#443 『寝台特急あけぼの』の旅 2 | No Photo,No Life!!

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JR全線完乗が目標の旅ブログ・・・「旅ノート」。乗り鉄・撮り鉄・模型鉄以外にも、PC・釣り・飛行機などなど多趣味で、面倒くさがり屋な、そんな学生のブログです。

前回の続き、上野発車直後からですよ!



【第1日目 8/25(Thu)】

 上野21:15~(寝台特急あけぼの 青森)~22:44高崎~・・・


■『寝台特急あけぼの』の旅


21:15、定刻に汽笛が鳴り客車がガタンという音と共に動き出しました。

発車してからしばらくはかなりゆっくりのままポイントを通過していき、

だんだんと上野駅の明かりから遠のいていきます。

ポイントを通過してすぐに車内放送。♪ハイケンスのセレナーデが流れ、

いかにも『ブルトレ寝台特急の旅』という気持ちを高まらせてくれます。
「本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます」

の決まり文句を初めに、上野駅定発だということ・各停車駅と到着時刻・

車両の編成と設備・携帯使用の注意・他の客への配慮の呼びかけ・

貴重品管理の注意・車内放送の一時中断などが肉声放送で流れます。

放送の間の「間」や間違いがブルトレらしい雰囲気で逆にいいですね。


しばらくすると再びガタンと機関車にグイグイ引っ張られていきます。

加速が落ち着いてきてジョイント音が規則的に聞こえはじめたところで、

ふと窓から蛍光灯が見えたので何かと思えばちょうど尾久駅を通過。

尾久駅をあっという間に通過して、さらに都心を北へひた走ります。

ずっと車窓を眺めていると、赤羽駅を通過し、すぐの鉄橋を渡ります。

個室内には鉄橋を渡る音がかすかに聞こえるだけでかなり静か。

ベッドも柔らかいし簡単に練れてしまいそう・・・おっと寝てはだめだ・・・

並走している京浜東北線の客が不思議そうにこっちを見てきます。

おお!何ともいえぬこの優越感・・・

でも不覚にも帰宅途中の通勤客らに満面の笑みで返してしまった俺は

多分・・・というより絶対「変な人」の烙印を押されたんだろうね!www

でもやっぱり寝台特急に乗ると普段の景色が全て違って見えます。

煌びやかな駅前のネオン・蛍光灯の本数・住宅街の静寂・・・

普段は目にもとめない景色を見れるだなんて、贅沢な時間です。


都会のネオンを眺めていると大宮駅に到着しようとしていました。

そして停車、連結器のゆるさで少し後ろに動くのも客車の醍醐味です。

・・・なにやら外が騒がしいと思えばちょうど車内検札が来ていました。

切符を提示して秋田運輸区の丸い日付け入りスタンプを押してもらう。

そういえばあけぼのの車掌は秋田運輸区の担当なんですね~

停車時間は2分、ドアを閉めたらかすかに発車ベルが聞こえました。

そしてドアの閉まるプシューッと空気の音、ガタンと独特の揺れ。

大宮、定発。ゆっくりと何度も揺れながらポイントを渡ります。

因みにこの日の撮影者は10人ほど。平和ですねぇ~・・・


大宮を発車するとあけぼのは高崎線に入って沿線は住宅街に一変。

ポイントを渡って進路を左に進むと、平穏な住宅街の静寂を破って、

機関車の轟音を誇らしげに轟かせて高崎までノンストップで進みます。

しばらくすると東北・上越新幹線とニューシャトルの高架線をくぐり、

そこは駅撮りで何度もお世話になっている宮原駅を通過していきます。

宮原駅すぐのカーブを通過すると長い直線が続いて住宅街を進みます。

もう23時だからか真っ暗な家もぼちぼち見え始めますが、

一部の家や街頭などの蛍光灯がただ煌々と輝いて静寂を保っています。

・・・そんな夜を駆け抜ける寝台特急、「乗らなければ分からないよさ

が感じられ、なんとも堪りません。


ずっと流れゆく夜の高崎線の車窓を眺めていると、高架線と合流。

その直後には熊谷駅を通過、ちょうど上越新幹線との合流点でした。

新幹線停車駅の熊谷を颯爽と通過すると、今度は熊谷貨物タが。

高崎線沿線からの物流拠点でヤードも広く、何本も貨物が発車待機。

そんな貨物列車を横目に速度を落とすことなくあけぼのは走ります。

ここで、車窓も見所がなくなってきたので車内探訪する事にしました。

あけぼのには、A寝台シングル・B寝台ソロ・開放B寝台・ゴロンとシートの

計4区画が設定されているのはご存知ですよね。

それと、デッキ・トイレを見て回っていくとしましょう。


No Photo,No Life!!A寝台シングルデラックス個室内


まずはあけぼので最上級クラスのA寝台シングルデラックス。

あけぼののA寝台シングルデラックスは1991年3月に登場で運用を開始、

基本的には寝台特急北陸の設計を元にされています。

ベッドは枕木と平行に据え付けられ、他には木製キャビネットと洗面台。

また、ベッドは簡易操作でソファに転換することも出来ます。


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木製のキャビネットには手前に引き出すタイプのテーブルがありますが、

あくまで小物置程度でデスクワークをするには厳しい点があります。

(写真の通り、大体アメニティポーチ縦1つ分くらいの大きさ)

また、ビデオモニターがテーブルの右側に取り付けられており、

上野発車後から弘前発車後まで2つのチャンネルが用意されています。

(2011.08.25時点では、1ch:観光案内で静止画 2ch:釣りバカ日誌)

因みに2011年9月30日をもってビデオサービスは終了する予定です。

またBGMの再生でき、これは3つのチャンネルが用意されています。

(2011.08.25時点では、1ch;オーケストラ・2ch;ジャズ・3ch;不使用)


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それらチャンネル選局や照明などのコントロールは枕元の操作パネル

に全てが集約されていて、寝ながら操作できる頭のすぐそばにあります。

寝転がりながらも照明を操作できるのはかなり楽です。

また、時計やアラーム設定・冷暖房調節などのスイッチもあります。

・・・てか冷房を切ってまた付けるときに突風出るのどうにかならない?w

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洗面台は手前に引き出して使用するもので、温度が自由に調節できる。

しかし案の定最初のうちは水しかないので気長に待つ忍耐力も必要w


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また、洗面台ドア側には靴べら・ブラシ等の靴磨きの道具があります。

因みに写っているはしごは、個室2人使用の場合に出す補助ベッド用で、

普段はコネクトドアに取り付けられていてカーテンで隠れています。


それでは他の豪奢を見て回って行きましょう。

部屋を出てドアロック。ロックはテンキー式、任意の4桁の数字です。

操作方法は各テンキー横に説明書きが貼られ、困ることはなさそうです。

パスワードさえ忘れなければプライベート性は保たれています。

個室を出て機関車方面8号車のゴロンとシートへ向かいます。

個室内はみんなが寝ている準備をしていたからか、かなり静かでした。


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ゴロンとシート入り口ロゴマーク


ゴロンとシートはB寝台から寝具の設備を取り払った区画。

勿論、その分B寝台に比べて安く、乗車券と特急指定席券で乗れます。

それでも「B寝台のベッドで安く横になって移動できる」という点がうけて、

多客期にはプラチナチケット化するほどの人気を博している区画です。


写真を撮ろうかと思ったらとても音を出せる雰囲気じゃなかったので、

そのまま通路を通り抜けてヘッドマークを見ようとデッキに向かいました。

が、デッキへと通じる扉に鍵がかかっていて開かない。

ヘッドマーク撮影と寝台内撮影は断念、1号車に向けて再び散策します。


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途中7号車デッキで発見。7号車のデッキには車掌室があります。

中を覗きましたが機械類が揃っているだけで誰も人はいませんでした。

因みに車掌室は片方のみで、もう片方には車掌用窓とドア開閉スイッチ。

その車掌用窓とスイッチは誰でもいじれる通路に設置されています。

おそらく通路で車掌が操作すると邪魔になるからという理由でしょうか。


疑問は残りますが次の号車に進みます。

7号車から1号車方面へ行くと、次は6・5号車のB寝台ソロです。


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B寝台ソロ個室前廊下


B寝台ソロは全部で28部屋、片方に14部屋ずつあり、

さらに上段個室と下段個室の2タイプに分かれています。

共通することとしては、ベッドは線路と平行に据え付けられていて、

比較的広めな木製のテーブルとその近くに灰皿が設置されています。

ベッドは柔らかいですが木の上にのっているマットのようなもの。

同じくソファにも転換でき、その為の背もたれが枕近くにおいてあります。

木製テーブルは飲み物を置けるくぼみがあり、駅弁は広げられるかも?

またA寝台と同様、室内の照明類は2つの操作パネルに集約されていて、

チャンネル選択つまみとスピーカー・それとSOSボタンと照明のスイッチ。

A寝台と違う点は照明のスイッチが単純にON/OFFということぐらいです。


廊下に入ってビックリ・・・ドアがずら~!っと所狭しと並んでいますね。

幅は手ぶらの人がすれ違える程度の狭さになっています。

とりあえず空いている個室に入って実際に座ってみることにしました。


No Photo,No Life!!B寝台ソロ上段個室


上段の大きな特徴としては、天井が湾曲しているということ。

窓も大きく2階からの眺めもなかなかのものです。

少し揺れを感じるところですが寝てしまえば問題はないでしょう。

問題点と言えばその湾曲した天井に圧迫感を感じる程度です。

因みに操作パネルは枕元に位置します。


No Photo,No Life!! B寝台ソロ下段個室


下段の大きな特徴としては、上段個室への階段で出っ張りがあること。

上段個室の湾曲した天井に比べて、下段個室の方が圧迫感はあります。

問題点はスリッパの音など、廊下からの音が少し気になるということ。

ドアは折りたたみ式でそこまで頑丈ではなく、音が漏れやすいです。

因みに操作パネルは足元に位置します。


個人的感想としては下段個室よりも上段個室の方がいいと思います。

やはり下段個室の出っ張りは気になりますし、上段個室の湾曲の方が、

例えば上りあけぼので日本海に沈む夕陽などを眺めるのによさそう。

因みに、前述の通りドアは折りたたみ式で、ただでさえ狭い通路に配慮。

部屋の内側に折りたたむ形ですが、ドアの開閉で不便は感じません。

いずれの個室も、寝てしまえば快適そうな気がします。

しかしマット自体が狭いので寝相が悪いと腰から落下することも・・・?

B寝台ソロは全体的に見て1人で過ごすには適当な設備です。

「1人でなるべく安く旅行がしたい!」という人にはオススメの区画です。


あけぼのにはA寝台シングル1両・B寝台ソロ2両・ゴロンと2両の他にも

昔ながらの雰囲気を守り続ける開放B寝台が編成の1/2を占めます。


No Photo,No Life!!開放B寝台(翌朝撮影)


2~4号車には開放B寝台が連結されています。

昔ながらの上段寝台と下段寝台に、寝具が置かれています。

窓の前には上段へのはしごが設けられていて、おなじみ引き出すタイプ。

はしごの下には下段の人用にテーブルが設置されています。

また、通路からは行って振り返ると荷物置き場があります。

見る限り、よく知られている開放B寝台の仕様と変わりありません。

違うものといえば、各号車ごとにカーテンの色が違う程度でしょうか。


開放B寝台も静かな雰囲気で、写真で見た通りの様子でした。

空いている場所に座ってみると、ベッドも背もたれも柔らかいです。

昔ながらで、4人でグループ旅行には持ってこいの区画ですね。

4人で1区画を占領してわいわいと・・・一度やってみたいものです。


さらに進むと1号車にはゴロンとシートがあります。

しかしただのゴロンとシートではなくて・・・


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1号車にはレディースゴロンとシートが設定されています。

その名の通りで女性専用区画なので男性の立ち入りは禁止です。

仕様は全て8号車のゴロンとシートと何も変わりありません。


これ以上は入れないのでここで折り返すとしましょう・・・

うん、洗面台にいた人にすごい怪しい人って思われたんだろうね(滝汗)


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洋式トイレ。手洗いなど必要最低限のもの全てが集約されています。


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和式トイレ。手洗いが小さい程度で機能面では不便は感じません。


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洗面台。こちらも昔ながらの2つ洗面台が付いています。

洗面台の空き待ちで並ぶ・・・これも開放B寝台の醍醐味ですね。


No Photo,No Life!!


さて、車内探訪を一通り終えて個室に戻ってきました。

ざっと説明するとこんな感じです。やっぱりA寝台だね(笑)

途中にトレインマークを見られる場所があったので撮影。

あけぼののトレインマークはその名の通りに日本海の「曙」がモチーフ。

ヘッドマークはこれが丸くなっただけで、いずれも誰でも知ってますよね。

とりあえずGPSで位置を確認してみると、本庄周辺を走行中でした。

もうすぐ次の停車駅である高崎に停車しようとしているところでした。

個室内のテレビを見るとちょうど釣りバカ日誌をやっていました。

あれ・・・さっきも同じようなシーンを見た気が・・・

それもそのはず、一晩中「釣りバカ日誌スペシャル」とやらを再生します。

おいおい浜ちゃん、なんでトイレの洗剤なんて飲んでるんだい?www


・・・そうこうしているうちに、1本の線路と合流していました。

場所的に八高線?と思っていると、回送表示のキハ110とすれ違い、

その後すぐに倉賀野駅を通過、そして高崎操車場が見えてきました。

おっ、ちょうど今日から甲種されてるサロE233系発見!!

そういえば今日あったんだよね・・・まあ直前まで宿題やってたけどな!←

撮影しようとしましたが、案の定夜だし準備が出来なくて・・・(涙)

高崎操車場を通過するとまもなく高崎車両センターが見えてきます。

・・・う~ん暗くて何が何だかよく分からない。。。

結局よく分からないまま、気が付いたら減速していたあけぼのは、

ゆっくりと機関車と電源車の轟音を響かせて高崎駅に入線しました。



さて今日はここまで、勿論次回に続きますよ~

次回は高崎から、夜を駆け抜けるあけぼの号です。