よもすがら
よもすがら きょうも
ひとり じれてましたね
びょうきでしたね
くるってましたね
ひねもす いつも
おあいその えみ や
うすっぺらな おもてで
なみうつ わらい
ほしければ
てにいれる すべは
いくらでも あったでしょうに
もっと ほんとうを もとめて
この ウソの もりを
えらんだばかりに
よもすがら きょうも
たれも みむきもしない
ちいさく せまい まどから
ぬけだして もりを さまようのです
クモのす に かおを ひっかけ
つまずいて ころんで
すりきず きりきず あざだらけ
よる と あめかぜ に
こかげで ふるえ
やっと みつけた
ちいさな ひかりの かけらなど
たれも みむきもしない
ずぶぬれの よごれた かおで
よもすがら あかつきに ひもすがら
おえつするがいいのです
わたしは みずから えらんだと
(2000年11月03日)
むりょく
こえてはならない
さかいを こえて
こわれ こわされて
もはや もとの すがたを
たもつこと かなわず
いかなる おもさも かるさも
ささえきれない
もっとも うすい まく の ように
あわく あおく
おともなく
ひきさかれてゆく さだめを
すごしている ゆらぎ
ゆらぎ
(2008年09月13日)