苦しい中でも、何とか崩れず | Stadiums and Arenas

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交流戦の結果3位に浮上し、パ・リーグ再開を迎えた埼玉西武ライオンズ

7月11日のオールスター休みまで、カギとなると思われたのは7月の北海道日本ハムファイターズと、千葉ロッテマリーンズとのカードでした。両チームとも、まだ3位を十分射程圏内に捉えている状態だったので、3位の座をキープするためには彼らに勝つ必要があったからです。パ・リーグ再開後最初のカード、ホームでのオリックス・バファローズとの3連戦を勝ち越した後、ファイターズとのゲーム差2.5で、3位・4位攻防戦を迎えました。

最悪3タテされなければいい、という状況だったのですが、カードを迎えた時点で6連敗を喫していたファイターズに対し、カード頭2試合を落としてしまいました。3試合目を取ったことで何とか最悪の事態を逃れることはできましたが、続くマリーンズとのカードも1勝2敗で負け越し。カードが始まった時点で2位だった東北楽天ゴールデンイーグルスが調子を落としており、連敗してくれたため何とか3位以内をキープすることができましたが、その次の福岡ソフトバンクホークスとのカードでは結果が求められました。ホークスは現在ライオンズとゲーム差6で首位。優勝に望みを残すなら、出来れば3連勝、少なくとも勝ち越さなければ始まりません。また、2位から4位までが混とんとしている中でプレーオフ争いに残るためには、ぜひとも勝ち越したいところでした。

ですが、カード頭の2連戦で連敗。いずれも1点差でしたが、辻初彦監督が「この1点差が大きな差」と述べたように、得点差以上にチームの総合力の差を感じさせられました。しかも、この連敗で、僅差ながら4位に転落するという結果にも陥ってしまいました。結果的に、パ・リーグ再開後は4カード中3カードで負け越しました。

とはいえ、ホークスとの3連戦の最後の試合では、先制されながらも逆転して見事に勝利。このカードでは、6月以降調子が落ち込み、特にパ・リーグ再開後は絶不調だった山川穂高選手が2本のホームランを放っていますし、オールスター休み前の最後のカードを勝ち、貯金1で終われました。この日、楽天が負けてくれたので、彼らに入れ替わる形で3位に再浮上することができましたしね。

先発投手陣は、高橋光成投手がパ・リーグ再開後先発した2試合でいずれもクオリティースタートできず。今井達也選手は、試合は作れたものの打線の援護に恵まれず結果的には2戦2敗でした。そんな中で、本田圭佑投手とザック・ニール投手がパ・リーグ再開後それぞれ2戦2勝してくれました。ニール投手は交流戦最終カードでも勝っているので、目下3連勝です。チームの調子が落ち込んでいた時期だったので、彼らの勝ち星がなければ、もっと崩れてしまったかもしれません。

パ・リーグ再開後の野手のMVPは、交流戦に引き続き好調の外崎選手と中村剛也選手ではないでしょうか。山川選手と森友哉選手が調子を落としているので、その中でも打線が何とかつながれているのは外崎・中村両選手のおかげではないかと思います。

前半戦を総括して、やはり去年までの主力だった浅村栄斗選手の移籍のインパクトは大きく、打線に去年ほどの迫力はないかなとは思います。それでいて、投手力が大きく上積みされたわけではないので、全体的に去年よりはスケールダウンしてしまった印象です。現段階では首位のホークスが2位と7.5ゲーム差なので、優勝を狙うのは少し厳しくなったかなあと言う印象です。

それでもプレーオフ争いに残れているのは、スケールダウンしていてもやはり攻撃力は12球団の中でもトップクラスの水準を保てていること。開幕直後は不調でしたが、その後凄まじい勢いでヒットを荒稼ぎしている秋山翔吾選手は、前半戦の野手MVPと言っても差し支えありません。そして、エースの多和田真三郎投手が離脱しながらも、先発投手陣が正に総力戦体制で何とか仕事をしてくれているからこそでしょう。パ・リーグ再開後は結果がついてきませんでしたが、高橋投手は7勝、今井投手は5勝と、彼らにできる限りのことはしてくれています。また、中継ぎのエース平井克典投手が正に獅子奮迅の仕事で、多くのイニングを任されながらも必死に守ってくれています。彼が、前半戦の投手MVPでしょう。高橋投手や平井投手、そして抑えの増田達至投手は、オールスターにも選ばれています。短い間ではありますが、球界屈指の選手達との交流を通じて、もう一皮むけるきっかけをつかめればいいなと思います。

オールスター後のチームの浮沈を握るのは、やはり多和田真三郎投手でしょう。彼が復帰して後半戦の先発投手陣をけん引してくれないと、やはりシーズンの佳境でライバル達に先んじることは難しくなります。そして、野手陣も山川選手や森選手の打棒の復活が待たれるところ。シーズンはこれからが勝負ですね。

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