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ハウルの動く城


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ハウルの動く城



 2時間、飽きることなく目を大きく開いて観ました、劇場の、前から3列目の席(大画面で視点がアチコチに飛ぶ)で……。男女愛がテーマなので、ほんものの家族愛などは希薄。友情愛は濃厚。
 冒頭でソフィがおばあちゃんになってしまい、それでも彼女が「年寄りの身体」という現実を受け入れている姿を見た時と、元のよぼよぼ婆さんに戻ってしまった荒地の魔女の世話を彼女がしている姿を見たら、涙がこぼれた。彼女は、孤独に慣れた、とても強くて優しい女性。


 ハウルに恋した。

 最初はハウル役の木村拓哉の声の演技が棒読み気味で、違和感をおぼえた。突然現れてソフィを守ってくれた時には、その颯爽とした姿に、本当にわたしの頬が赤くなっているんじゃないかと思うくらい見とれてしまったけれど、頭の中の半分は『これからこの映画を観ている間中ずっと、ハウルが棒読み演技だったらどうしよう』という不安……。
 でもその不安は、ハウルがヘアカラー(魔法)に失敗して子供のようにかんしゃくを起こしたシーンで吹き飛んだ。かわいいったらありゃしない。木村拓哉ハウル、演技が弾けてきた!高めの声で弾けているから、普段の木村拓哉っぽくなくて意外。(宝塚歌劇団のコントみたいな感じ?)
 その後は、どのシーンも彼ばかり見、彼の仕草がすてきな時はうっとり、かわいい時はニンマリ、しっ放し。

 自分の髪の色(自分が美しくないこと)にひどく絶望して、闇のパワーを呼び起こしてしまっている時の“魂が抜けたように台にもたれかかる美しいハダカの青年”の彼。かんしゃくを起こしたあとソフィに世話され、ベッドで眠る彼、起きる彼。お城に呼ばれた時、ハウルの代わりに出向くことになるソフィを見送る時に、シーツ1枚だけしかまとってなかった彼。お城に監禁されそう?になったソフィを助けに来てくれた時の彼。……この後は鳥の姿のシーンが多く、あまり印象に残っていない。

 この役は、藤木直人でもいい気がした。でも、「負けず嫌いで子供っぽいけど、かっこよくて自信たっぷりで包容感がある」ハウルにそっくりなのは木村拓哉。彼もきっと、ハウルのことがとても好きだろう。

 最後に、説明が少なくて謎な部分も多いけど、特に物足りなかったのは、ハウルがソフィに恋する過程の描写がなかったこと。わたしの中では、火の悪魔を受け入れた時にソフィの声を聞いて宿命を感じ、現れるのを待ちに待ち焦がれていたことが、愛だったのか?。ソフィの寝顔を見つめていた時の表情が、そんな感じでした。木村拓哉が演じていたテレビドラマ「眠れる森」の直季っぽい?