少しずつ話せるようになった人、挨拶を必ずしてくれる人、そんな人の中に自分がいれることが嬉しくなった。この頃からだっただろうか、書くことが楽しいと思ったのは。作文の時間があった。議題は、将来なりたい自分とそれに向けて今できること。

作文用紙2枚書くようにと先生が言う。「えーっ、無理〜」何人かの生徒がそう言っていた。

どんなふうに書くか考えることが楽しいと思った。

そもそも、将来の夢なんて考えたことなかった。可愛い夢、かっこいい夢、そんなものとは無縁だった。自分とは真反対にある夢のような気がした。

大人が何をしているのかすら知らなかったし、親がしている仕事はやりたいと思わなかった。

食べることが好きだと思った、キライな物もあるが、好きなものの方が多いと思う。これにしようと。食べ物と関わる。製造なのか販売なのかどっちでもいい。これを作文にした。書き始めたら止まらない。授業が終わるまでに書き上げた。先生の終わりの合図に、まだ書いていたいと思った。

書くことが楽しいと知った。