なぜ君は総理大臣になれないのか | 沸点36℃

沸点36℃

他愛のない日常と歴史散策、主観

2020年12月6日「なぜ君は総理大臣になれないのか」鑑賞


現職の衆議院議員小川淳也氏の初出馬から現在までの17年を追いかけたドキュメンタリー


民主党から出馬し、実直に国の行く末を憂う小川氏が、民主党の政権奪取から解体、第二次安倍政権の長期化と野党の弱体化の流れの中で、悩み続けてきた姿を赤裸々に映し出していてなかなか面白い内容で力作だと思います


ただただ社会を良くしたい、国会議員になるべきという信念から官僚を辞め、選挙に出馬
小川氏の家族はごく普通の人達で、当人も地盤なし、看板なし、カバンなしから始められた選挙戦
党利党益に貢献しないと出世出来ず、惜敗しては敗者復活の比例当選を繰り返す


たいした志もなく代々続けている世襲議員だらけで長いものに巻かれてる政治になってる中で、小川氏は理想や信念を失わずどれだけ変わらずにいられるのだろうか


2009年の政権交代、2012年の民主党政権崩壊、2017年の民進党の希望の党への合流をめぐる大混乱…
仁義とジレンマの苦悩が深まり、最初のきらきら感が失われて悲壮感しか伝わってこなかったです
見ていてもどかしくもなりました


希望の党の崩壊後は無所属の道を選ばれた小川氏
「出直しです」とスッキリした様子


小川氏は誠実なんだけど見るからに線が細い
真面目で弁が立つのに蒼臭い
党内での社交も何だか苦手そうだし、強かさも権力への欲もなさそう
純粋過ぎて、逆に世間が求めているありがちな政治家像とは遠い気がするんだけど、

でも旧態依然の政界にこんな人まだいるんだなって嬉しくもなり、楽しみにもなりました
頼もしい存在です


2019年、統計不正についての小川氏の国会質疑
小川淳也=統計王子
話題にもなりました


この作品のタイトルで問われているのは、小川氏の資質ではなくて、私達有権者に対してなのかもしれない
5年後、10年後にまた続編が観れるといいな

そういや絶対選挙に落ちない男・中村喜四郎が無所属から立憲民主党へ合流、小勝会にも参加されてるみたいだけど、小川氏はもう中村喜四郎から選挙戦術を学んだのかな


2020年6月13日公開
映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」
監督/大島新
上映時間/119分



あなたもスタンプをGETしよう