ほっともっとフィールド神戸 | Stadiums and Arenas

Stadiums and Arenas

スポーツ観戦が趣味の筆者が、これまで訪れたスタジアム・アリーナの印象を綴るブログです。

メインページ

ほっともっとフィールド神戸/神戸総合運動公園野球場
開場1988年
集客可能人数35000人
名称の変遷グリーンスタジアム神戸/神戸総合運動公園野球場(1988-2003年)
Yahoo!BBスタジアム/神戸総合運動公園野球場(2003-4年)
スカイマークスタジアム/神戸総合運動公園野球場(2004-2011年)
ほっともっとフィールド神戸/神戸総合運動公園野球場(2011年-現在)
両翼・中堅両翼99.1メートル、中堅122メートル
フェンス2.45メートル
フィールド天然芝(走塁スペース、ファウルグラウンドの大部分、マウンドとホームベースの間にクレー)
アクセス総合運動公園駅(神戸市営地下鉄西神・山手線)から歩いてすぐ


(写真はすべて、2021年9月8日のプロ野球パ・リーグ、オリックス・バファローズ千葉ロッテマリーンズの試合から)





上・中:外観
下:内装


神戸市須磨区の神戸総合運動公園にある野球場。正式名称は神戸総合運動公園野球場だが、2011年以降命名権契約からほっともっとフィールド神戸という呼称がついており、こちらも一般的になりつつある。

開場は1988年で、翌1989年にプロ野球のオリックス・ブレーブスの準本拠地球場になり、1991年にチーム名がオリックス・ブルーウェーブに変えられると、チームのメイン本拠地に指定された。1995年には、阪神大震災が起こりながら「がんばろうKOBE」のスローガンの下でパ・リーグ優勝を果たしたブルーウェーブのメインスタジアムとして全国的にも知られるようになる。翌1996年には日本シリーズ優勝も果たしている。ちなみに、開場と同時にこの球場にはグリーンスタジアム神戸という公称がつけられ、当時各種メディアではこの名前で呼ばれることが多かったため、当時を知る人はこの名前で憶えている人が多いのではないか。

2004年の球界再編では、経営不振に陥った関西の二球団、オリックス・ブルーウェーブ近鉄バファローズが合併し、オリックス・バファローズが誕生。新チームのメイン本拠地に指定されたのは大阪ドームだが、神戸総合公園球場でも年間のホームゲームの3割近くを主催している。2006年には大阪ドームの経営会社が会社更生法の適用を受け使用が制限されたので、このシーズンだけは神戸総合運動公園野球場をメイン本拠地として使用していた。

2003年に日本の野球場として初めて命名権契約を締結し、Yahoo!BBスタジアムという呼称が付いた。2004年にヤフーの親会社であるソフトバンク社が福岡ダイエーホークスを買収したため、規定から契約が取りやめになったが、2005年に格安航空会社のスカイマーク社と命名権契約締結を結んだので、スカイマークスタジアムと呼称が変更。2011年に、弁当屋全国チェーンのほっともっとを経営するプレナス社に権利が委譲され、ほっともっとフィールド神戸と再度呼称が変更された。2000年代には呼称がころころ変わったが、2010年代はほっともっとフィールド神戸で定着したため、最近はこの呼称がかなり定着している。ちなみにオリックス・バファローズは所有者の神戸市からこの球場の管理運営を委託されている。

上述の通り、現在はオリックス・バファローズの準本拠地として使用されるほか、阪神大学野球や関西六大学野球、高校野球兵庫県大会の公式戦の会場としても使用され、競技スポーツで使用される頻度が非常に高い。住宅地から少し離れた運動公園に作られているので、試合中の演出で花火を打ち上げることができるなど、甲子園などにはないメリットがある。










上:グラウンドの眺めと、一塁側スタンド
中上:バックネット裏スタンド
中:外野スタンド
中下:オーロラビジョン
下:三塁側ブルペン

開場した1988年は、まだ両翼90メートル前後の球場をプロ野球チームがホームグラウンドとして使用することが珍しくなかった時代だったが、その中で両翼99.1メートル、中堅122メートルと野球場の国際基準を満たす球場として誕生したため、当時は注目を浴びた。また、開場当時は外野天然芝、内野全面土、ファウルグラウンド人工芝のグラウンドだったが、2000年に改装し、内野のほとんどが天然芝にはりかえられている(ベースランニングのスペース、ファウルグラウンドの大部分、そしてマウンドとホームベースの間はクレー)。管理のしやすい人工芝のグラウンドが一般的になっている昨今では珍しい例と言える。また、一三塁側外野よりの位置にブルペンがあり、客席から投手の投球練習を見ることができる仕様になっている。外野のフェンスが低いので、エンタイトルツーベースやフェンスによじ登ってのフラウアウトなどのビッグプレーが起こりえるスタジアムである。

キャパは35000人と、大阪ドームとほぼ同じだが、大阪ドームよりもスタンドがコンパクトに作られている。スタンドの嵩が低く、またファウルグラウンドが狭いので、スタンドからの臨場感が素晴らしく、観戦環境は他のプロ野球本拠地球場と比べても優れている。ケチをつけるところがあるとすれば、他の屋外球場と同様に屋根がほとんどないので、雨や日差しを受けてしまうことか。また、この球場はファウルボールからお客さんを守るためのネットが低いので、視界が遮られないというメリットはあるものの、反面鋭いボールがスタンドに飛び込んでくるリスクも他の球場と比べて少し高い。この辺りはどの野球場でも一緒と言えるが、試合中はボールの行方に注意されたい。スタンドは、外野席のみが長椅子だが、他は個席である。

なお、神戸総合運動公園野球場にはサブ球場も併設されており、こちらも競技レベルでの公式戦の会場として十分に使用することができるほど設備の充実している。2016年に舞洲に二軍の施設を移転するまでは、オリックス球団(合併前と後の両方)の二軍本拠地としても使用されていた。サブ球場は、2017年に中古車販売チェーンのオートバックスや業務スーパーを経営するG7社が命名権を獲得し、G7 STADIUM KOBEという呼称がつき、メインとサブの球場で別々のネーミングライツがついている。


G7 STADIUM KOBE/神戸総合運動公園サブ野球場

神戸総合運動公園は、野球場(メイン及びサブ)の他に、陸上競技場(及び補助競技場)、体育館、テニスコートがある。陸上競技場はサッカーやラグビーの、体育館はバスケやフットサルの大会で使用された実績が豊富で、運動公園自体が全国区の知名度を誇る。もちろん、市民の憩いの場として使用するスペースも設けられている。

非常に設備の充実した運動公園だが、住宅地から少し離れた場所に作られているので、アクセスは少し大変である。最寄駅は、神戸市営地下鉄西神・山手線が止まる総合公園駅で、ここから歩いてすぐだが、路線が1本しかないので帰りはかなり混雑する。また、大阪駅からでも1時間はかかるので他府県から来場するとなるとなかなか遠い。運動公園には全体で1800台が停められる駐車スペースがあるものの、数万人規模の来場が見込まれるイベントではすぐに埋まってしまう可能性も高い。また、運動公園の周辺には駅の売店とコンビニが1つずつあるだけなので、食事が調達できる場所が少ない。プロ野球の試合では売店が出るが、アマチュアの大会ではそれも確かではないので、自宅周辺で調達していった方が安全かもしれない。




上:神戸総合運動公園陸上競技場(ユニバー記念競技場)
下:神戸総合運動公園体育館(グリーンアリーナ神戸)

オリックス・バファローズは、上述の通り2004年に経営に苦しんでいたオリックス・ブルーウェーブ近鉄バファローズが合併して誕生した球団だが、形式上はオリックスが近鉄を吸収合併した形になるので、チームの歴史の中では近鉄バファローズは傍系扱いになる。そしてオリックス・ブルーウェーブの前身は、1936年に関西の阪急電鉄がオーナー企業となって誕生した阪急軍であり、特に1947年から阪急ブレーブスというチーム名で活動した。西宮市にあった阪急西宮球場を本拠地として活動し、戦後の時期には苦戦したが、南海ホークス西鉄ライオンズの二強時代が終わりを告げた1960年代後半に台頭し、1967年にパ・リーグ初優勝。その後、3連覇を達成したのちに1971年からは再度連覇を達成した。西本幸雄監督の下、山田久志、福本豊、加藤秀司らを擁し、1975年からは上田利治監督の下で日本シリーズ3連覇の快挙も達成した(1978年もリーグ優勝)。1980年代にもリーグ優勝を1度経験しているが、球団経営が立ち行かなくなり1989年にリース会社のオリックス社に売却されオリックス・ブレーブスとなった。1991年にチーム名がオリックス・ブルーウェーブになった後は、上述の通りがんばろうKOBEの時期にパ・リーグ優勝2回、日本シリーズ優勝1回を経験しており、仰木彬監督のもと、田口壮や谷佳知らを擁し、そして何と言っても日本球史屈指の名選手として名高いイチローがプロデビューした球団としても知られる。

合併後はなかなか成績が上向かない時期が続いたが、2021年に山本由伸と吉田正尚という投打の軸を中心に快進撃を見せて、オリックス・バファローズとしては初のパ・リーグ優勝を果たすと、翌年も連覇を達成。しかも2022年には、オリックスの歴史の中でも、26年ぶりとなる日本シリーズ制覇も果たした。

メインページ
スポーツ観戦をご検討されているなら

神戸総合運動公園野球場の紹介(神戸総合運動公園公式ホームページより)