白馬八方尾根スキー場での3日間の練習の最終日の1日(日)は、快晴だった前日と打って変わって、間断なく雪が降り続く悪天候でした。しかも、気温が高く、終日、濃霧が立ち込めていました。足元の雪面の状況がよくわからないほど視界が悪く、こぶの中でのスピードを出してのターン練習はできませんでした。こういう天候の日は、ハイクアップしてのエア練習にもってこいですが、残念ながらエア台さえもよく見えませんでした。

 とりあえず、朝のうちにエア台に降り積もった雪をのけて、形を整え直して、早めに昼食休憩をとり、霧の中でゆっくりと滑りました。幸いゲレンデには前日の混雑がうそのようにほとんど人がいなかったので、風が出て一瞬、霧が晴れたすきには、いつものようにエアと前後のターン練習をしました。

 今の練習の課題は、ターン、エアのポジションを前にすることと、股関節を動かすことです。いずれも夏場に大阪ウォータージャンプO-airのブラシでフリクションプログラムに従って練習したことです。

 おさらいですが、フリクションプログラムとは、子供向けの「パンダルマンスキースクール」で導入されているスキー指導法(特許)で、スキーが滑りにくいゴムマットやプラスチックブラシの上で、ポジションを前にした滑走姿勢を身に着け、段階的にフリクション(摩擦)を減らしていって、ポジションを前にして雪面を滑れるようにします。子供に限らず、上級基礎スキーヤーがポジションを矯正するためのトレーニングとしても取り入れているそうです。

 ぼくたちモーグルスキーヤーにとってもポジションを前にすることは必須です。しかし、いきなり急斜面の固いこぶを滑りながら「ポジションを前に」「股関節を動かせ」と言っても無理というものですね。摩擦抵抗の大きいゴムマットやブラシを使って、基本の姿勢や動作を身に着けた方が結局、近道です。夏場に緩斜面のブラシの上で練習したのと同じ動作を雪面でやっています。

 ポジションを前にして、股関節を動かすことを意識してターン練習をしていると、ワールドカップの映像を見ていても、「この選手はポジションが後ろだ」「斜度が変わったところでポジションが遅れた」「股関節の動きが悪い」「腰が回っている」などと、自分が意識している練習していることが気になります。

 視界が悪いときにはスピードを出しようがないので、基本の動きを確認しながらゆっくり丁寧に滑ることになり、かえって好都合な面もあります。