今シーズン最初で最後となった白馬八方尾根スキー場は、練習2日目の23日(月)も晴天でした。ただし、日曜だった前日とは打って変わってゲレンデの人影はまばらです。前日からエア台を作りかけていた兎平新コースも人がいないときの方が多いくらい空いていました。

 

 3日目の24日(火)は雨。朝のうちこそ前夜からの雨が小休止して曇り空でしたが、午後になると雨足が強まって、ゲレンデにはほとんど人がいなくなりました。

 

 そんな空いたゲレンデで2日間とも午前9時から午後4時10分のリフト最終まで、昼食休憩も20分間だけにして、ひたすら滑り続けました。

 

 3日目は気温が下がって、前日までの暑さで緩んでいたバーンが締まり、スキーがそこそこ走るようになりました。しっかり体重をかけて押さえつけないと弾かれるのでハードな練習となりましたが、ブーツの中の足が痛くなることも、膝が痛くなることも、腰が痛くなることもなく、気持ちよい疲れだけを感じて滑りきることができました。

 

 これは普段から、栗田興治さん(PCP)に指導を受けた蒲田和芳・広島国際大学教授のリアライン・トレーニングを実践していることと、今シーズン、膝は動かさずに、もっぱら股関節を動かすように滑りを変えたことによると思います。シーズン初日にお尻が筋肉痛になったのと、ハチ北の公認大会の打撲を除くと、どれだけハードな練習をしても、どこかが痛くなるということはありませんでした。

 

 休みなしに滑り続けたのですが、1回だけ中断を余儀なくされました。3日目、次第に雨足が強まる中、急斜面に作ったエア台でジャンプして着地した直後から、片方のスキーのコントロールが効かなくなり、予期しない方向に回ったりします。

 

 さては着地の衝撃でスキーが折れたのかと思って、ビンディングのあたりを見てみましたが、何も変化はありません。スキーを履き直してまた滑ると、突然引っかかって転倒してしまいました。

 

 もう一度よく見ると、スキーのトップのソールがはがれて、パックマンのように口を開けています。ウォータージャンプでは着水時にスキーを蠅叩きのように水面を叩きつけてトップが割れることがしばしばありますが、雪上練習でスキーがこんなふうに壊れるのは初めて経験しました。

 

 替えのスキーは持って上がっていません。駐車場の車の中には替えのスキーがありますが、ブーツごと履き替えなければなりません。時計を見ると午後1時。雨足が強まって、スキーウェアのしわに水がたまっています。これを機に練習を切り上げるべきか。ゴンドラで下りて、直近の駐車場に止めた車の中にあるブーツに履き替えて、替えのスキーを持って、またゴンドラで上がれば午後2時には練習を再開できるでしょう。午後3時にエア台の撤去作業を始めるとしても、1時間は練習できます。

 

 意を決して下山し、急いで履き替えて上がったら午後1時35分でした。ロスタイム35分。リフトで循環しながらこぶを滑ってエアも飛ぶという練習を2時間近く続けることができました。

 

 もう1本、もう1本と滑っているうち、エア台の撤去作業の開始が遅れて午後3時半ごろ。午後4時10分のリフト最終までには終えなければなりません。

 

 ところが、前日から水分をたっぷり含んだ雪で作り始めたエア台は、硫安が染み込み、気温が下がってかちかちに凍っています。持参したアルミの雪かきスコップでは歯が立たず、薄くはつっていくのがやっとです。それでも角の部分を突き立てたりして、大方、崩しましたが、土台に近いところが厚い氷になっていて割れてくれません。

 

 そこに「しっかり飛んで練習できましたか」とパトロール隊員さん登場。万事休す。タイムアウトかと思いきや、時間は午後4時。ゲレンデクローズの10分前です。「もう壊さなくていいですよ。すぐに溶けてへたりますから。ポールでバッテンだけしておいてください」。地獄に仏とはこのことです。「それより、ラスト1本滑ってくださいね」。よっしゃあ。滑り通しの疲れも忘れ、全速力で締めの1本を滑って、けがもなく、今シーズンのスキー練習を終えました。

 

 「TAIZOさん、来シーズンは八方にも来てくださいね」

 

 来ますとも。雨でスキーグローブも、靴下も、下着も、財布も、スマートフォンも、何かもずぶ濡れになりましたが、心は温かい八方ラストデイでした。