京都市内を自転車でひたすら巡る、「京都巡礼ライド2024」⑧のつづき
当初予定外だったが好きな場所ゆえ、ついつい立ち寄ってしまう北野天満宮をあとに平野神社へ向かう。
場所は北野天満宮のすぐ北西。天満宮北側をぐるっと廻ってすぐ。
一昨日、平野の御土居の帰りに前を通り偶然見つけたのだが、既に閉門していたため本日改めて。
11:30 平野神社。大きな鳥居そびえる入口左に駐輪可(無料)。ハンドルにはテイクアウトした松乃家の焼きそば。いつ喰らって野郎?
当初、「北野天満宮の裏にある地味な神社」くらいに捉えてたのだが、今回改めてその歴史を調べてみると結構な場所だったことを知る。
朝廷選定によるかつて存在した神社の格付、「二十二社」(JINJA BEST22 CHOTEI SELECTION的な?)に入る選ばれしエリート神社。
その中でも上位7(上七社)、中位7(中七社)、下位八社(下八社)の上中下3段階にランク分けされ、その頂点に位置するのが伊勢神宮。続いて石清水八幡宮、その下に加茂の二社(上賀茂&下鴨)、そして松尾大社と続き、ナンバー6にこの平野神社がランキングされる。あとに続くのが伏見、春日、住吉、八坂、貴船などの名だたる神社だということでも、ここの格式がどれ程のものか窺い知ることができる。
ちなみにご近所の北野天満宮、下八社に位置付けられナンバーは18。格式としてはこちら平野神社のがずっと上。現在の知名度と照らし合わせると色々複雑な気もするが、結局プロモーションの差なのか、なんて下世話なことを考えてみたり。
神紋の桜が描かれた提灯。
振り返ると象徴的な鳥居が向こうに。
そもそも入口のあれがやたら褪色していたため、色々誤解したのだと鳥居のせいにしたり。どうか平安神宮ばりにピカピカに塗り替え、印象度UPを。
一昨日は時間外のため閉ざされていた門をくぐり念願の境内へ。
規模こそ大きく無いが、さすが794年平安京遷都と同時期に創建されたというだけあって空気が違う(気のせい)。
立派な大木が枝を広げる。
橘(たちばな)。金柑サイズの国産蜜柑の固有種で味はイマイチ(本来生食はしない)。
奥では神主さんが祝詞をあげていた。
敷地内には広々とした庭。
菜の花、梅、水仙など様々な花が植えられていたのもここの特徴。春はもうすぐ。
さて急ごう。
次の目的地は西大路通を超えたすぐ先。
ここをくぐればいよいよ等持院・・・かと思いきや、まだ住宅街だったりとフェイントをかまされる。良く言えば街と調和し、溶け込んだかのような等持院の構え。
12:00 今度こそ到着。入口正面に大きな駐輪場(駐車場)あり。
かつて敷地内に日本映画の父、牧野省三の撮影所があった縁で銅像が建っていたりと面白い場所。
チケットを買い進むと、正面にドン。
慶應医学部中退の後、魯山人に傾倒、何だかんだあって(ググってネ)出家した名住職、関牧翁(せきぼくおう 1903-1991)による筆。臨済宗だから達磨法師?
通路を抜け縁側に出ると、
美しく整えられた石庭が迎えてくれる。
さらに進む。今度は立派な庭と池が目を楽しませてくれる。
この2年で市内大小様々な寺院を巡り、自分なりに一つの価値基準が出来た。それは、
「詫び過ぎず、派手過ぎず」というもの。つまりどういうことかと言うと、
あまりにみすぼらしいのもアレだが、派手過ぎては俗っぽさ&商売っ気が透けて見え興醒めしてしまうという感覚。
「程良い詫び感」が好ましいどすえというニュアンス。そんな基準が出来た中でここ等持院はどうなのかというと・・・
「MYナンバーワンKYOTO」決定。つい先日までその存在すら知らなかったくせにな。(ちなみにディフェンディングチャンピオンは17の時訪れた大仙院)
観光バスがバンバン来るメジャー寺院というわけでも規模でもなく、
縁側からサンダルで外に出、手入れの行き届いた美しい庭をゆっくり回遊し、
対岸の高台からの眺望も良く、住宅街にありながら聞こえるのは鳥のさえずりくらいで、
俺みたいなミーハーな京都好きの心をくすぐるこのちょうど良い塩梅。
もう最高。思わぬ収穫、自転車バンザイ。これだから巡礼ライドはやめられない。
気付けば30分以上滞在してしまった。
等持院にまだ行ったことがないと言う方、北野天満宮まで来たのならせっかくなので是非ここまで足を伸ばして欲しい。
平野神社、等持院と連続で素敵な穴場(お前が知らなかっただけ)に巡り会えた。
大満足でここから一気に嵐山方面まで走るのだが、なんだか雲行きが怪しくなってきた。どうやら午後より雨らしいが大丈夫だろうか・・・?(⑩につづく)