イスラム国の人質事件によって、日本社会に大きな衝撃がもたらされた。政治家やマスメディアは終日、事件の悲惨さや、イスラム国の脅威、そしてテロからいかにして日本を守るか、といった議論をしている。しかし、ここで立ち止まって考えないといけないのは、後藤さんが本当に「伝えたかったこと」は何だったのかということ。内戦で傷ついた女性や子供たちが多くいることを日本の人たちに知ってほしい、というのが後藤さんの願いだった。そのために彼はジャーナリストとして、危険をも顧みず、取材現場へと向かった。その願いを、私も含めて一人ひとりが受け止めていくべきではないかと思う。
私自身も新聞やテレビで内戦やテロで、どこどこで今日は数十人死亡だとか、頻繁に目にはするけれど、どこかまだ他人事のように思ってしまっている。でも、当事者にしてみたら、内戦で死んで行くのは、自分の愛する夫であり、子供であり、身近な家族や友人であるはず。自分の周りにいる人が、そのような目にあったら、いや、もし自分がその中に巻き込まれたらと考えると、他人事とは決して思えない。
日本は憲法9条があるから、戦争なんておこらないだろう、と私ものんきに思いがちだけれど、このまま集団的自衛権が日本でも適用されるとなると、どうなっていくのか?
まあ、すぐに戦争はしないだろうけれど、日本は戦争ができない国から、戦争もできる国にまた変わってしまうのではないか、と心配になる。
戦争は、人々を殺し、人々の心を傷つけ、国を荒廃させる。そのことを、後藤さんは伝えてくれた。このメッセージを受け取った今、私もそのメッセージに答えていかないといけない。