堂島コメ平均は米の価格の指数の先物取引です。わかりやすく言うと、将来の米の価格の予想です。価格が予想通りに上がったり、下がったりすればもうかり、予想がはずれれば損をします。

 

予想する価格は、JAなど米の集荷業者が卸売業者に売り渡す価格を指数化したものです。

 

2カ月ごとに決済期限があり、決済期限の1年前から取引できます。

 

2026年(令和8年)産米の価格が対象になるのは、今年の10月末日を決済期限とする2026年10月限(じゅうがつぎり)からです。昨年11月4日から取引が始まりました。

 

普通の売買では、売るためには買わなかればなりません。買うのが先で売るのは後です。1万円で仕入れた商品を2万円で売れば1万円の利益を得ることができます。先物取引では、先に売っておいて、後で買うことができます。値段が高いうちに売っておいて、安くなってから買うのです。2万円で売っておいた商品を1万円に値下がりしたときに買い戻せば差し引き1万円の利益が得られます。

 

昨年秋の時点で今年の米の価格は下がるとわかっていました。昨年11月4日に26年10月限の取引が始まったら売るつもりでした。ところが、ころっと忘れていました。気づいたときにはどんどん下がっている最中でした。いつ上昇に転じるかわからないので、怖くて売ることができませんでした。

 

実際の値動きがどうだったかというと、取引が始まった昨年11月4日の終値は3万5000円(60kg当たり)。ぼくが出荷するJA京都にのくに(京都丹の国農協)の買取価格は当時、30kg1万5000円でした。60kg当たりでは3万円です。買取価格の3万円に16.7%を加えると堂島コメ平均の3万5000円になります。

 

26年10月限の7月7日の終値は2万2000円です。米60kgの集荷業者から卸売業者への売渡価格が今年10月末日に2万2000円になるだろうと予想されています。

 

ここから農協の買取価格を計算します。2万2000円から16.7%を引きます(2万2000円を1.167で割ります)。1万8852円です。30kg当たりでは9426円です。昨年の1万5000円から9426円に下がるだろうというのが、現時点での堂島コメ平均の予想です。今年の米の価格は昨年の3分の2以下になりそうです。

<2026年10月限の値動き。昨年11月4日に3万5000円だったのが、7月7日に2万2000円になった>

 

<2025年10月限の値動き。一昨年11月1日に2万2000円だったのが、1年後の昨年10月31日に4万570円に値上がりした>

 

先物取引では取引単位を枚で数えます。証文をやりとりするという考え方です。堂島コメ平均では証文1枚で50俵(1俵は60kg)を取引します。1俵の値段で50俵を取引して、値動きによって生じた差額を決済します。

 

昨年11月4日に3万5000円で1枚売って、7月7日に2万2000円で買い戻した場合、差額は1万3000円。その50倍の取引をしているので、65万円の利益になります。元手として支払うのは3万5000円で、決済で手にする金額は65万円です。7万円で2枚売っていたら130万円の利益です。35万円で10枚売っていたら650万円の利益です。

 

値動きが逆になった場合は、それだけの金額を支払わなければなりません。米の価格が昨年11月4日の3万5000円からさらに値上がりする可能性はほぼゼロだったので、損をする確率が極めて低い取引でした。

 

今の予想では、ぼくが出荷する米の価格は昨年の3分の2以下になりそうです。ぼくの売上は収量を10a(1反)当たり300kg(2石)として単純計算すると2ha(2町歩)で6000kg(40石)、ちょうど100俵になります。1俵当たりの買取価格は昨年が3万円で今年の予想が1万8852円。昨年の価格だと300万円になる売上が、今年は188万5200万円になって111万4800円の減収になります。

 

堂島コメ平均を7万円で2枚売っていたら130万円の利益で減収分111万4800円を補うことができました。

 

取らぬ狸の皮算用とはこのことです。

 

<堂島コメ平均各限月7月7日の終値>