4年生引退ブログ 米山 和輝「今ある生を見つめて」 | 立教大学体育会サッカー部日記

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2013.3~

4年生引退ブログ


本日の担当は、
努力家でサッカーに対して真面目な一方で、ピッチを離れると別人へと変わるとの噂のこちらの選手です!




No.31 米山 和輝


『 今ある生を見つめて 』










なにかと一緒に過ごす時間が多かった同期の1人。
初めて会った時は真面目そうでお洒落な服を着こなし優等生キャラだと思っていた。
実際サッカーに対しては人一倍真面目でいつもサッカーのことを考えてるし、努力を惜しまないとても尊敬できる存在だ。

ただピッチ外でも多くの時間を過ごして気づいたことがある。彼はピッチ外ではかなり適当な性格をしている。よねと旅行に行く時は大体行き当たりばったりだし、ホテルや航空券の予約は基本全部人にやらせる。レポートのルールは無視して提出するガサツな奴である。

ピッチ内外で意外なギャップを見せる彼がどんな想いを綴ってくれるのか期待です!

尾﨑 拓(4年/座間高校)








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「今ある生を見つめて」

 
自分は大学生活の4年間を通して数えきれないほど多くのことを学んだ。
多くの人の価値観に触れ、色んな考え方を学ぶことができたし、自身の専攻である社会学からは自分の今の生を支える様々な知恵を学んだ。
4年前より確実に自分の景色は色鮮やかになったし、何より人生が楽しくなった。
 
大学生の本業は勉学に励むことだけれども、それでも自分の生活の中心にあったのはやっぱりサッカーだった。
 
入部当初は思い描いていた環境とは違ったけれど、だからこそ反骨信を持って取り組むこともできた。
今がどうとかじゃなくて、1、2年生の頃が色んな意味で一番闘っていたと思う。
でも3年になってわかった。自分のやっていることはがむしゃら過ぎた。
質にも量にもこだわっていたつもりだったがサッカーがどういうスポーツであるか考えもしなかったし、それ以外にも自分の身体のことや身の回りに起きる全てのことに対する思考が浅すぎた。何がどうなっているのかを知ろうともしなかった。
目の前のことしか見えていなかった。
 
3年になってからは大学生活も折り返しなのに理想と現実のギャップに焦りを感じた。
その頃からうまくいかない現状に悩み苦しむのではなく、どうすればうまくいくのかを考えるようになった。
 
今考えると恥ずかしいことに、2年から3年の途中までの私はボランチがバックラインに落ちる意味すらも分からなかった。
 
そうしてサッカーをしている中で、観ている中で頭に沸いた疑問をほどいていった。
サッカーをもっと知りたくなったからサッカーに関する多くの本を読んだし、外部で開かれた教室にも通ったし、自身の下手さ加減を自覚して、技術を盗むために自分より高いレベルに身を置くことも厭わなかった。
そのおかげで以前の自分よりは、サッカーをすることも観ることも楽しめるようになった。
 
今、自分がしたことの雑感を書き連ねた。が、
これって、当たり前だなって思う。
 
競争に勝てないなら勝つまでもがき続けることは努力ではない。
苦しみ悩むことは、ストーリーにされがちだけど、悩むことは考えることを止めただけの怠慢に他ならない。
苦しみ悩むことを否定しているのではなく、「わからない。苦しい。」の状態を続けることを言っている。
 
時間は待ってくれない。
 
だから好き嫌いなどの感情に任せるのではなく、どうありたいかの理想像に近づくためにやるべきことを、その瞬間に、やるまでである。
 
それができないなら何も語る資格はないし、何かを望むことなど言語道断である。
それに反する人たちに不満をぶつけたいというのではなく、有無をいわず苦しみながらも愚直に歩む人がいることを忘れないでほしい。
 
「勝ちたい」と本気で望む人は他より多く「勝ちたい」と言わない。
言葉なんて必要ない。
そう望む心があるだけだ。
 
だから私は言葉や目の前で起きる現象を受け入れると同時にその奥に潜むものを見ていたい。
年齢やバックグラウンド、その他の様々なカテゴリーにとらわれずその人に今ある、変わらぬ心を見たい。
 
そう想うと同時に自分にある心を大切にしたい。
どのカテゴリーだろうとも自分の心は変わらないでいたいし、自分がこの先どうなっても自分は自分でいたい。
大学生になって自由になったからと言って、自分の生活におけるサッカーの優先順位は落ちてしまうものでは決してない。
プロを目指すとか目指さないとかじゃない。
サッカーが好きか。上手くなりたいか。それだけで十分である。
2年までの自分はサッカーそれ自体よりもサッカーを通して得ることのできる何かが好きなだけだったのかもしれない。
 
これから自分に与えられる現実が如何様なものかなどわからない。
来たる現実に酷もクソもない。
ただ厳然たる事実を前に一喜一憂するばかりではなく、それを真摯に受け止める。
自分の結末がどうなろうと、飾らずに、サッカー選手としての運命を、その妥当性を受け入れる。
サッカーはサッカーであり、拙いエゴで飾るものではないから。
 
 
最後になりましたが、コロナ禍でありながらも多くの方々の尽力があり、サッカー部の活動が再開できたこと、各カテゴリーのリーグ戦や大会を行うことができたことに関して、感謝申し上げます。
本当にありがとうございます。
 
また、自分が約16年間、何不自由なくサッカーを続けてこれたことをとても幸せなことに感じます。
 
家族へ
プロサッカー選手を夢見ていた時からそうではなくなった時も常に近くで見守っていてくれてありがとうございました。
怪我しがちな私をいつも心配してくれてありがとうございました。
私に与えてくれた全てに気付けているわけではないけど、それでも出来る限り恩返しをしていきます。これからもよろしくお願いします。
 
家族以外にも当然自分を支えてきてくれ、気遣っていただいた方々がいます。
きっと自分が認知している以上に多くいるのだと思います。
そのため、特別誰かにとは明記することはできませんが、それでも多くの方々の優しさに心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
 
これまで多くの方々が私にサッカー選手であると同時に、一人の人間として向き合ってくれたこと、自分に愛を与えてくれたこと、そのすべてに感謝いたします。
自分の世界を生きてきた私でも、その温かさに触れることで、少しは他人のいる世界を理解することができました。
繊細な自分でも傷つくことを恐れずに自分を好きになることができました。
 
本当にありがとうございました。
そして、これからもよろしくお願いいたします。












今を支える3年目のシーズン
(前列しゃがんでいる水色の練習着)








収穫の多かったBBQ

(左から2番目)





同期
(後ろから2列目左端)






NEXT...
浅井 広貴(学生コーチ/國學院大学久我山高校)
お楽しみに!!