 

✓スタッフが活き活きと働けるようになる

 

 

などなど、今日の内容は重要です。

 

 

 

戦略1:優良会員拡大戦略

 

 

星野リゾート初の外部施設再生ホテル「リゾナーレ八ヶ岳」

 

 

最初の戦略は「優良会員拡大戦略」です。

 

 

この戦略を説明するには、経営難のホテルや旅館などの外部施設を次々再生し、規模を拡大している星野リゾートの再生取り組みが参考になるでしょう。

 

 

2001年、星野リゾートが軽井沢以外の場所で初めて運営した「リゾナーレ八ヶ岳」(「旧リゾナーレ小淵沢」)の再生戦略事例を紹介します。

 

 

「旧リゾナーレ小淵沢」は1992年に開業した会員制の高級リゾートホテルでした。

 

 

私も当時の施設を何度か訪問したことがあります。イタリアの建築家マリオ・ベリーニ氏が設計しただけあり、高級感に満ちあふれたリゾートホテルだったことを覚えています。

 

 

しかし、星野リゾートが運営に携わる直前の集客は、全盛期の4割に落ち込み(6割減)、5月の連休や夏の繁忙期以外は閑散とした状態で赤字が続いていました。

 

 

「旧リゾナーレ小淵沢」は周囲に名所旧跡や観光スポットもなく、屋内に大型プールはありますが館内に温泉はありませんでした。

 

 

星野リゾートとしては、軽井沢とは正反対であり大きなリスクでしたが、星野代表は将来のために手を挙げることにしました。

 

 

 

去る客は追わず支持者を増やす

 

 

施設再生に向けて最初に取り組んだことは、マーケティングコンセプトの見直しでした。

 

 

軽井沢の旅館(自社物件)の再生のときと同様オープンでフラットな組織づくりを目指し、星野代表も加わった会議の議事録はすべて社員に公開したそうです。

 

 

「6割のお客様が離れたのに4割の方がなぜ来てくれているのか?」

 

 

と自問自答し、お客様にアンケート調査を行いじっくりと分析すると施設の強みがわかりました。

 

 

開業当初に想定していた顧客層は時間にゆとりのある熟年カップルでしたが、実際は小さいお子様がいるファミリー層が来てくれていたのです。

 

 

私が数回訪問した時も娘がまだ小さな時でしたので、まさにその通りでした。

 

 

リピートの理由は、中央高速道路のインターチェンジから近く移動に便利で、屋内大型プールがあり、部屋も広かったからです。

 

 

「施設の魅力は、得てして自分たち自身の想定とは全く違います。売り上げが落ちると離れた客を取り戻したくなりますが、去る人には去る理由があります。それよりも残ってくれたお客様に理由を尋ね、似た客層にアプローチする方がずっと効果的です」(2020年10月30日付「日経MJ」より)。

 

 

そこで星野リゾート再生チームは、子供向けのアクティビティを充実させ、30~40代の母親には女性誌などを通じ「大人のためのファミリーリゾート」だとアピールしました。

 

 

しかし、翌年の集客はあまり伸びなかったとのこと。伝え方が弱かったと反省し、03年のゴールデンウィークには集中的に宣伝活動を展開したところ、これが当たりました。

 

 

「結果として計画通り3年で黒字を達成することができ、大きな成功体験につながった」と星野代表は述べています。

 

 

 

優良会員に似た客層を見込み客と考え宣伝する

 

 

星野リゾートによる「リゾナーレ八ヶ岳」の再生からフィットネス実店舗が学べること。

 

 

それは、退会者への再入会促進ではなく、満足して利用してくれている既存会員にヒアリングや調査を行い、自店の強みや魅力を(会員の立場から)再発見すること。

 

 

その上で、まだ自店のことをよく知らない見込み客や潜在客を対象にマーケティングを行うことです。

 

 

 

戦略2:ノンカスタマ(非顧客)獲得戦略

 

 

 

 

2つ目の戦略は「ノンカスタマ(非顧客)獲得戦略」です。

 

 

この戦略を説明するには、アパレル界に革命を起こした作業服専門店「ワークマン」の取り組みが参考になるでしょう。

 

 

以前もブログで紹介しましたが、商品を変えずに売り方を変えただけで、ワークマン既存店平均売上高の2倍に急伸した「ワークマンプラス」の取り組み事例です。

 

 

 

見せ方を変え、客層を変える

 

 

数年前のワークマンを知っていた人ならワークマンを、「職人が着るための安くて丈夫な作業服」のイメージが強かったかもしれません。

 

 

作業服のワークマンが装いを新たにしたのは、東京都立川市のショッピングモール「ららぽーと立川立飛」に、新業態「ワークマンプラス」を出店した2018年9月5日でした。

 

 

それはまさに日本のアパレル業界史上に残る革命と呼べるもの。なぜなら、「作業服専門店」から「アウトドアショップ」へと突然変貌を遂げたのですから。

 

 

しかも、店頭に並んでいる商品は、すべて既存のワークマンで扱っていたものでした。つまり、ワークマンプラスの商品自体はワークマンと100%同じということです。

 

 

ワークマンプラスの商品構成は、ワークマンが扱う1700アイテムから、一般受けするだろうと見たアウトドアウェアやスポーツウェア、シューズやレイングッズなど320アイテムを切り出したにすぎなかったのです。

 

 

一方で、店名、内外装や照明、マネキンや什器、陳列方法をガラリと変えました。それにより、見た目はワークマンの商品とは思えないほど様変わりしました。

 

 

結果、それだけで売り上げは爆発。前述した通り、ワークマンプラスはワークマン既存店平均売上高の2倍に急伸したのです。

 

 

ワークマンプラスは既存の製品を違う客層にアピールし、大方の予想を覆(くつがえ)し、第1号店は大成功。初年度の売上目標をわずか3カ月で達成しました。

 

 

その後の快進撃は言うまでもありませんね。

 

 

1号店のオープンから2年2カ月経った2020年10月末時点のワークマンプラス店舗数は251店舗(これを快進撃と言わずに何と言えばいいでしょうか)。

 

 

ワークマンプラスの強さの秘訣は、自社にもともと備わっていた強み(製品力や運営力)を、競争が激しくない「隣接する中規模業界(市場)」を探して切り拓いたことです。

 

 

作業服市場とアウトドアウェア市場は一見違う市場に見えます。しかし、「機能性ウェア」という点で共通しています。

 

 

また、アウトドアウェア市場は近年、右肩上がりで成長している市場でもあります。ワークマンはそこに目をつけたというわけです。

 

 

 

「継続しない会員」に着目する

 

 

ノンカスタマ(非顧客)獲得戦略は「誰を顧客にするのか」、つまり「どの市場をターゲットにするのか」を決めることから始めます。

 

 

実は、これが会員制ビジネス企業にとっての「最大の難問」なのです。

 

 

なぜか?

 

 

一般に、会員制ビジネス企業(や会員)は変化を嫌いがちです。実店舗のフィットネスクラブなどはまさにこの典型と言えるでしょう。

 

 

私のように小売業出身者から見ると、なぜこうも同じことをずっと続けているのか不思議に思います。

 

 

一方で、施設やサービス内容にはまっている会員にとっては居心地の良い環境にあると言えます。

 

 

今回のコロナ禍でも、0来館者や低利用者の多くが退会あるいは特別休会を続けるなか、ヘビーユーザーを中心に7割前後の会員は以前と変わらず利用しています。

 

 

こうした会員は、まさに「戦略1の優良会員」と言えるでしょう。

 

 

しかし、フィットネスクラブに入会する人たちの中には、1年以内に退会してしまう人が通常4割前後います。優良会員のようには続かない人たちなのです。

 

 

原因は様々ですが、1つハッキリと言えることがあります。クラブの環境に合わなかった(馴染めなかった)ということです。

 

 

人は居心地の良い環境や一緒に居て楽しめる人とは、(優良会員のように)ずっといたいと思うでしょう。しかしそうでなければ、いとも簡単に離れてしまいます。

 

 

とはいえ、そうした人たちでさえ一旦は入会を決断したわけです。つまり、まったく関心がなかったわけではないと言うことです。

 

 

つまり、施設側がそうした人たちに合った環境やサービスを(ワークマンプラスのように)提供することができれば、より多くの入会者を獲得し、維持することができるはずです。

 

 

私なら、そのような「継続しない会員」に着目してビジネスモデルやマーケティングを再構築します。

 

 

今年も残すところあと1カ月となりましたが、「会員数や売上高をもっと増やしたい」と真剣にお考えの方は、今日お伝えした2つの真逆の戦略についてじっくりと考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

本日も最後までお読み頂きありがとうございます。

それでは次号をお楽しみに!

 

 

 

 

 

追伸

今日の内容をより深めたい経営者・経営幹部の方にはこちらをお勧め致します。

フィットネス経営5大戦略セミナー