特に自分みたいな人間ならその言葉の意味がよくわかるはず。すべて語られるべきものではなく、ただ自分が経験するためだけに目の前の出来事の半分は起こっているのだ。もう見つめることにも馴れた上級者であれば、その時目の前にいるはずの誰かは、どのような対応をしたところで決まった反応を返すだけだと理解しそれを受け入れられるだろう。
ならそれはなんのために？
それを知覚し感じ取っている自分のため、なんだよ。
そのために他人である誰かは一芝居打ってくれているというわけだ。もちろんこの演者モードみたいな状態で話しかけても特定の反応があるだけ。
この不思議さに気付く人間は俺以外にもたくさんいるはずだから。
究極この状態では目の前に居るはずの相手は実際には定められた反応しかしないので、それが普段認識している人間とは結構違った状態にあると言えると私は思っている。より具体的には鏡でありホログラムだ。
そのような人間はなぜ他人という概念が消え去りワンネスちっくな極限の鏡状態になっているのかを知らなければならないと思う。そもそもそんな資質のない人間であれば、一生それを経験することはないだろうから……もちろん遭遇しても気付かないという意味で。
私の人生はそのようになっている。
これらは私のためにある。
他の者にとってどうなのかというのは、その時々で相手となる者に聞くのが確実だ。いくらホログラムとはいえ高い互換性と連続性を持った対応、まさに人間らしい個性と記憶を引き継いだ対応を普段はしてくれるだろうから。
そしてたまにそれが破られる時がある。
まったく連続性のない、まったく論理的でもない突然変異というか豹変するような時があるのだ。
そのような不可解な現象はエラーではないのだ。それもまたそれを見た者には必要な経験だからそれが成されるのだ。その時、世界の法則が乱れたような気持ちになるかもしれない。
だがそれもまた必要な衝撃なのだ。その時の無視できないほどの疑問が探求と答えへ導いてくれるから。
とかく私のような者は、目の前で現実として起こることの実に半分は、自分の内側で経験し体験され昇華される必要があると気付く必要があるだろう。そうでなければひたすらに他の誰にも必要とされない自分だけに価値のある概念を語り続けることになりかねないからだ(笑)
そしてそれは本来あるべき状態ではないなら、非常な不快感や恐怖心のようなものを伴った状態にあるだろう。だからそのような者は例外なくワンネスを知ることが自分の人生と折り合いをつけて生きて行く最低条件なんじゃないかと私は思っている。
まぁ、そのような話ももっとこの人生が進んで誰かに伝えるべき時が来る頃には、もっと正確に伝えることができるのだろうよ。
まだまだ今の俺の行動の半分は、自分の内側で必要な経験を重ね昇華していくためなのだから。
そういうことだったんだよ。