ストラップの取り付け方。ニコン巻きって何 ? | 写真は楽しい。

ストラップの取り付け方。ニコン巻きって何 ?


節分も過ぎてしまいましたが、今日は「恵方巻き」の話、、、
ではなくて、カメラストラップの取り付け方の話、
そして、世間で言われている「ニコン巻きは最強」説は本当なのか
、という話

カメラのストラップが古くなって痛んできたので新しいストラップを買った。
何気なく「カメラストラップの取り付け方(巻き方 通し方)」で検索してみてびっくり。
どれもこれも「ニコン巻き(報道巻き プロスト結び ともいう)」絶賛の嵐。

ニコン巻きが最強、それ以外の結び方は緩んで危険、とまで言うサイトもあるが、言い過ぎだし、嘘だ。
普通のオーソドックスな結び方を「お手軽巻き」「素人結び」などと嘲笑するものもある。

まあ、ネット時代、誰でも自由に発言できる。
が、いい加減な内容でも検索上位を独占するのは困ったものだ。
「プロはニコン巻き」などと素人に言われたくない(笑)。私プロだけどニコン巻きじゃない(やめた理由は後で書きます)。

ということで、代表的な「ストラップの取り付け方」をいくつか説明しながら、どの方法がいいのかについても考えていきたい。
正真正銘「プロが教える最強のストラップの取り付け方講座」(^-^)v。
結論を先に言っちゃうと、どれでもいい(身も蓋もない 笑)。それより大事なことがある→だから忙しい人は一番最後だけでも読んでね。


まずは、従来の取り付け方(名前がないので「普通巻き」とする)とニコン巻き、どうやって取り付けるのという話から。

 

 

「普通巻き」の取り付け方


普通巻き1 普通巻き2 普通巻き3 普通巻き4
こちらが従来からのオーソドックスな取り付け方。名前がないので「普通巻き」と呼ぶことにしよう。
最初の2枚のイラストはキヤノンフジフィルムのサイトからお借りしました。

最後の1枚のイラストは、ちょっと珍しいテープの先端部分を外側に通す「外側通し」(これも名前がないので仮の名称)。
外側通しは、ちょっと確実性という点では不安があるかもしれない。
内側通しだとテンションがかかった時に、外側のテープが内側のテープ(先端側)をアジャスター側に押し付ける力が働くが、外側通しだとそうはならない。
だだ、先端を2cm以上出せという指摘は極めて重要(詳しくは後で)。他の説明書ではあまり触れられていないが大事です。
さて、内側を通すやり方を、これも仮に「内側通し」と呼ぶことにしよう。

同じ内側通しでもサルカン(遊環<ゆうかん>)の位置がキヤノンはアジャスターよりカメラ側、フジはストラップ本体側、という違いも面白い。
・画像が見にくい場合はクリックすれば大きくなります。また、説明の一部を抜粋しているので全体を見たい場合は、キヤノンフジフィルムをクリックすると説明ページに飛びます。

 

 

「ニコン巻き」の取り付け方

 

ニコン巻き1 ニコン巻き2 ニコン巻き3 

 

当然ニコンのサイトからお借りしました。 普通巻きに比べて、ちょっとだけ複雑そうに見えるが、実際にやってみるとそんなに難しくはない。

 

 

 

 

 

どのやり方が一番確実か

では、普通巻き(内側通し)とニコン巻きではどちらが確実か。
一般に紐などを締める場合、力がかかればかかるほどより確実に締まる方法でなければならない。
普通巻きの場合、力がかかると、先端側も摩擦で引っ張られて同じ方向に動こうとする。
ニコン巻きの場合、力がかかると先端側は、抜ける方向に動こうとする。これは危険だ。

ただ、ニコン巻きの場合、180度に折り返されている部分があるので、引っ張っても簡単にはズレない。
これはニコン巻きのプラス面。差し引きチャラか。普通巻き(内側通し)とニコン巻き、どちらがより確実かは、なんとも言えない。

普通巻きとニコン巻き、どちらが確実
で、私は「ストラップが抜けた」事例を検索用語を色々変えながらネットで調べてみた。

ニコン巻きは実は危険という記事は少しあるが、それで抜けたという事例は見つけられなかった。
ニコン巻き以外は危険という記事は結構あるが(笑)、普通巻きで抜けたという事例も見つけられなかった。
ネット上にないから世の中に存在しないとは言い切れないが、特定の巻き方で事故が多発しているというわけでもなさそうだ。
もしそうならそのやり方はとっくに廃れているはずだ。

普通巻きは「枯れた技術」(進歩もないがバグもない、長く広く使われ信頼性の高い技術)なのかもしれない。
キヤノンだったかどこかが、テストを繰り返して、その結果、普通巻きを推奨している、という記事を見た記憶がある。

やや普通巻きの方が確実な気がするが、少なくとも普通巻きの方が劣るということではないと思う。
「ニコン巻き以外は危険」なんてことは全くない。
そこまで言うと言い過ぎ、誇張、根拠のない思い込み、大嘘である。
危険なら、多数のカメラメーカーが自社製品の説明書で推奨するはずがない。

 

 

 

 

使用説明書でニコン巻きと普通巻きを使い分けるニコン


面白いのは、ニコンが取説で、エントリー機・コンパクト機には普通巻きを、高級機にはニコン巻きを説明(推奨)していることだ。
機種によって分けている理由は、普通巻きの方がシンプルで簡単、わかりやすい。そういう意味で「初心者向け」ということだけだと思う。
初心者向けには、強度(性能)的には劣るが簡単なやり方で妥協した「普通巻き」、プロには強固な「ニコン巻き」という意味ではないはずだ。
ところが、分けていることによって、「ニコン巻きの方が抜けない、確実」「普通の巻き方では緩む」という誤解・迷信が生まれたのかもしれない。

ニコンに問い合わせてみた。回答は(要旨)

 

ニコン巻きは、ストラップの先端を内側にしまう巻きかたですので、見た目もスッキリとして邪魔にならない。確実な取り付け方です。
しかし、通常の取り付け方であっても緩みやすいということはありません。
ニコン巻きはやや複雑な面もあるため、普及機や別売ストラップでは通常の取り付け方の説明を付けております。

との事だった。

「ニコン巻きが一番強固」ではなく、「ニコン巻きが一番スッキリしている」だけなら、それはその通り。

 

 

 

どのやり方が一番美しいか

ニコン巻きが一番スッキリ美しい。それは認める。

では、普通巻きの、長く余った鬱陶しい先端部分をスッキリさせるにはどうするか。
方法はいくつかある。

うっとおしいストラップ先端
・切る。単純(笑)。切った後はほつれないようにライターなどで炙る。ただし、短くしすぎないように。理由は後で書く。

・アジャスターを先端側に移動する。= テープ部分を2本ともカメラボディ側に送る。
 これでストラップの長さを変えずに飛び出た先端部分を短くできる。

ストラップ先端の処理2
・結ぶ。無骨なカメラには不似合いだが、かわいい系のカメラやストラップには似合うかも。

ストラップ先端の処理3
・フジの説明書のようにサルカンをアジャスターより外側にする。または上下に2個つける。
 写真の例はさらに先端部分をパーマセルテープで巻いているがそこまでやる必要があるかどうかは、、、(笑)
 ニコン巻きをやめた私は、この方法でやっています。
ストラップ先端の処理4
それでもやっぱりニコン巻きの方がスッキリ美しいが、ニコン巻きにする意味はそこにしかない。

 

 

 

 

 

 

私がニコン巻きをやめた理由

実は、私、ニコン巻きで抜けそうになったことがあるのです。
ただし、それが「ニコン巻きのせい」とは言いません。
素材やアジャスターとの相性だと思っています。

テープ部分がやや薄めでツルツルした材質。
しかも当時はアジャスターは金属製が一般的だった。
金属の角で擦られたテープは、さらにツルツル、テカテカに。

完全に抜ける前に気がついたのでまだ良かったのですが。
ただ、ニコン巻きは、「先端が隠れる美しい巻き方」であるということは
裏を返せば「異変に気が付きにくい巻き方」でもあるということです。

それ以来ニコン巻きをやめました。

もう一つニコン巻きで困るのはサルカンが割れやすいということです。
テープの厚みと、サルカンの厚みにもよりますが、3回テープを通すわけですから当然です。

サルカンに抜けるのを止める力はないとしても、多少は摩擦をかけているパーツでもあります。
一度サルカンが割れると一から結び直さないといけないのもめんどくさい。
おまけにサルカンがないとむしろカッコ悪い。

 

 

ここまでのまとめ


・原理的にはニコン巻きの方が危ない
・だが実際には、ニコン巻きの方が抜けやすいということは(多分)ない
・美しくスッキリしているのはニコン巻き
・ただ、先端が隠れるということは、異変に気づきにくい(まあ短期間でずれるということも多分ない)
・結局、普通巻き、ニコン巻き、どちらでも良い。好みの問題
・それより大事なことがある(下↓に続く)

 

 

 

 

巻き方よりももっと大事なこと、ここを是非読んでほしい

 

 


1. アジャスターには通し方がある。あまりにも常識すぎてどの説明書にも書いてないが極めて重要。
逆面に通すとほとんど摩擦がかからず、割と簡単に抜けやすい(アジャスターの形状にもよる)。

カメラストラップではなくプラバックルの話だが、とある製品の通販サイトに「簡単に抜ける」という低評価のレビューがあった。
私は、その商品を買ったが、簡単には抜けない。
商品が悪いのではなく、レビュー投稿氏の通し方が悪いのでは ?

アジャスターの形状とテープの通し方
イラストは形状を誇張しています。
全てのアジャスターがこのような形とは限りません。裏表の違いがほとんどない形状のものもあります


2. 何巻であろうと、先端部分を最低でも2cm以上、できればもっと長く出す。
鬱陶しいからと言って、短く切りすぎないこと。
テープやアジャスターの素材、形状、相性、さらには使い方などで、絶対に1mmもずれないという保証はありません。
むしろ少しずつはズレていく可能性もあると考えた方がいいでしょう。

だとすると、先端部分が短いと、気がついた時には抜ける寸前、または気がつく前に抜けるということもあり得ます。
この長さは保険です。私はこれで救われました。

3. 時々はチェック。これはどんな「道具」の場合も同じ。
ズレていないか、長年の使用でテープがツルツルになっていないか、縫製部分のほつれはないか、などなどチェックしましょう。
テープがツルツルも、テープが切れ始めたことも、縫製のほつれも、私は経験あります。
大事に至る前に気がついてよかった。
傷んだのを発見したら即交換。カメラの修理代に比べればストラップ代は安いモノです。

4. テープの幅は何種類かあります。
カメラに最初についていたストラップを使い続ける場合は問題ありませんが、買い換える場合は、元のものより細いのはやめた方がいいでしょう。
かと言って、太すぎると通せない場合もあります。
サルカンやアジャスターなどのパーツを変える場合も、テープ幅と同じモノでないとユルユルになる可能性もあります。

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ご覧いただきありがとうございました。
徳島の写真館フォトスタジオXY(エクシィ)相原でした。
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