University of Oregon Ducks(オレゴン大学ダックス) | Stadiums and Arenas

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マシュー・ナイト・アリーナ

オレゴン大学ダックス(University of Oregon Ducks)は、オレゴン州ユージーン市にある同大学の体育会の総称である。

オレゴン大学は1876年に創設された公立大学で、オレゴン州において最も権威のある大学の1つである。創設された1年後には野球部が創設されるなど、アメリカの他の大学と同様にスポーツクラブ活動でも熱心。当初は英語で「水かき」を意味するウェブフッツ(Webfoots)というチーム名で活動しており、これはアメリカ独立戦争の時にこの名前で活動した漁民民兵隊にちなんでいる。だが、その「水かき」という名前から徐々にアヒルが非公式マスコットとして使われるようになり、その流れを受けて1978年に正式に名前がダックスに変更された。

全米大学体育協会(National Collegiate Athletic Association/NCAA)では、1915年に創設されたパシフィック・コースト・カンファレンス(Pacific Coast Conference/PCC)の創設メンバー。PCCはその後名将が何度か変更され、2024年現在でパシフィック・トゥエルブ(Pacific 12)と呼ばれるが、1世紀以上にわたってカンファレンスに所属していた。1950年代から80年代にかけて、成績が伸び悩んでいた時期もあったが、21世紀に差し掛かった頃から体育会の支援に力を入れ始め、多方面で成績が向上し始めている。オレゴン大学は2024年からビッグテン・カンファレンス(Big Ten Conference)で活動することが決まった。

体育会の中で一番歴史が長いのは野球部で、1877年に創設された。現在ソフトボール部の本拠地として使用されるジェーン・サンダース・スタジアム(Jane Sanders Stadium)の周辺にあったハウ・フィールド(Howe Field)で活動。1981年に一度大学からの支援が外されたが、2008年に再度支援を受給できるようになり、5000人収容のPKパーク(PK Park)を新しいホームスタジアムとして活動している。活動が休止していた時期もあるので、他の部活と比べて実績は乏しいが、戦前の名手として殿堂入りも果たしているジョー・ゴードン(Joe Gordon)を輩出し、1954年に全米優勝決定戦出場を果たした。カンファレンス優勝15回(うち14回は1957年以前)、全米大会出場10回の実績を有する。

オレゴン大学の体育会で次に歴史が長いのは、アメリカ大学スポーツの花形の1つであるアメフト部で、1893年に創部された。以後、1957年までカンファレンス優勝5回を経験し、大学スポーツ界で最も権威のある大会の1つであるローズ・ボウルにも3回出場、1917年に優勝している。また、ノーム・ヴァン・ブロックリン(Norm Van Brocklin)、アルフォンス・リーマンス(Alphonse Leemans)、ダン・フーツ(Dan Fouts)、メル・レンフロー(Mel Renfro)、デイブ・ウィルコックス(Dave Wilcox)、ギャリー・ジマーマン(Gary Zimmerman)の6人がプロフットボール殿堂入りし、プロ入り選手を多く輩出してきた。

その後、しばらくカンファレンス優勝から遠ざかる長い冬の時代を経験したが、1994年に久しぶりのカンファレンス優勝を果たし、1995年のローズ・ボウルに出場。以後、カンファレンスでは9回優勝を経験している。1994年以降だと、全米大学アメフトの年間最優秀選手賞に相当するハイスマン賞の最終選考にジョーイ・ハリントン(Joey Harrington)、ラマイケル・ジェームズ(LaMichael James)、マーカス・マリオッタ(Marcus Mariota)の3人が選出され、マリオッタは受賞者になるなど、やはり21世紀に差し掛かった頃からの成績が目覚ましい。1999年に、全米優勝決定戦に相当するボウル・チャンピオンシップ・シリーズ(Bowl Championship Series/BCS)が始まってから、2011年と2020年に優勝決定戦に出場しているが、いずれも敗れており、こちらの獲得が悲願となっている。

活動拠点は、創部以来いくつかの運動場を使用した後、1966年に開場したオーツェン・スタジアム(Autzen Stadium)が本拠地として使用されている。現在は54000人が収容可能(立ち見も加えると60000人)である。

アメリカの大学スポーツのもう1つの花形である男子バスケットボール部は、1902年に創部。戦前の時点では、1939年に全米優勝を果たし、1945年も全米ベスト8に進出。1961年に全国大会出場を果たしてから、1994年まで遠ざかるなど長い冬の時代も経験しているが、カンファレンス優勝8回、全米大会出場17回、全米ベスト8入り7回を果たし、2017年には全米ベスト4にまで勝ち上がっている。やはり、21世紀に入ってからの成績向上が著しく、NBAに27人の選手を輩出している。

ホームアリーナは、1927年に作られて現在も使用されているマッカーサー・コート(McArthur Court)を当初は使用していたが、2011年に12364人収容可能なマシュー・ナイト・アリーナ(Matthew Knight Arena)が作られた。

マシュー・ナイト・アリーナは、女子バスケットボール部とバレーボール部(女子のみ)の活動拠点としても使用される。女子バスケットボール部は、カンファレンス優勝4回、全国大会出場17回、全国ベスト8進出3回の実績があり、最高成績は2019年のベスト4である。バレーボール部も、2012年に全国準優勝の実績がある。

マシュー・ナイト・アリーナは、オレゴン大学の屋内運動部の本拠地として作られたものだが、ユージーン市がオレゴン州の他の町から離れており、また市内に他にアリーナがないということもあり、コンサートなどのイベントが行われるときにも使用される。建設費用の2.26億ドルは30年ローンでねん出され、オレゴン州がそれを担保するという形で地元コミュニティーの支援を受けており、その活動は単に学内だけでなく地域のコミュニティーと密接にかかわっている。

花形スポーツ以外では、オレゴン大学は陸上競技部が全国屈指の実力である。ユージーン市も陸上競技のインフラ整備に熱心なため、現在では全米陸上競技協会と提携して選手強化に携わるなど、オレゴン州をアメリカの陸上競技界の中心地に発展させた。オレゴン州発祥のナイキからも援助を受けており、ナイキ・オレゴン・プロジェクトという国際的プログラムでも有名である。

1500人収容のジェーン・サンダース・スタジアムで活動するソフトボール部(女子のみ)も、全米優勝決定戦出場6回の実績を誇る。

オレゴン大学は、同じ州にキャンパスを置くオレゴン州立大学ビーバース(Oregon State University Beavers)との激しいライバル関係で知られ、両校の対戦はシビル・ウォー(Civil War)と銘打たれ地元で多くの関心を集める。その他、隣州ワシントン州のワシントン大学ハスキース(University of Washington Huskies)とのライバル関係も有名である。

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