リフォームの見積書の基本と、大手リフォーム会社の見積もりのカラクリ。
リフォームの見積もりを、大手リフォーム会社や工務店に依頼した事がある方は、このような経験をされた事があるかもしれません。
最初に提出された見積もり金額を比べた時に、例えば大手リフォーム会社の見積もり金額が、工務店の見積もり金額より高かったとします。
しかし、打合せを進めて細部を詰めていき、
互いの見積もり内容のモレや、材料の仕様を絞って行くと、最終的にはほとんど金額の違いが無くなってきたり、見積もり金額が逆転する場合も有ります。
なぜそのような結果になることになるのでしょうか?
見積書とは、一体どのような内容で出来ているのかを説明しましょう。
見積書の内容はというと
① 仮設工事
② 建築工事
③ 設備工事
④ 工事費計(①+②+③)
⑤ 諸経費(④×10%~15%程度)
⑥ 再計 (④+⑤)
⑦ 消費税(⑥×8%)
⑧ 合計(⑥+⑦)
簡単に説明するとこのようになります。
①~③の内容は各業者によって表し方は変わります。
①~③を、それぞれの工事に関わる項目に分けて行きます。
そしてそれぞれの項目に対して、
工事内容とその数量そして、それに対する金額を書き込んで行きます。
どこの会社の見積書であっても基本的な考え方は変わりません。
A社とB社で同じ見積もりを取ったとすれば、工事内容とその数量は同じでなければなりません。違うのはそれに対する金額だけのはずです。
相見積もりで内容を比べるということは、まず、工事内容とその数量が同じであるかを確認することです。
これを最初に確認しないと、『同じ土俵』で無いので比べようがありません。
工事内容と数量が同じであって初めて、それに対する金額を比べることができ、どちらの見積もりが高いか安いかが決まります。
しかし、リフォーム工事の見積もりは、例えば『エンピツを8本買う』というようなふうにはいきません。
同じことをやるのに工事内容と数量が各社で違ってきます。
それは、目的が同じでも、やり方が変わってくる場合があるからです。
工事のやり方が違う場合は、はたしてそのやり方で良いのかどうかの判断をしなければなりません。
この場合、それを判断できる知識と経験が必要になって来るのです。
工事を良く判っている人でないと、見積もりを比較することはできません。
建築士の肩書を持っていても経験が無ければ、
見積もりを比較検討することは出来ないのです。
では、『同じ土俵に乗っている』として、A社とB社でなぜ金額の違いが出てくるのでしょう?
例えば、C社の定価が百万円のキッチンをA社とB社で買ったとします。
それぞれの会社でのC社からの年間の取引量に違いがある場合の仕入れ値は、
A社が三十万円でB社が四十万円と、それぞれの仕入値段は違ってきます。
当然、年間の取引量が多い方の会社の方が安く仕入れることが出来るのです。
大手であるA社とB社でも仕入値段に差が出てくるのですから、小さな工務店と大手リフォーム会社との仕入金額の差はもっと大きくなります。
さらに、工務店がC社との間に販売店を介さないと買えない場合も有ります。
そのような場合、工務店の仕入値段は六十万円になる場合も有ります。
その差は、すさまじい金額になります。
キッチンや洗面化粧台やユニットバス等の、いわゆる住宅設備等のそれぞれの機器の金額は、大手リフォーム会社と住宅設備メーカーとの間で決められます。
薄利多売の世界です。
そこに工務店の付け入る隙はありません。
しかし、A社の見積もりにはいっているC社のキッチンの値段は、
三十万円ではなく四十二万円という金額になります。
工事の際に実際に掛かる金額(仕入れ値)を原価と呼びます。
大手リフォーム会社の場合、
原価に、四割程度上乗せしたものが見積もり金額になります。
工務店の見積もり金額も、決して原価ではありませんが、競合相手が居る場合など値段勝負になる時は原価で勝負してくるでしょう。
大手リフォーム会社の場合、大工手間等にも四割程度上乗せするようになります。この点に関しては工務店の方が有利なように見えます。
しかし、大手リフォーム会社の大工さんは、大手リフォーム会社の工事を専属でやる事になります。
大手リフォーム会社の仕事を専属する場合は、
『仕事が切れることなく与えられる』という条件が与えられます。
『営業活動』をしなくても良くなりますし、しかも『支払いは現金』です。
大工さんが工務店から請け負う工事金額より圧倒的に安い金額で、大手リフォーム会社から仕事を請け負っているのです。
このようなカラクリにより、大手リフォーム会社は大工手間等にも四割程度上乗せする事が可能になるのです。
大手リフォーム会社は、他よりも圧倒的に安い金額で仕入れることによって、
原価に高い経費を乗せても、価格競争に勝てるのです。
『大手リフォーム会社間の競争』も有るので、『原価に対する上乗せの割合』は
地域によって変わっています。
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