高市首相が昨年秋の所信表明演説(令和7年10月24日閣議決定)で強調した「世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す」ができていないのではないかと批判を浴びています。

 

トランプ大統領にこびを売ったり、武器輸出のセールスにいそしんだりするだけで、世界の平和のための努力を何もしていないじゃないかという批判です。

 

全くその通りだと思います。

 

日本の安保法制(特に事態対処法)を理解しないままに中国の台湾侵攻は存立危機事態だと言って日中関係を悪化させました。米国とイスラエルの理不尽なイランへの侵略戦争を止めるどころか、一方的に先制攻撃された側のイランを非難しています。高市首相には平和のためにすべき努力が何なのかが全く見えていないように思えます。

 

そもそも、日本が「世界の真ん中で咲き誇る」ことを目指すこと自体が間違っているというのがぼくの考えです。

 

高市首相が強調する「世界の真ん中で咲き誇る」という言葉(安倍元首相の受け売り)は、漢字2文字で表すことができます。

 

「中華」です。

 

中=世界の真ん中

華=咲き誇る

 

古代中国の漢民族が、自らを世界の中心に位置する文化国家であると自称した言葉です。

 

日本が統一国家として成立する7世紀、日本が世界の中心であるという意識が芽生えました。今日の歴史研究では、中国の中華思想に対して、小中華思想と呼ばれています。

 

以来、日本は歴史上、三度にわたり、対外進出の侵略戦争を起こし、三度とも国家体制の転換に至る大敗を喫しています。

 

朝鮮半島の百済復興という名目で斉明天皇と中大兄皇子(後の天智天皇)の政権が朝鮮半島に出兵し、白村江の戦いで中国(唐)と新羅の連合軍に大敗を喫しました。

 

その後、天智天皇の近江朝廷は壬申の乱で滅ぼされ、天武天皇の政権に代わります。

 

二度目は豊臣秀吉の朝鮮侵略です。中国(明)の征服を目論んでいたようですが、惨敗しました。その後、豊臣氏は滅亡し、徳川政権に代わりました。

 

三度目は満州(中国東北部)への侵略戦争から始まったアジア太平洋戦争です。大日本帝国から平和憲法の日本に生まれ変わりました。

 

中国に対抗意識を燃やして、日本が世界の中心になろうとしてもろくなことがないのです。

 

中国は中国、日本は日本で、お互いよいところは認め合い、足りないところは補い、悪いところは直して、戦略的互恵関係(高市首相と習近平主席とも言及)を築けばいいのです。

 

日本が世界の中心で咲き誇るためにはよその国を押しのけなければなりません。極めて危険な発想です。

 

第219回国会における高市内閣総理大臣所信表明演説

https://www.kantei.go.jp/jp/104/statement/2025/1024shoshinhyomei.html