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スポーツ観戦が趣味の筆者が、これまで訪れたスタジアム・アリーナの印象を綴るブログです。


高校野球
日本でプロ野球ができたのは1930年代ですが、それ以前には学校を中心に競技レベルでの野球は発展していきました。早い頃では19世紀頃から行われていたこともあって、その伝統はプロ野球よりも長く、また異なる雰囲気を醸し出していると言えるでしょう。選手達が未成熟であるからこそ信じられないようなミスが出たり、ふとしたきっかけに流れががらっと変わって大量得点差がひっくり返るなど、試合の先行きが全く読めない面白さに惹かれて学生野球の試合に足を運ぶ人も多いです。

学生野球の中で、もっともメディアを賑わせることが多いのは高校野球です。高校生のスポーツも色々ありますし、その雰囲気は学校次第で色々と変わりますが、やっぱりブラスバンド、チアリーディング、そして在校生の応援の一体感が一番感じられるのは、野球(特に夏の全国高校選手権)かな、と言う感じがします。伝統がありますので、年季の入ったファンも多いですし。スタンドで誰に対して話しかけるわけでもなく自身の野球理論をブツブツと呟き続けるおじさん達(笑)も含めて、伝統がありますので年季の入ったファンも多いです。

高校野球は、基本的には各校の近隣にあるチーム同士で地区予選を行い、勝ち抜けば県大会、それをさらに勝ち抜けば地域大会(関東地域、近畿地域など)に進むことができます。秋に行われる新人戦の各地域大会で上位に残れば、翌春に行われる春の全国高校野球選抜大会(春のセンバツ)に出場することがほぼ決定します。センバツが終わったすぐ後には春季地域大会も行われ、秋と同じレギュレーションで大会が組まれます(ただし、春季大会は地域大会までで、全国大会は行われない)。そしてその後、夏の全国高校野球選手権大会の予選が行われます。夏の大会は秋と春の大会とは違い、都道府県にあるすべての学校で一斉にトーナメントを組み、勝ち残った学校のみが全国大会に出場できます。

高校野球の場合は(関東の場合)都県大会レベルでは700円ほど出せば入場でき、入場後は空いている席にどこでも座れますが、一番見易いホームプレート裏からお客さんが入っていく傾向があります。県大会も終盤戦になると多くのお客さんが入りますので、そうなると外野席も解放されますが、料金は一緒です。また、1つの球場につき、1日で3、4試合行われますが、一回料金を払えば全試合見ても問題ありません。甲子園球場で行われる全国大会に限り、ホームプレート裏が2000円、一三塁側が1500円、アルプススタンド応援席で600円と別々の料金設定がされています。外野席は無料です。

県大会の試合を見に行く場合、ネックとなるのは入場料よりも会場へのアクセスですね。学生野球の試合は各自治体が所有する地方球場で行われますが、これらはプロ野球の本拠地球場よりも交通の便が悪い場所が多く、最寄駅からバスに20分近く乗る必要があったりします。お目当ての学校が出ている試合を見に行くときにはどうやって会場に向かうかをご確認ください。

あと、高校野球が本番を迎える春から夏の時期は、日差しや暑さが厳しい時期でもあります。地方球場のスタンドは簡易的で、屋根がないような球場はたくさんありますので熱中症や脱水症状、日焼け対策は万全の状態で観戦されますようご注意ください。

大学野球
日本で初めて野球が行われたのは、今日大学として知られる学校が明治初期に創設されたときだったそうです。つまり、日本で一番伝統のある野球の大会は大学野球であるということができるかと思います。「学生服の応援団」「応援旗」「エールの交換」と言うような、日本野球の伝統的な風習をもっとも忠実に継承しているのは大学野球であり、高校野球にはない独特の雰囲気を醸し出します。

大学の数が多い関東や関西圏には、いくつかの学生野球連盟があり、それぞれが別々のリーグ戦を行っています。関東圏の例を挙げると、最も伝統があり名前の知られている東京六大学野球の他に、東都大学野球、首都大学野球、東京新大学野球、関甲信大学野球、神奈川大学野球連盟、千葉大学野球連盟があります。それぞれの団体が春と秋にリーグ戦を行い、春に優勝したチームは夏に神宮球場東京ドームで行われる全国大学野球選手権大会に出場できます。秋にも明治神宮大会という全国大会が行われ、各リーグで上位に残ったチーム同士がトーナメントを行い出場権を争います。

料金設定は各団体で違いますが、関東の場合は東京六大学野球、東都野球連盟、首都大学野球は1000円前後の入場料が必要です。全国大会も1200円です。特に東京六大学野球のように人気の高いリーグ戦では、試合によっては球場がいっぱいになります(特に早慶/慶早戦など)が、ほとんどの場合は当日行っても入場できると思います。会場も、東京六大学野球と東都大学野球は都心にある神宮球場を使いますが、他の団体は高校野球で使用されているような地方球場です。交通の便が悪いところも多いので、来場される場合はしっかりと地図を確認しておきましょう。

社会人野球
学生野球を中心に発展してきた日本の競技レベルの野球ですが、学生時代に野球をやった人々が卒業して社会に出ていくと、就職先の会社でも余暇の時間に仲間と一緒に野球を楽しむような人々が出てくるようになりました。1920年代末になると、様々な企業の野球部同士が対抗戦を行うようになり、1927年にアマチュア野球チームによる全国都市対抗野球が行われるようになりました。1974年には社会人野球日本選手権も開催されるようになっています。

日本における野球の最高峰はプロ野球ですが、社会人野球はそれに次ぐレベルではないかと思います。学生時代に活躍しながらあと一歩のところでプロから声がかからなかった人達が集まり、プロになるラストチャンスをうかがいながらプレーしているわけですから。学生よりもキャリアの長い選手達ですので、それよりレベルが高いのも当然。会場に足を運べば、レベルの高い試合が堪能できます。

社会人野球の場合、地区大会では入場料は取りませんが、夏に東京ドームで行われる都市対抗野球と、晩秋に京セラドーム大阪で行われる社会人野球日本選手権は、ホームプレート裏が2400円、一三塁側が1500円、外野が900円と言う料金で、学生よりは少し割高です。1日同じ会場で3、4試合を行いますが、1度入場料を支払えば全部見ることができます。

全国大会では、各社が応援団を結成して社員を動員して応援します。ドーム球場でスピーカーを使いながらブラバンをかき鳴らすという、けたたましいながらも華やかな雰囲気が見られるのは社会人野球だけと言えるでしょう。

独立リーグ
日本において、学生以上の年代での競技レベルの野球は、企業を中心に動いてきました。これは他のスポーツでもずっと見られた特徴だったのですが、1990年代にJリーグが開幕し、特定の企業に依存せず、社会に密着しつつ様々なスポンサーを募って活動する、欧米に倣った地域密着型プロクラブというモデルが誕生するようになりました。これを受けて野球界でも、21世紀に入ってこのような形で活動する野球チームが出てくるようになり、リーグ戦も作られるようになりました。彼等はプロ野球連盟(NPB)にも、社会人野球を管轄する日本野球連盟(JABA)にも所属していないので、そういった意味から「独立リーグ」と言われます。また、日本女子プロ野球も独立リーグと分類されることが多いです。四国アイランドリーグplusや、関東、北信越、更には福島県や滋賀県のチームも参戦するベースボール・チャレンジリーグ(通称BCリーグ)が有名どころです。

選手達は一応試合で収入を得ていますが、それだけで生活できる額ではないので、セミプロと言っていい立場です。試合が行われる会場は地方球場で、チアリーダーなどを使って盛り上げようと頑張っているものの、やはり洗練されたプロのエンターテインメントとは程遠い状態です。ですが、「おらが村のチーム」を応援する野球ファンは少なからずいて、会場には独特の熱気が感じられるリーグでもあります。BCリーグの例から見ても解りますように、チームは少しずつ増えてますし、独立リーグも少しずつ野球界の中で存在感を増しているのではないでしょうか。レベルも少しずつ上がってきている印象ですので、ご興味のある方はぜひ一度足を運んでみて下さい。入場料は大体1試合で1000円から1500円くらいです。

日本球界には、高校を卒業したあと、大学に行くと卒業するまで4年間、社会人野球に行くと3年間プロ野球に行けないという規定があるのですが、独立リーグの選手はそのような規定がないので、高校卒業後チャンスがあったらすぐにプロに行きたいという選手からすれば魅力的な環境かもしれません。シーズンは春から晩夏の時期で、大学野球や社会人野球よりも多くの試合数をこなすので、タフさが磨かれる環境でもあると思います。

個々のスタジアムに関しての細かい情報は、私が行ったことがあるところであればブログに挙げておりますので、よろしければそちらをご覧ください。

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日本独立リーグ野球機構公式ホームページ
全日本大学野球連盟公式ホームページ
日本高等学校野球連盟公式ホームページ
社会人野球に関しては、日本野球連盟(JABA)公式ホームページを参照