京都市内を自転車でひたすら巡る、「京都巡礼ライド2024」 #11のつづき

 

15:10桂離宮出発。そろそろバイク返却時間リミットの17時半を意識しながら移動。

 

ここから次の目的地まで大体5km強。30分見ておけば大丈夫だろう。

 

桂離宮を出るとすぐ桂川の畔に出る。

 

桂橋を渡る。川のずっと上流は今日走って来た嵐山方面。相変わらずドンヨリ。

 

西大路通にぶつかり北に進む。

 

大通りを走っても他所の地方都市と変わり映えしない景色なのでつまらない。

思い付きで脇道に入ってみる。すると渋い商店街に出くわすのは京都ライドならではの醍醐味(西新道錦会商店街)。

 

京都市内を走っているとどこの古い商店街も活気があることに気付く。もちろん人口が多いからということもあるが、古いからといって近隣の大手スーパーに客を取られ閑古鳥が鳴いてるでもなく、きちんと共存できているのが面白い。

 

15:40 鶴屋到着。ここに来たのはこれを買うためだ。

 

そう、

 

「鶏卵素麺」である。去年の巡礼ライドの際、駅のお土産店でこちらを目にし、その珍しさから是非一度本店に行ってみたいと思っていた。

 

では鶏卵素麺はどんなお菓子なのかというと、極細の錦糸卵をカラカラに乾かして砂糖水を吸わせ、三つ編みのように束ねたようなお菓子、といえば皆さんにも容易にイメージいただけ・・・る筈がない。それくらい奇妙で面白いお菓子だ(中身は撮り忘れたのでググってみて)。ちなみに美味いか否かは貴方次第?

 

お店の方が言っていたのだが、現在は駅で取り扱いはしていないらしく(やはり味に問題が?)、ここまで来ないと買えないそうだ。まあそこまでして食べなくてm・・・好物なのでとても残念だ。無事、お目当ても買えたので壬生寺へ。

 

15:50 壬生寺。さすが新撰組ゆかりのお寺ということもあって(詳しくは知らず)、それに関連した商品や展示が多い。何かお金を払わないとそれ関連の場所は見られないらしく、じゃあ結構ですということで、お参りとおみくじだけ引いてここは終わり。

 

気合を入れ臨んだ寺社では末吉とか微妙で、なんとなく引いた場所に限って大吉という、世の中思い通りにはいきまへんなの図。

 

さあさ、ホテルに戻り預かっていただいてる鬼のように重い荷物を引き取りに参ろう。

 

16:20 荷物をピックアップ。返却まで1h。まだ時間は大丈夫なので河原町方面へ。

 

御池通。ぼちぼち夕景色。

 

いつ見ても立派な市役所。でも財政難。

 

16:45 念願の村上開新堂に到着。
「村上開新堂」の名を聞ききピンと来た方は、なかなかの池波マニアかお菓子好き。
 

かつて、池波先生も惚れ込んだ美しくモダンな店内。スタッフ全員がテキパキ笑顔の接客、素晴らしい。
 

池波正太郎の食べ物にまつわるエッセイ「むかしの味」。こちらに収録「京都〔イノダ〕と〔開新堂〕」内の一節(P.84)、

 

『冬の最中に京都ホテルへ泊まっているときなど、前もって注文しておいた〔好事福盧〕(こうずふくろ)を窓の外に出しておく。

そして、用事なり、芝居の稽古を済ませ、酒をたっぷりのんでから夜更けにホテルに帰り、窓の外から〔好事福盧〕引き取って食べるのが楽しみだっだ。

京都の寒気に冷え切ったゼリーが、酔いにかわいた口中へすべりこむときの旨さは、たとえようもなかった』

 

初めて読んだのはかれこれ20年以上前になるが、何故かこの一節だけが忘れられなかった。今回、遂にこの冬季だけのお楽しみ(11〜3月限定)、好事福盧を食べることができる。実は季節限定だとは知らなかったので今回は運が良かった。これもあちこち巡りお参りした効果だろうか。

 

「すいません、好事福盧ありますか・・・?」

「ハイ。1個だけ残ってます(せやけどお前には売らへんで)」

 

危ねえ!やっぱツイてるよ今日は。せっかくなので開新堂名物「ロシアケーキ」も詰め合わせていただく。

ちなみにもう一つの名物、クッキー缶は夏まで予約が埋まっているらしい、スゲエな開新堂・・・

 

そして!こちら噂のが好事福盧だ。パッケージも可愛いじゃねえかオイ?
へへへ、中身はどうなってるんだい?
 
20年越しで好事福盧さんに出会えたことで、舞い上がって撮るのを忘れてしまった。
 
仕方がないので開新堂さんよりイメージを拝借。
 
紀州みかんの果汁に洋酒とグラニュー糖を加え、ゼラチンで固めた自然な甘さのシンプルなゼリー。美味いかどうかと尋ねられれば、素朴な味かな、と。
池波先生がかつて惚れ込んだ味をシェアできた、それだけでイイ。
 
ロシアケーキの小箱。パッケージのグラフィックもモダンでなかなか素敵よ。
 
そしてロシアケーキ。クッキーとケーキの間みたいな柔らかなクッキー生地に、ジャムやチョコが入った楽しいお菓子。
まあこれも「むかしの味」。だがそれがいい。煌びやかなお菓子に疲れてしまった昨今(どんな疲れ?)、こういうクラシックで優しいのがイイ。
 
これで今回のミッションコンプリート。あとはバイク返却だけ。現在17:10、自転車屋まで3km。事故らなければ余裕。
貴族の宿リッツ・カールトン脇から鴨川に降り、川沿いに下っていく。
 
四条大橋と南座。
 
五条界隈は結構降ったのかアスファルトがかなり濡れている。
 
閉店5分前に滑り込みでバイクを返却(全然余裕じゃ無かった)。駅まで歩く。
 
東本願寺。2月上旬の18時前でも京都はこの明るさ。
 
18:30 駅の周りをうろうろし、着いたらこの時間。それでも新幹線までまだ1.5hもある。
 
例によって551。新幹線内での匂い漏れ対策のため、今回盤石のビニール3重で持参。
 
そしていつもの待合スペースでしばし放心。寒い。
 
まだ30分もあるので改札内のお土産コーナーで時間を潰し、
 
20分前にホームへ。
 

20:00。博多よりの使者到着。ようやく帰ることができる。

ほぼ満車。スゲエぜ日本人気。

 

京都から名古屋まで30分には何時だってビビる。

 

21:55新横浜。真っ赤な目で別れを惜しむ54号。さよなら。

 

22:18。東急新横浜線のおかげで一本で帰宅。

 

20分で地元到着。

 

22:40。京都駅のホームを出てから2時間半後にはもう地元にいる。さっきまで京都にいたのは夢か?

実は鎌倉辺りで狐狸に化かされ、肥溜め風呂に「あったけえあったけえ」とハメられていたのでは的、旅行帰りのこの感じ好き(キモ)。

 

さて本日のまとめ。鴨川デルタから始まり、松乃家、北野天満宮、平野神社、等持院、嵐山、桂離宮、壬生寺、開新堂の全36km。色々行ったな。やっぱり夢じゃなかったようだ。

 

そして・・・

 

午前中、松乃家でテイクアウトした焼きそばがここに。

 

結局移動時間に追われ食べる間もなく、ハンドルにぶら下がったまま共に市内を36km。その後新幹線に揺られること東へ450km。

おそらく史上初上京を果たした松乃家の焼きそばではなかろうか。しかし早速レンジで温めてやると、その姿は見るも無惨に歪み・・・

 

 

今回の巡礼ライドも盛りだくさんの大満足の3日間。とはいえ、いくつか回れなかった場所もあったので・・・

 

「巡礼ライド2024 part2」帰宅早々決定!チケットも手配済み(翌々週)。

 

年度末で仕事も忙しいのに一体どうなってしまうのだろうか?人生を諦めた?果たして次回の旅はどこへ?

どうぞご期待ください。