2014 BRM830北海道300km札幌新パノラマ 12時間13分完走 | 桜伐ル馬鹿梅伐ラヌ馬鹿

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北海道のサイクリング好きのブログ。

8月30日、北海道ではもう夏の終わりという感じの時期に新パノラマ300を走ってきた。
幾寅100に続きパンクやら何やら心配だったが、そういうトラブルはなく完走することが出来た。

今回のコースはこういう感じだ↓
300kmの間に名前の付いている峠を恐らく7回、メインとなる峠を5つ越えるもので、獲得標高は多分4000m台前半だ。
正直言うと走る前は、
・去年の大雪600で4700mくらい、今年の北海道1200往路で3700mくらいを24時間強で走れたから多分大丈夫だろう。
・去年は3800mを120kmで登る練習もしたし、恐くはない。
・天気も良さそうだし、景色でも眺めながらぼちぼち行こう。
と甘く見ていたのだが、終わってみるときついブルベだった。

自転車のセッティングは写真の通り。サドルが前下がりに見えるが、実際はほぼフラットだと思う。
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普段のブルベに加えて色々捨てたセッティングなのだが、登りで快適にというのをメインに軽量化してみた。輪行袋も持たないと言う人ならさらに軽くするのだろうが、バス停以外ない場所での走行不能も経験したことがあるので、持たないことは考えられない。
コックピット周りについては、キューシートも捨てることで普段の昼間のサイクリングに近い感じになった。
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受付、ブリーフィングを終えて走りだした。


【スタート~PC1】 42.5km
この区間は序盤に札幌市街地を抜ける。北海道のブルベとしては信号が多く、ゆっくり走った。途中からKさんと一緒に走り、奥沢までは特に波乱もなく淡々と。
あまり力が出ないかなと思いつつも、ペースを上げるような区間でもないし、無理なく行った。
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PC1の奥沢のセブンイレブンではプリン2個を補給。

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【PC1~通過チェック(ニセコ五色温泉)~PC2】 137.4km
ここからは前半のメイン区間。セブンを出た瞬間から毛無峠が始まり、下って樺立峠、倶知安からはHANAZONOヒルクライムのコースを登る。
毛無峠は15kmの間に655mのピークに達するのだが、途中2回登り返しがあるので、獲得標高は800m近いかもしれない。
ここは普段通りのペースで淡々と行った。パワーがあまり出ない感じがあったが、ここで気にしても仕方ない。

毛無峠の下りではバイク事故を2度見た。幸い命に別条はないようだった。
自転車とは関係ない話だが、何やってるのかと思う。
バイクで峠を走ると言うのは基本的には生活上の必要がない、遊びとしての行為。自転車も同じだが、そこで自分と他人の命を危険にさらして何をしようと言うのか…
事前に対応できないアクシデントだったのならまだしも、”攻めた”結果として事故っているのなら、考え方からして改めた方がいいと思う。

毛無峠の下りでは、外国人の方二人に颯爽と抜かれた。
ハイペースだな、と思って自分のペースで行ったのだが、この二人にはこれが適正ペースなのだと後で解る。

樺立峠ではその二人の背中を見ながら登った。登りも速い。
トンネル内でピークを迎える峠だが、倶知安までの下りは羊蹄山が見えていい眺めだ。
下りきって倶知安のセイコーマートでPC外休憩。コーラやアイスを補給してしばしまったりした。

ここからは倶知安市街地を抜けてHANAZONOのコースを登る。
レースでは壁のように感じた登りも自分のペースで登れば意外と大丈夫だった。
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レースでの測定開始地点からのタイムは46分5秒。レースで36分だったのでそれと比べればゆっくりだが、負担は全然違った。
この登りで脚が動き始めた感じがあった。
登り終えた五色温泉では通過チェック。スタッフの方に時間を記入してもらった。
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チェックの後は蘭越まで下り。本当にずっと下りで、登りの後のご褒美だなと感じた。
恐らくずっと40~50km台で行った。

PC2のセイコーマート蘭越店では先行する3人に会い、ここでもプリンを食べてまた来た道を登り返しに行った。

【PC2~通過チェック(岩内)】 169.6km
五色温泉までで脚が動き始めた感じがあったので、少し頑張り気味で新見峠に向けて登り返した。先行するMさんに途中追いつき、その先を走っているPさん、Aさんにもピークの5kmほど手前で追いついた。
新見峠からの下りは細かいコーナーもある自分にとってはテクニカルな道でゆっくり下っていたのだが、PさんとAさんは安定感抜群の快速ダウンヒルで、何とかついて行った。
天気に恵まれたこともあって岩内手前の眺望は最高だった。毛無峠から見る小樽の街並みよりも緑と青が鮮やかで美しい。

岩内ではプリン二つとコーラ、スポーツ羊羹を補給し、体力回復に努めた。
新見峠の登りで力を出したので、ここから神恵内までの区間では回復しておきたいところだった。

ここから先はPさんAさんのお二人と一緒に走らせて頂くことに。

【通過チェック(岩内)~PC3】 224.9km
この区間がこの日で一番辛かった。
当丸峠までのアクセスの約25kmをお二人と先頭交代しながら走ったのだが、向かい風なのにペースがかなり速い。自分も頑張って先頭を走ったりもしたのだが、新見峠から負荷をかけ続けてしまった脚がきつい感じになり、先頭でパワーをかけた瞬間に両足がつってしまった。心配されながらも何とかだましだまし(手で脚を押してみたり痛いところをもんでみたり)一緒に行ったものの、自分にとって初めての事態だった。
休憩して脚を休めた方がいいと思い、途中何度も離脱しようかと考えたが、肉体的な限界と言うよりも精神がブレーキをかけているだけかなとも思ったので、本当に走れなくなるまではお二人と一緒に行こうと決めた。

後で思い返すと、脚がつった原因は塩分不足かもしれない。体重変化を見ると全行程で8~9kgほど汗をかいていたようなのだが、まともに塩分をとらなかった。
この日までに走ったブルベでは600kmも含めここまでの汗のかき方をしなかったし連続して負荷をかけることもしなかったので、脚がつると言うことに関してまともに考えてこなかったのだ。

登り始めた当丸峠は急こう配区間はあまり無いが、シェルターをいくつも抜けながら延々と続く感じだった。
ここはゆっくり目に登ったが、Aさんはまだまだ元気という感じ。Pさんに聞いてみると、Aさんは今年の某大会でのエリートを含む全参加者中最速タイムでの優勝者ということで、圧倒的だったらしい。それを聞いて色々と納得した。”今はレースはやっていないけど”とのことだったが(元全道選抜)、今でも相当な強さだと思う。

途中で橋が見えたりで朝里峠の小樽側に似た感じもあったが、当丸の方が勾配が緩くてスケールが大きい感じだった。
元気な状態で来たら楽しい峠だろう。車もほとんど通らない。
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当丸峠のピークはトンネルの中で、登りきって下りが始まった時は最高の気分だった。
あれほど下りが気持ちいいと感じたことは無い。
登りで無理しなかったおかげで古平への下りでは脚が大分回復していた。
PC3まではまたいいペースで下った。

【PC3~ゴール】 302.4km
PC3のセイコーマートふるびら店ではプリン、ガラナ、Aさんに頂いたバナナ1本を補給。
当丸峠へのアクセスで少し気持ち悪くなりかけたが、ここでは普通に食べられるくらいには体調も回復していた。
ここからはゴールまで約75km。出発したのが16:10なのでペースを守れれば19時前にゴールできるかなという状況だった。

ここから余市までの区間ではAさんの引きが凄かった。恐らく40km台でぐいぐい行って、神恵内あたりに続き、強力なパワーに驚かされた。
余市手前の登りの辺りからはそれぞれ脚がつったりで大変な状況だったが、登りは抑え目に走り続けた。自分も先頭を引きたかったが、ローテーションの経験が少なくて色々と下手なので、ほぼ引いてもらいっぱなしだった。お二人と一緒でなければ気持ちも途中で切れていたと思うし、もっと時間がかかっていただろう。

蘭島~塩谷のトンネル区間や東小樽の平磯トンネルは自転車で通るのが怖くて仕方無かったのだが、通ってみると意外と大丈夫だった。
余市辺りからは脚は大分回復していたが、体力的にややきつくなってきた。
新川沿いで暗くなり、それ以降は信号に何度も停められて19時までにゴールすることはできなかった。
ゴールではスタッフのAさんにチェックして頂き、パノラマ300完走となった。
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今回に限らず、スタッフの皆さんの長期に渡る準備や運営には感謝です。
今回もいい思い出が出来ました。


新パノラマ300を走って解ったのは、強度を維持する時には脚つりの対策が必要だと言うことと、やはりフィジカルの強さは大切だと言うことだ。
特に後者については凄い人と走ることが出来たので、今後の励みにもなる。体から鍛えると言うのをどの程度やるか、出来るかというのは個人のスタンスや状況によって全く違うとは思うが、フィジカルが強ければ強いほど、同じことをやるのなら楽になる。行動範囲も広がる。自分はそのための準備として鍛えるのはやって行きたい。