「多重人格者じゃないけれど」
人は誰でも、状況によって思考や態度を切り替えて生きている。
それは人格が変わるのではなく、
現れるレイヤー(層)が変わるだけとも考えられる。
それぞれのレイヤーで異なる思考や態度が現れるのは、
大人になれば自然なことだ。
それを自転車のギヤを切り替えるように
TPOに合わせて使い分けられる人は、
賢いなと思う。
しかし多くの人は、そのギヤを無意識に切り替えている。
そのため本人は、自分がどのように
認知 → 判断 → 操作
という流れを通って行動しているのかを
自覚していないことが多い。
さらに人は、自分の不都合な部分を認めたくないため、
会話の中には
・事実誤認
・無意識の歪み
・自己防衛
・意図的な嘘
が混ざることもある。
そこで対話では、同じ出来事について
角度を変えた質問を何度も行う。
そうすることで語りの中の矛盾や空白が見えてきて、
その人が実際にどのように
認知し、判断し、操作したのか
という連続性を確認できるようになる。
そして無意識で行っていたその流れを
本人が認識できれば、
初めてそこを修正する余地が生まれる。
つまり目的は、問題を「障害」として扱うことではなく、
人が本来持っている
切り替えの機能(ギヤ)
を理解し、それを意識的に使えるようにすることにある。
そのためには
仮説を立て、実践し、結果を観察し、検証する。
この繰り返しによって、
無意識の反応は少しずつ
意識的な選択へと変わっていく。