2015 BRM822北海道600km宗谷岬 21時間45分完走 | 桜伐ル馬鹿梅伐ラヌ馬鹿

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北海道のサイクリング好きのブログ。

8月22日開催、滝川発着のブルベ、宗谷岬600に参加し、完走した。
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https://www.strava.com/activities/375149181
8:00出発でゴールは5:45。時間は21時間45分だった。

コースは獲得標高が2000m台のフラットなコースで、風向きが良ければ超速コースだ。今回は海岸線の約300kmが全て向かい風か横風で、コンディションとしてはなかなか厳しいものだったと思う。

今回は出走者が77名で、北海道の600としてはかなり多い。
最果ての地を走る北海道ブルベとして特に魅力が強かったのだと思う。
実際、コースは素晴らしかった。
オロロンラインは北上するにつれて海岸→丘陵→原野と風景を変える。
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日本海側とオホーツク海側でまた雰囲気が違い、通過時間にもよるが、自分の場合は新鮮な気分で愉しむ事が出来た。
宗谷岬をこえてオホーツク海側に行ったのは初めてだったが、人の手の入っていない(ように自分には見える)丘陵が続いて行く様子はサロベツ原野に負けない素晴らしい景色だった。

【スタート~PC1苫前 95km】 10:57
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この区間はkiyatchiさんとご一緒させて頂き、先頭交代をしながら進んだ。
碧水から留萌までの約30kmが追い風で快適に進んだが、日本海側に出て横風と向かい風が出て、苫前が近付くにつれて強くなって行き、非常にきつかった。
全ての時間帯で脚はここが一番きつかったかもしれない。
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苫前のPCの前で既に疲れていて、体調が悪くなっただとか何か理由を付けてDNFしようかなどと考えていた。
とはいえ去年の北海道1200のようにコンディションがキツくても淡々と進み続けていれば何らかの自分にとっての成果が得られる事もあるだろうと、とりあえず進み続けた。

【PC1苫前~PC2天塩 70km(累積165km)】 13:31
苫前を出発してすぐの羽幌は甘えび丼が有名だ。当然食べたいが、今回はパスした。
この区間は丘が20個以上あって下手をすると脚を使ってしまう。
勾配がそこそこある丘も重いギアで行ってしまったりで雲行きが怪しくなってきたので、軽いギアで行くようにして楽になった。
途中でkiyatchiさんと別れ、単独に。足に力を入れず、体重をペダルに乗せることだけを考えて丁寧に回す様にして延々と進んだ。
天気が良かったのでバイザーを外して景色を感じながら行った。
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遠別から天塩は個人のサイクリングでは浜更岸基線を通ることが多いが、国道を通ると何箇所か丘があり、疲れた。

【PC2天塩~PC3ノシャップ岬 70km(累積235km)】 16:08
この区間も横風と向かい風しかない事が走る前から解っており、風速もあるのでキツい時間になるだろうと思ってスタートしたのだが、その考えは根本的に間違っている事に走りだしてすぐ気付いた。

ゴールまで400km以上残した状態で負荷を高めて頑張ったりしたら、最後まで連続走行できない。ということは、頑張る=キツい思いをするという選択肢はそもそも採り得ず、自分にできるのは脚に負荷がかからない強度で淡々と回すだけだ。気持ちを静かにして丁寧に回すことを心がけた。
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天気は今までここを走った中で最高で、利尻岳もきれいに見えた。
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景色を眺めながら負荷をかけずに進み続けた。これが後半活きてくる事になる。

ノシャップ岬最寄りのセイコーマートは店長さんが非常に親切で、ブルベ参加者の休憩用に椅子等を用意してくださっていた。自分は速くゴールしたかったのですぐに出たのだが、ご厚意が有難かった。

【PC3ノシャップ岬~PC4ピンネシリ130km(累積365km)】 20:55
ここはこの日の最長区間で、停まって買い物をしたくなかったので、ポケットに大福3つとゼリー1つをつめて走った。
PC3から宗谷岬までは35kmほどあり、向かい風基調の中進んだ。
3年前夜にここを走った時は暗闇のように感じたが、昼間走るとかなり生活感がある、人が多い道だった。夜と昼の違いというのもあるが、自分自身、もっとキツい無人地帯を走ったりして慣れたというのもあると思う。
宗谷岬通過は17時半頃。夕暮の空がいい感じの色で停まって写真を撮ろうかとも思ったが、今回は早く走り終えたかったのでやめた。

宗谷岬をこえると、60kmの直線区間。町が10km~20kmくらいごとにあるので、それなりに生活感はあるが、景色は雄大だ。丘陵を登る道では地吹雪をガードするためなのか半透明の大きな壁が延々と設置してあって、遠くからは万里の長城のように見えた。
曇って来ていたので、夕焼けが照らす緑の丘陵に灰色の雲がかぶさり、海は鉛色だった。このあたりは海底の砂が妙に黒っぽく、海は大体鉛色だ。
晴れていればもっと美しい景色だったのかもしれないが、この天気の方が、自分がどういう場所を走っているのか実感できていいと思った。
宗谷丘陵は一度ゆっくりサイクリングに行ってみたい。

当初希望したとおり、猿払はギリギリ明るいうちにこえられた。
浜頓別はなかなか大きな町で、そこからピンネシリまでの35kmほどの道はところどころ集落が合って恐くはなかった。もっと人気の無い恐ろしい道を通ってきたので、安心して走る事が出来た。
ただ、PC直前で自分の後ろを走っている車がずっと自分を追い抜かず、妙な感じだった。道の駅など色々ある場所なので迷っていたのだと思うが、峠や森であんな車が後ろにいたらと考えると鳥肌が立つ。

天塩辺りではかなり疲れていたが、ピンネシリに着いた時は元気だった。
脚を残したおかげもあるし、カフェインを摂り始めてテンションが上がっていたせいもあると思う。
ただし、この100kmほど後に、恐らくそのしっぺ返しを味わう。
ピンネシリは有人PCで、スタッフの皆さんに補給食などを頂き、少し休憩した。
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仮眠場所にもなっているので、ここで寝た人は多いはずだ。

【PC4ピンネシリ~PC5士別 97km(累積462km)】 0:38
この区間は国道沿いを走る区間で、昼間徹底的に苦しんだ風もほぼ無風。昼間は風の音ばかりでタイヤが転がる音を1度も聞かなかった気がしたが、このあたりでは普段のサイクリングの音だった。

小さな峠がいくつかあるが、基本的に平坦で走りやすかった。小さな峠のうちの1つ、東雲峠は雰囲気的に不気味だった。人里離れたマイナーそうな道から入る小さな峠で、それほど山深いわけではないのだが、人の生活圏からちょうどはぐれたエアポケットの様なシュールな不気味さがあった。
後で調べてみると、ひまわりがきれいな場所らしい。自然が美しい場所ほど夜は不気味なのか。
この区間は、後半少し吐き気がしてキツかった。甘いもの(主にシュークリーム)だけ食べていたのでお腹が拒絶し始めたようだ。これは改善しなければならない(といつも思いつつ改善していない)。
ノシャップ岬あたりまであんなに美味しく感じた炭酸飲料を受け付けなくなっていた。

【PC5士別~PC6多度志 69km(累積531km)】 3:05
ここは走る前から一番いやな感じがしていた区間だ。和寒峠周辺が夜中に通ると不気味そうな感じがしたからだ。そこへに向かうあたりでは、眠気の予兆の予兆(たまに少しふらつく)を感じたのでカフェインを2錠摂取した。ロキソニンやカフェインによってお腹の調子がますます悪くなった気もする。

和寒峠派2年前の大雪600で通り、(走力不足と消耗度合いにより)かなりきつく感じた峠だったのだが、今回は大したことなく感じた。体感難易度が下がった事で、体感不気味度も下がり、それほど嫌な感じはしなかった。
幌加内峠は全く不気味ではないのだが、2年前ときつさがあまりにも違って驚いた。
2年前は少し長い登りだなと感じたが、今回は暗闇の中アウターでじわじわダンシングしていたらすぐに終わってしまった。オロロンラインの丘の方がきついくらいだ。
脚を残しておいて良かった。

幌加内峠を越えて多度志までは約18kmだったと思うのだが、ここは40km/hに迫る速度でガンガン行った。

多度志のセイコーマート到着は3時5分。開店前だったので補給できず、時刻のチェックのみした。

【PC6多度志~PC7芦別 47km(累積578km)】 4:47
ここまで来るとゴール前なのだが、吐き気がして気持ち悪い。
持っていたゼリーだけ流し込んで進むも、あまりパワーが出ない。おまけに芦別に向かう途中で平坦だと思っていた道が謎の山道で少し不気味だった。
夜が明けはじめていたので、気を取り直して進むが、速度が出ない。ただこれは登り勾配のせいだったようで、下りに入ったと思われるあたりからは30km/h台後半でラストスパート。
脚別ではレッドブルだけ無理やり飲んでゴールに向かった。

【PC7芦別~ゴール 28km(累積606km)】 5:45
ゴール前の28kmなので本来であれば限界ぎりぎりのアタックを仕掛けたいところだったが、この28kmはアップダウンがあるのでなかなかキツい。多度志と芦別までのスパートで使い切り、気持ち悪さが消えない状態では無理だったので、限界のアタックとはならなかった。
昼間しか通った事の無い道だったが、朝もやがきれいだった。

5時45分、ゴールに到着した。



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今回は強風が続く中で徹底して脚を残す事を心がけた。
1200kmはそう言う形で走ればいいのだろうか。脚の残し方が少しずつ見えてきたのは良い事なので、これからのシーズン後半や冬場も感覚を磨き続けて行く。

補給の改善は急務。
休み時間をケチらずに塩気のあるものを食べたり車上でおにぎり等を食べたりすればいいのかもしれないが、面倒なのでやっていない。そのスタンスがダメなのかもしれない。

何はともあれ、これで今年のチャレンジはすべて終了した。シーズン緩く自由に遊ぼうと思う。とはいえ、弱くなってしまわないように注意が必要だ。



*写真はオダックスジャパン北海道のスタッフの方が撮影して下さったものです。スタートとゴール、ピンネシリをはじめPCでのサポート等、長い時間に渡り本当にありがとうございました。