第4回 小樽~宗谷岬サイクリング 9時間08分47秒 | 桜伐ル馬鹿梅伐ラヌ馬鹿

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5月7日、前の週に引き続き小樽~宗谷岬のTTをした。
結果は10時間を一気に大きく切って9時間8分47秒。1週間で力が大きく変わるはずはないので、風と、少しはペーシングとエアロ向上の工夫のおかげだと思う。
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https://www.strava.com/activities/974240120

この日初めて新ヘルメットのAEROHEAD MIPSを投入した。
風の音が静かで、首の角度を適切にキープしていると空気がスムーズに流れているのが解る。重さも感じず、非常にいい。

STRAVAログの平均速度は38.5km/hで、今までで最高の値だ。時間がたってしまったが、走行記録として残しておかないわけにはいかない。

【朝里~増毛 区間120km】
増毛までの所要時間は3時間30分。グロス平均34.3km/h。
この区間、4月30日は後半に脚力を残すために抑えめで行ったが、この日は序盤から踏んでいった。とはいってもトルクをかけたという事ではなく、トルクが抜ける瞬間をなくしていった。
登りも下りも平坦も、脚が止まる瞬間はほぼ無かったと思う。
風は横風か追い風。まとまった向かい風区間は無かったと思う。

朝里を出たのが0時40分頃だったので、望来も厚田も浜益も真っ暗だった。
確か浜益~雄冬あたりで夜が明け始めた。
雄冬のトンネルゾーンでは海岸の絶壁沿いでたまに地上に出るが、その時に見える鉛色の海が印象的だった。
この辺りから北は海底の砂なのか石なのかが黒いので、海の色が暗い。曇った空がわずかに白み始めた中で見える海は鉛そのもののメタリックな色だった。
重く暗いけれども美しい景色だ。
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増毛ではウィダーインゼリーとシュークリームとプリンを補給。4月30日とほぼ同じ内容だ。700kcal程か。

【増毛~天塩 区間135km】
所要時間3時間30分。グロス平均38.6km/h。
増毛で補給し出発したのが4時16分ころ。夜が明けて白い空の中走り出した。
留萌市街地の車もまだ少なく、スムーズに通過できた。
海岸線に出てからは淡々と小平、鬼鹿と通過。
苫前の5km程手前からのアップダウン区間ももう慣れたものだ。加えてこの区間は追い風で、登りの苦労は全然なかった。走りは一定強度を維持。
羽幌を過ぎる辺りから雰囲気が少し変わり、だんだん最果て感が出てくる。
羽幌市街地を抜けて最初の上り坂で見る遠別まで18kmの青看板。この辺りから原野を走っている感じになる。
この辺りから初山別辺りまでのエリアで、この日最大の反省が。序盤からトルクを抜かずに走り続け疲れが出てきたために、踏み方が少し雑になってしまった。
疲れて変速のタイミングが適当になり、重いギアを漫然と踏みながら登る感じになってしまった。気づいて改善しようとしても、しっかりペース管理するにはそれなりに集中力もいるので即座に最適化できるわけでもなく、結局アップダウン区間が終わるまでは雑な踏み方が続いてしまった気がする。600km走るときなどは絶対にやってはいけない行為だろう。

初山別市街地を抜けて豊岬までの長めの登り(登坂車線1200mの看板が地味に嫌だ)でエナジージェルを1本投入。

アップダウン区間が終わるのは遠別市街地まであと9kmというあたり。そこから天塩までは27km。ここはきれいに完全追い風で、ペーシングもしやすくなった。
40km/h台半ば前後をキープして天塩着。
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天塩ではモンスターエナジー(緑)とエネルギーゼリー2個を投入。500kcal程か。これで後はエナジージェルとカフェイン錠だけで行けそうだ。

【天塩~宗谷岬 区間93km】
所要時間2時間8分。グロス平均43.7km/h。
稚内市街地の信号停止などもすべて含めてのグロス平均がとんでもない数字に。
これはサロベツ原野と宗谷岬手前の追い風によるもの。
立っていても明らかに感じられるほどの追い風で、天塩大橋~坂の下の55.5kmを1時間10分で通過し、平均速度は46.9km/h。普通の状態では経験できない速度だ。
羽幌~初山別での雑な踏み込みでトルクがかけられる状態ではなかったので、脚の筋肉を使わずに重さでトルクをかけ、ケイデンスで速度を支えた。
コーチに教わったしっかり吐く呼吸で、1回吸って1回吐くハイペース時のリズムを維持。呼吸のリズムを変えたらケイデンスを維持できなかったので、この時のケイデンスは呼吸も含めて成り立つ、自分にとってギリギリのラインだったのかもしれない。
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さすがにペース維持は楽ではなく、始めは天塩大橋から稚咲内の19kmまで頑張ろうというつもりで維持し、そこからはおよそ22km先のこうほねの家まで何とか…そのあとは14km程先の坂の下まで…という形で踏みとどまった。
7時間走ってきた後に出せる強度なので結局トレーニング的には中程度の強度なのだろうが、頑張った。

坂の下からは住宅地、市街地を通って宗谷岬へ。声問からは信号もなく最後の区間を頑張った。
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ここでも平均46.9km/hが出ているが、稚内空港辺りまでは横風で30km/h台後半程度の速度だったが、道が北に向かうにつれ追い風に。そうなってからは50km/h程度を維持した。
トルクの限界で踏みまくること等は出来ず、ここでも呼吸とケイデンスで速度を維持した。岬手前は回せるだけ回して60km/hを超える瞬間もあった。
岬に到着してログを止めた瞬間、想定したよりもはるかに短い時間で到着していたことに驚いた。
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追い風が大きいが、ほぼ40km/h以上で走り切ることが出来たのは貴重な経験だった。この速度域での手の抜き方を勉強するきっかけになった気がする。
これ以上のタイムは追い風の時以外出せそうにないが、またトレーニング兼サイクリングとしてこの最高のコースを満喫していこうと思う。



一般的にファストライドは主にペーシングと休憩短縮を工夫するのだが、速さと短時間をしっかり追求するとそれだけでは済まない。
TTライドはその時その時で可能な限りの短時間を目指すので、ペーシングと休憩短縮をやったうえで、自分の脚で出せる速度というのがダイレクトに効いてくる。
ロングを走っていると自分の弱さというものを本当に強く感じる。
強度を上げられる時間は限られているし、長時間となると結局無理のないペースになるから、ベースのフィジカルがものをいう事になる。自分はまだまだだが、こういう走り方も楽しい。これからもやっていこうと思う。