第3回 小樽~宗谷岬サイクリング 10時間00分49秒 | 桜伐ル馬鹿梅伐ラヌ馬鹿

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4月30日(日)、日付が変わってすぐの1時25分出発で宗谷岬に行ってきた。
350kmのTTとしてチャレンジし、10時間切りまであと一歩の10時間00分49秒だった。
GPSが飛んでその部分を削除したため、ログは二つに分かれている。

この距離でグロス平均35km/hに達したのは初めての経験で、あと49秒短縮すれば9時間台だったのだが、走り終わった後は49秒の短縮も難しかったんじゃないかと感じた。去年の9月は真面目に走って11時間2分だったので、休憩を減らしたとはいえ進歩だと思う。
ペーシングなど含め上手くいったライドだった。

長距離を短時間で走るうえで重要なことはいくつかあるが、簡単にできるものから言うと、休憩短縮、空力改善、出力向上だろう。
自分が冬場にトレーニングをする動機の一つが、出力向上したうえでそれ以外の2つの工夫を実行したら最高なことになるんじゃないか、というものなので、それを体感出来たという点では今までで一番思い出深いものになったかもしれない。
フィジカルのベースラインが自分よりも高い人はたくさんいると思うので、もしもそういう人が休憩短縮を空力改善を実行したら、間違いなく凄いことになる。

今回休憩は途中2回。増毛のセブンイレブンと天塩のセイコーマートのみ。
停車時間はトイレも含めて両方5分以内だったんじゃないか。かなり短めにした。
補給総額は822円。摂取カロリーは1500kcal以下に抑え、走行中に飲んだ水も700ml位だったと思う。
かなりエコなライドだ。

服装はいつものスキンスーツにプロノで買ったストレッチインナー1枚。あとはレッグウォーマーとアームウォーマー。
気温は5度を下回っていたと思うが、寒さは全く問題なく、寒いと感じる瞬間すらなかった。自分の場合淡々と回す中で体が少し発熱するので、それで行ける。

【スタート~増毛 区間約130km】
このコースのスタートは朝里の張碓峠の登り口にしている。今回はやらなかったが景気づけに山岡家でラーメンを食べて走ることがあるからだ。
張碓峠は8分13秒。今年一番ゆっくり登った。今回は強度のムラを作らないことが一つのテーマだったので、ここも我慢。
銭函を過ぎて石狩方面に行くと横風はあるものの比較的走りやすかった。
自分は夜間走行が嫌い(暗いと気持ち悪いので)なのだが、今回はそういう気持ちもわかずに淡々とペーシングして走ることが出来た。
厚田の辺りだったか、かなりデカい鹿が2頭道路の真ん中にいた。下りじゃなくてよかったが、少し驚いた。
今回は増毛までの間でこれ以外に道路の真ん中のデカい鹿が1頭、路肩に鹿の群れというのが1回あった。この季節多いのだろうか。

厚田を過ぎて浜益に向かうあたりでうっすらと明るくなってきた。
平坦で30km/h台後半位のペースで、疲労感も無い。悪くない状況だった。
去年よりも登りが楽になったせいか、失速も少ない。下りも200W台前半のイメージで回した。最高速度は65km/h程だったと思う。
浜益辺りから追い風基調になり、アップダウンも楽だった。
トンネル地帯は、厚田から浜益の第一区間と浜益から増毛の第二区間で少し趣が変わる。
第二区間の方が僻地のどん詰まり感が強く、地底を走っているような感じがする。良く言えば秘境。
ここは今まで常に工事中だったが、今回は工事しておらず、順調に通過できた。
最長のトンネルは雄冬の浜益トンネル周辺。浜益トンネル単品で5km近くあるのだが、前後のトンネルとほぼつながっているような状況なので、7~8kmは地底に潜っているんじゃないか。
トンネル区間が終われば緩い下りを経て4km程で増毛の市街地。一気に人里になる。

増毛で停まるか留萌、鬼鹿まで行くかは少し考えたが、仮に鬼鹿まで行ったとしても天塩では必ず停まることになる。それなら体力を無駄に消耗しないためにも増毛で停まるのが最適だろうと思い、補給。
シュークリームとプリンとカレーまんを食べた。700kcal程か。
次の停車は天塩。130km程先だ。
腰痛が少し出ているが、まだライドに支障が出るほどではない。張りが強いというレベルだった。ただ、痛みがペダリングに影響すると困るので予防的にロキソニンSを一発。

【増毛~天塩 区間約130km】
ここはほぼ追い風だった。平坦では40km/h台前半。
景色も素晴らしいが、自分は何度も走っているし今回はTTなので淡々とペーシングして走った。
苫前~初山別の40kmのアップダウン区間では下りで55~60km/h程に上げ、平坦を45~50km/h程でつなぎ、次の登りをその勢いで途中まで行き、勢いが無くなったら休むダンシングで20km/h位で登り切るのを繰り返した。追い風だからこれが出来るが、向かい風ならもっと辛いだろう。
とはいってもこの辺りは基本的に追い風だ。

留萌から苫前の辺りは海岸沿いのオロロンラインの横は急斜面、場合によっては尖った丘みたいになっていて、追い風基調であってもたまに風が回り込むのか、いきなり向かい風になったりする。
そういう状況なのだが、苫前からのアップダウン区間では道路の横にそういう地形は無くなるので風向きは変わりにくくなる。
初山別をこえると、いわゆるサロベツ原野というエリアなんだろうが、もっと風向きは安定する。今回は初山別から遠別が安定した追い風で、42km/h位をキープできた。7~8kmとはいえ、これは気持ちよかった。
遠別から天塩はTT時は浜更岸基線ではなく国道で行く。大きくて緩いアップダウンがあるが、少し横風が出てきたとはいえ追い風基調だったので楽だった。

この辺りまでずっと40km/hを大きく下回ることなく維持してきたが、追い風基調とはいえさすがに楽々とはいかない。
これ以上上げたら脚にダメージが蓄積するというラインが経験的にわかっているので、それを避けながらひたすらそのラインの際を維持した。
腰も少し痛くなってきたので、前方投影面積を小さくするイメージでエアロバーの先を握った前に長いポジションから、エアロバーの手前を握って背中が少し丸まって前後に短くなるポジションも試してみたのだが、意外と良いペースで走ることが出来た。
お腹回りの空気がなめらかに抜けた感じがあった。
西薗選手の記事など読むと、本当に少しのポジション変更でガラッと空力が変わったりするらしいし、多分空力的に自分はもっと改善できるんだと思う。

この辺りまでで、登りで速度が落ちた時にHIGH5のエナジージェルを2本摂った。疲労感が出てきそうな予感がしたら飲むようにした。
カフェインが33mgだか入っているので、タイミングよく摂れば疲労感を感じずに済む気がする。

天塩のセイコーマートではPBのエネルギーゼリー2つと緑のモンスターを摂取。緑モンスターはアルギニンが入っていて疲れている状況で脚が回り始めるらしい。
エネルギーは500kcal程か。
少ないが、あとはド平坦なので問題なし。HIGH5もあと2本ある。
ここでも(必要ないかと思ったが)予防的にロキソニンSを一発。

【天塩~宗谷岬 区間約90km】
10時間切りを意識し始めたのは初山別か遠別の辺りだったか。その時からこの最終区間が勝負になると思っていたが、実際そうだった。
ここに来るまでは、アタックをかけて消耗するわけにはいかないので、守りながらの走りになる。特に苫前~初山別のアップダウン区間は慎重なペーシングが要求される。ここからはある程度上げることも出来る。
実際去年の9月末に走った時は市街地で減速しながらも90kmを2時間半だかで走った。

この区間は前半交換に分けられる。
前半は天塩市街地を出て、天塩大橋を渡ってからサロベツ原野をこえ、坂の下まで。大体55kmある。そこからは市街地を多分5km程通って宗谷岬までの27km。
前半は横風と追い風が予想されたので、40km/hキープを試みたが、10km程でキツイと感じ始めた。38.5km/h程に落とすと、なんとか行けそうな感じだった。

天塩大橋から稚咲内までの19km、そこから抜海までの28km、そこから坂の下までの8km、大きく三つに分けられるこの区間で一番辛さが出るのは真ん中の28kmだと思う。
今回はこの辺り、こうほねの家あたりで風向きが怪しくなり、去年9月ほどのペースは出なかった。
天塩大橋からこうほねの家までの41.1kmは平均39.9km/h、去年9月から6秒遅れだったのが、14km程先の坂の下までだと平均39.4km/h、2分46秒遅れになっていた。

稚内市街地に向かう夕日が丘の坂は0.8kmで54m登るようだが、そこは2分16秒でクリア。平坦での速度を活かして休むダンシングで失速せず行けた。
ここまでは良いペースだ。
市街地は向かい風が始まっていたが、緩い下りは40km/h台前半でクリア。40号線をこえて残るは宗谷岬までの27kmだ。

ここで風が良ければ余裕で10時間を切っていたのだが、そうはうまくいかなかった。

声問から稚内空港を過ぎ、ペンションアルメリアに向けて海岸線がカーブするあたりまでは向かい風。それでも36km/h前後を死守。このペースなら10時間をギリギリ切る。
アルメリアの少し前からは追い風で残った力を絞り出して40km/h台前半。
これで10時間切るかと思ったら岬3km手前から強風の向かい風。そういえばGPVでこの時間帯はそういう感じだった。かなり強い。
ここを36km/hで乗り切るのは無理だった。最終的には30km/h程までに抑え込まれながら、何とかゴール。
ログを止めたら10時間00分49秒だった。
時刻は11時25分くらい。

冒頭にも書いたが、終わった瞬間は49秒縮めるのは無理だったろうと思った。だから後悔も何もなかった。
コンビニの休憩をあれ以上ケチるのは走っている中での自分の気分的になかっただろうし、ペーシングで稼ぐのも可能だったかどうか。
この辺り、レースや人と走る状況ならどうとでもなるのだろうが、ロングのソロだと自分の力を使わなければいけないので結局自分の体がそれを受け止められるかで決まる。この日のペースで49秒というと500m程にはなるから、そんな距離を生み出すことは簡単にはイメージできない。脚か腰にダメージが残ったかもしれない。
最後の27kmで脚を壊すつもりで踏んでも49秒は稼げなかった気がする。
自分的にはそれ位うまくやれた気がする。

宗谷岬ではお決まりの1枚を撮ってコーラを飲んで一服。
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稚内に13時からチェックイン出来るちょっといいホテルをとっていたので、12時ころには退散した。

稚内への区間は追い風基調だったとはいえ普通のペースで走ることが出来た。
平均30km/h強でなら小樽まででも行けるかもという気がした。
ギリギリ無理の来ないペースで体のどこもおかしくせず、体力を残せたのだと思う。

ホテルには13時過ぎについて野球のデーゲームを見ながらゆっくりした。
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非常に楽しくトレーニングにもなったので、またやろうと思う。
向かい風の時にわざわざ走ることは無いので、ベースラインが上がって強度に適応した分また更新できると思う。