真夏の暗転 | Stadiums and Arenas

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スポーツ観戦が趣味の筆者が、これまで訪れたスタジアム・アリーナの印象を綴るブログです。


7月19日までのスケジュールを、12勝12敗1引分けの4位で終えた埼玉西武ライオンズ。2日後には、1ゲーム差で3位につける千葉ロッテマリーンズとのシリーズに挑みました。今季、お客さんを入れてのホームゲームはこれが最初だったのですが、このシリーズは4勝2敗で勝ち越し、マリーンズを抜いて3位に浮上することができました。

しかしながら、次に挑んだ首位の福岡ソフトバンクホークスとのシリーズから、チームの状況が一気に暗転。カード頭の2試合を落とした後、3試合目に與座海人投手が上手く投げてとったものの、その流れを継続したい4試合目ではザック・ニール投手が負け投手になり、彼が先発した試合は20試合負けなしだったという記録がとうとう途絶えました。8月2日の試合が、ホークスにコロナウイルス陽性となった選手が出たことで中止となり、5試合で1勝4敗という結果になってしまいました。全体的に現在のチームの最大の課題である先発投手陣がピリッとせず、常に相手に先行される展開で苦しくなってしまいました。

続く敵地での北海道日本ハムファイターズとのカードも、1勝5敗と大きく負け越す結果になってしまいました。最初の2試合で1勝1敗とした後、接戦を2試合連続で落として先発投手を援護できず、痛恨だったのは6回までに6-2とリードしながら勝ちパターンの投手が5失点して落とした8月8日の試合でした。ここまで、そこそこ計算の立ったリリーフ陣が大崩れしての負けで、今後の流れに大きく影響することに。次の東北楽天ゴールデンイーグルスとのシリーズも、最初の3試合を落として辻初彦さんが監督になってから最悪の7連敗を喫することに。

かみ合わないときはとことんかみ合わないんだな、ということを見せつけられた1ヶ月間でしたね。開幕後の1ヶ月で1番打者としてフィットしているように見えた鈴木将平選手が8月に入ってからホークスとのシリーズ以降は調子を落としました。また、今年は森友哉選手が長年の課題であったキャッチャーとしての能力改善に取り組んでいるようで、おかげでその方面は改善されていますが、その分バッティングの方が影響を受けています。1番と3番打者の位置で打線がつながらないという悪循環に陥り、特にファイターズとのカードではそこが如実に出てしまいましたね。こうなると先発投手の選手層が薄いライオンズが勝つのは難しく、相手に先行され逆転できないまま試合を落とすことが多かったです。

リリーフ陣も、去年・一昨年よりも計算が立っていますが、8月はリリーフが失った試合もあり、やはり過信は禁物でした。平良投手や抑えの増田達至投手はいいのですが、その二人に至るまでのところで流れを悪くしてしまう試合は多かったですね。平井克典投手、宮川哲投手、リード・ギャレット投手らを使いまわすことができる選手層の厚さがあるのですが、彼らはフォアボールから流れを悪くしてしまうことも多い。

ようやく勝てたのは8月14日。ライオンズとイーグルスの先発がともに大乱調で、打ち合いとなった試合でようやく打線が爆発し、13-8の大荒れの試合を制しました。次の試合は、3点をリードして終盤に入っていったものの、8回と9回でリリーフ陣が打たれて追いつかれ、最後の回は平良海馬投手が抑えてくれましたが3-3の引き分けに。まだ流れはよくないのかなという感じでしたが、次の試合は3回までに6点をとって相手の先発をノックアウトすると、先発の本田圭佑投手も5回1失点で、終わってみれば11-1の大勝。本田投手は今季打線の援護に恵まれない試合が続いていましたが、6試合目にしてようやく1勝(4敗)。7月30日以来初の次に対戦する敵地でのオリックスバファローズ戦に向けて、いい流れを作ることができました。

そしてシリーズは、カード頭の8月18日の試合を見に行きました。1点先制されながらも先発の高橋光成投手が追加点を許さず、逆に中盤に相手のミスに付け込んで同点。相手のエース山本由伸投手相手に、ランナーを出しながらも返せない歯がゆい展開が続きながらも、彼が退いた8回にリリーフを打ち崩して逆転。その後、投入されたギャレット、増田投手も失点ゼロで抑え、ここのところ粘投を見せながらも打線の援護に恵まれなかった高橋投手に久しぶりの勝ち星をつけてあげることができました。





この勝利を皮切りに、このカードは木曜日まで連勝を伸ばすことに成功し、その影響でバファローズの監督が事実上の解任を受けるという形になりましたが、これがカンフル効果となって次の3試合で痛恨の3連敗。最終的には、カードを3勝3敗で終えることになりました。7連敗で作ったマイナスを取り返すためにも、何とか勝ち越したかったんですが……。プレーオフ進出争いから、大きく引き離されてしまいましたね。

ただ、このタイミングで、カード6連戦の変則スケジュールが終了して、明日から例年通りのカード3連戦に戻ることになります。これまではコロナウイルス感染防止の観点から、パ・リーグは遠征の移動回数を減らすための変則スケジュールを敷いていたのですが、各球団の監督が異口同音に「6連戦はやりづらい」と言っていました。これが終わって、流れが変わってくれるといいのですが。

8月のMVPに推したいのは、チームが低迷する中コンスタントにヒットを重ね続けた栗山巧選手と、エルネスト・メヒア選手です。特に後者は、山川穂高選手がケガで離脱していた時期に代役を務め、少ない出場試合数で6本ものホームランを打ち、7連敗を止めてその後しばらく連勝を重ねたときの中心選手となりました。山川選手よりも守備が機敏で、長打力も抜群。出番に恵まれなくてもベンチで明るく声を出しながら非常にポジティブに戦ってくれるメヒア選手は、実は私の個人的なお気に入り選手です。山川選手が素晴らしいホームランバッターであることは疑いようがないですが、せっかくメヒア選手がいるのに調子が悪い時にも山川選手にこだわる必要はないんじゃないでしょうか……。メヒア選手のような選手が出番に恵まれれば、チームにもいい雰囲気が流れるのではないかとも思いますし。

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