R5キャノンボール 9時間9分 | 桜伐ル馬鹿梅伐ラヌ馬鹿

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北海道のサイクリング好きのブログ。

10月15日、札幌→函館で国道5号線を走破した。

国道1号線で東京⇔大阪を走破するキャノンボールというチャレンジがあるが、それにちなんでR5キャノンボールと言われていたりするものだ。

ログはこちら。

 

深夜1時に札幌の北一条橋をスタートして、国道5号線を完全トレースして南下。ゴールの函館駅前に着いたのは10時9分。9時間9分での完走となった。
機材は夜間にDHバーのメリットを最大限に活かすのは難しいと思ってMadoneと迷ったが、結局P5Xにした。
気温はスタート時点で恐らく10℃ほどあり、夏服にアームウォーマーで行く事が出来た。

Garminのラップに沿って走行記を書いてみる。

【北一条橋~潮見台(ラップ1)】

36.59kmを1時間16分で走行。Ave.28.9km/hだった。

創成川沿いは信号停止が多く、1回の停止時間も長いため全くペースが上がらない。なるべく停止したくないので手前の信号が点滅した時に加速して、この日最大出力となる942Wが出ていた。

創成川沿いから高速に沿って左折してからは比較的流れがスムーズになり、宮の沢で小樽に向けて右折してからはあまり信号につかまらなかった。

 

この区間はまともに交通がある時間帯に走ったら車が多くてとてもペースを刻む事は出来ないが、深夜出発で車が非常に少なかった事で助かった。宮の沢から小樽までは自分の経験では一番スムーズだったと思う。

緩いアップダウンと張碓峠があるが苦になる様な登りでは無かった。

 

ここまでの時点で、R5キャノンボールを札幌~函館で走る場合には、午前1時当たりの出発が自分の中での正解だと感じた。

 

潮見台で停止しているのは、ヤマトの函館の営業所向けに送った荷物の伝票を家に忘れて念のため取りに行ったため。

ルートを外れて9分1秒停止したので、トータルでは12~13分はロスしたと思う。

キャノンボール中に勿体ない限りだが、初めてのチャレンジだし今後の伸びしろになるだろうという事で気にしなかった。

家で羊羹を1つ食べた。

 

【潮見台~倶知安(ラップ3)】

63.30kmを2時間4分でAve.30.6km/hだった。

稲穂峠と倶知安峠を越えている事を考えても、P5Xとしては少し遅いと思う。余市~共和町辺りが向かい風だったのでそれで速度が上がらなかったのだと思う。

この区間も国道に沿って走るだけだが、路面が荒れている区間が多い。

自分はホームコースの一部として何度となく走って場所ごとの路面状況が解るのでバイザーを付けてDHバーを握りながら走る事が出来たが、そうでない人は夜間のDHバーはやめた方が無難だと思う。

 

倶知安では9分22秒停止している。本気のTTとして見ると長すぎると思うがこの日は気にしなかった。

 

【倶知安~長万部(ラップ5)】

79.44kmを2時間16分でAve.35.1km/hだった。

倶知安を出たのが確か4時40分頃で空がうっすら明るくなりかけていた。

この区間はアップダウンが多くて速度が乗せにくいイメージがあったが実際やってみると良いペースだった。

今考えてみると、標高180m程の倶知安から海沿いの長万部に向かうため全体として下りの方が多くて速度が乗っている区間が多かったのだと思う。

 

この区間は倶知安までにも増して路面が荒れている。走行時は夜が明けかけていたがバイザーを付けてDHバーを握るのに不安を感じる事も多く、そういう個所ではベースバーを握った。

DHバーを握る場合も、路面状況に普段以上に気を配って下り基調で昼間の様なフルスピードは出さなかった。

蘭越辺りから少し追い風基調で走りやすかったが、熱郛から長万部の手前辺りまで20~30km程はウェット路面で気持ち悪かった。

 

長万部では7分27秒停止。

 

【長万部~森(ラップ7)】

58.25kmを1時間33分でAve.37.5km/hだった。

この区間はもっと飛ばしたかったが、緩い向かい風と対向車(なぜか多かった)の風で頭を上げると即ブレーキがかかるような状況で、DHバーを握るのが1か月半ぶりで体が鈍ってバテていたこともあってダメだった。

ベースの速度は39km/h程だったと思うが、元気なら今回の状況でも41km/h台は出ていたと思う。

 

この区間も舗装は荒れていて、特に八雲市街地を抜けて数kmはかなり酷い。自分は事前に解っていたが、絶対にDHバーを握るべきではない箇所だ。

疲労度と出力を考えると9時間を切るのは難しいかなとこの辺りで思い始め、リスクを全くとらずにペース走を続けようと決めた。

森での停止はRed Bullを飲んでシャキっとしたかったため。2分47秒で出発する形となった。

 

【森~函館駅前(ラップ9)】

43.76kmを1時間31分でAve.28.7km/hだった。

この区間の路面も荒れている。こうしてみると国道5号線は多くの区間で舗装が荒れている。

森町の5号線はまともにDHバーを握る事が出来る箇所は少なく、ベースバーを握って悪路を越えて行く状態だった。

ここに来る前からイメージしていた事だが、森以降は時間を気にすることをやめた。

 

森から大沼は登り基調で速度が乗りにくく、舗装が荒れている。交通量が多く、大型車も多い。ここでリスクを取るのは賢明では無いし、トンネルから下って七飯以降は信号の多い市街地だ。

市街地で時間を気にして走るのは楽しくないし、危険に結びつく可能性もある。

ゆっくり進んで函館駅前に着いた。

 

全体としては281.52kmを9時間9分39秒でAve.30.7kmだった。

P5Xを使っていることを考えると遅いが、下り基調でフルスピードを出さなかった事と休憩をしっかりとった事(忘れ物を取りに行った事も含め)を考えるとこの日の自分には相応な結果だと思う。

 

後半バテてきてキツくなったが全体としては楽しむ事が出来た。

Twitterで応援のコメントを頂いたお陰でキツくなってからも集中が切れずに走り切る事が出来た。皆さんありがとうございます。

ソロのライドと皆さんに見守られてのキャノンボールの違いを感じた。

 

自分は函館が好きで自転車で頻繁に行くので、来年以降も間違いなくR5キャノンボールをすると思う。

来年以降は巡航力を今よりも高めて、風のいい日に休憩もコンパクトにして時間短縮してみたい。

大幅に短縮できると思う。

 

以下、機材について気付いたことを書いてみる。

 

【P5X】

今回は夜間でDHバーをフル活用できない事や下り基調でフルスピードを出す事が出来ない事からMadoneと迷ったが、それでもP5Xの方が早いと感じた。平地での巡航が速い事は言うまでもいので、それ以外の理由をいくつか挙げる。

①向かい風の影響

DHバーを握った状態だと向かい風の影響はロードバイクと比較すると圧倒的に小さい。さらに、自分の場合はDHバーを握って体幹が入ると出力も自然に増す。空力が良い上に出力が増すのだから速度が大幅に変わる。

ベースバーからDHバーに体勢を変えた時の加速感は気持ちが良かった。

②アップダウンの速さ

空力が良いため下りの終端速度がロードバイクよりも5km/h以上速い。そのためアップダウンで速度が乗った状態で登りに入る事が出来る。しかも空力く自分の場合DHバーの方が出力も高いため、登りでの減速が少ない。

何も意識していなくてもアップダウン区間ではロードバイクでかなり飛ばした時の様な速度が出ていると思う。

③長い登り

長い登りでは車重が軽いロードバイクの方が有利な面はあるが、DHバーを握って淡々と回して行けばあまりペースは変わらない。車重の不利を空力が打ち消しているのだと思う。

大体上記の様な感じで、多少登りやアップダウンが多いコースでもP5Xの方が速い。

快適性についてはMadoneの方が圧倒的に高いが、時間短縮を狙う時はP5Xを使っていこうと思う。

 

 

P5Xでは空力を考えてフロントシングルの54Tで本格的な登りは厳しいのだが、R5では問題なかった。

DHバーはAerocoachの最も角度がきつい45度のものだ。

 

 

角度がきついと腕と頭を近づけられる。そのお陰で胸の辺りに入ってくる空気を減って空力が良くなる感覚が鮮明にあるのだが、上下の振動が発生した時に腕が抜けそうになる場合がある。

9月頭に小樽~乙部町で巡航をした時に悪路で強い衝撃が加わった時に腕がすっぽ抜けそうな感覚があって不安になって、それ以来DHバーを握っていなかったのだが、そうなりにくい乗り方が今回解った気がする。

DHバーの巡航ではバーを(腕で引くのではなく)体幹に引き寄せるような感じにして上体を安定して力をかけるイメージがあるのだが、時間や距離が延びてバテると体幹に引き寄せるのが疎かになり、単に腕をパッドに乗せて休んでいるような状態になる場合がある。

その状態で上下の強い振動が加わると腕がすっぽ抜けそうになる。

これに気付いて今回はしっかりバーを引き寄せて体幹を入れて巡航することを心掛けた。

このイメージを大切に今シーズン残り少ないがまたDHバーの巡航練もして行こうと思う。

 

【Aerohead Ultimate MIPS】

Aeroheadは世界選手権などでも使われている非常に良いエアロヘルメットだが、自分にとっては2つ微妙な点がある。

①額の部分がひさし状にせり出していて頭を下げると視界に被る点

②額から落ちてきた汗がバイザーに落ちて視界が悪くなりやすい点

上に挙げた①については走行中にヘルメットの角度を指で変える事である程度対処できる。

今回は夜間で舗装が荒れていることもあって②の影響が大きくて神経を使った。

対処方法を考えて行きたい。